パソコンも書斎にあるので、ここで過ごす時間が多い。

久しぶりに、書斎にある本などを紹介してみたい。


ちなみにいつもこの空間で、わたしを温かい目で見守ってくれているものを紹介しよう。

$絶対への接吻あるいは妖精の距離


わたしは<こころ>について考え続けてきたつもりなので、それらに関係する本は多い。

愛や恋愛についての本も当然のごとく多くなる。


ほんの一部をあげると、夏目漱石の「こころ」「それから」「門」

 漱石こそ、最高の恋愛文学ではないかと思っている。苦悩も尋常ではなくなる。

 太宰もそうなのだけれどね。

スタンダールの「恋愛論」  この本こそ、真の古典というべきだ。    

モーパッサン 「女の一生」

リルケ 「マルテの手記」

ゲーテ 「若きウェルテルの悩み」 ゲーテの魅力が溢れている。

ゾラ 「ナナ」

バルザック 「谷間の百合」

アベ・プレヴォー 「マノン・レスコー」

ボーヴォワール 「第二の性」 サルトルとの関係は世界を変えた節がある。


これらは古典中の古典だから正座して片っ端から読んだようなところがある。

それは恋をすることで喜んだり、もがいたりしていたからでもある。

当時は必死だったのだろう。

どうしてこんな気持になるのかわからなくなってもがいていた。

なにをどうしたらいいのかわからなかった。

相手のこころもつかめない。

そういうものだ。


今でも本棚で大きな存在感を持っている古びない作品たちがわたしに沢山のヒントを教えてくれた。


愛について書かれた本は数え切れないほどあるし、わたしも随分読んだつもりだ。

中でも、吉行淳之助の「恋愛論」

瀬戸内寂聴の「愛の倫理」には、打ちのめされた記憶がある。


瀬戸内さんの本は、その後殆ど読破した記憶がある。

なんとも壮絶なひとだ。

これほど魅力的な女性はそうそういないと思っている。

いまもお元気でいらっしゃることがほんとうにうれしい。

あのような人生を送られたひとの言葉は信じられないほど奥が深く輝いている。


塩野七生の「ルネサンスの女たち」は大好きな本。

塩野さんは男の魅力を知り尽くしているひとかもしれない。


ルネサンスの女たち (中公文庫)/塩野 七生

¥795
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女性の凛とした姿については

ジュール・ミシュレ「ジャンヌ・ダルク」 極めつけだ。これほどの勇気が世界を変えた。

ミシュレの「愛」という本はとても影響を受けた。  愛の文学者といえる。



最近気になっているのは白州正子さん。

白州さんの本は愛や恋愛ではないが、慈悲の世界のひとではないか。

最近テレビで彼女の特集をやっていた。

書斎にあった本は、今でも独特の不可思議な存在感を持っていた。

「西行」「十一面観音巡礼」


西行のあとがきにこうある。

「総じて辻褄が合うような人間はろくなものではなく、まとまりのつかぬところに西行の真価がある。」

仏道修行者であり、歌人であった西行の真実はここにあるのか。

これほどの言葉をはけるひとは今でもいないはずだ。


「十一面観音巡礼」にある観音の写真については、わたしはあえて語らない。

この本から入ってみてほしい。


これが美というもの。

日本の美というものだということが、感じられてくるはずだ。

正子さんは、いったい誰に会いに旅に出たのか。

最澄や、西行。そして。

なぜ旅を始めたのか。

何に会いに行ったのか。

何がそこで見えたのか。

彼女の本の世界からそのことをを考え続け、今度は彼女の歩いた道を歩いてみること。


そのことに一生を使ってもいいほどの、深い生涯を送ったひとだということにようやく最近

気がつき始めたということかもしれない。


あのひとほど、日本人のこころの故郷を見つめ続け、そこへ辿り着き、その真実をわたしたちに

教えてくれたひとは振り返って数人ではないかと思った。

これほど素晴らしいひとがいたことにあらためて感謝したいと思っている。


十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)/白洲 正子

¥1,155
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リルケの「マルテの手記」のマーキングしていたところを再読していた。

「愛する人間のこころには、清らかな神秘がある。

結晶した神秘の美しさがばらばらに敗れることは決してないのだ。」


「愛されることは、ただ燃え尽きることだ。

愛することは、長い夜にともされた美しいランプの光だ。

愛されることは消えること。そして愛することは、長い持続だ。」


リルケのこころの美しさにあらためて触れて感動していた。

いったいリルケとは誰か。

これほど美しい魂の存在はどこから来たのか。


マルテの手記 (新潮文庫)/リルケ

¥540
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本とは何か。

人間が作り出した万華鏡のようなものかもしれない。

これらの世界に囲まれているわたしは幸せなのかもしれない。


生きているということは楽しいことばかりではない。

人生は巡礼のようなものかもしれない。

観音も菩薩もいるのだろう。


苦しみばかりが人生でもないはずだ。

愛がわたしたちのこころにある限り、光も満ちてくるだろう。

愛がなくなるということはないのだから