最近、映画『君の名は』を大ヒットさせた映像プロデューサーの川村元気さんのテレビインタビューを見て考えていた。


彼のプロデューサーとしての感度は、かなり高度だと思う。


発想というか着眼点が深い。これが企画力に繋がっているのだろう。


哲学的といいたくなるが、今の状況についてアンテナを張り巡らして深く考えている。


彼の新しい小説の「百花」では、認知症の祖母と一緒にいると「記憶が並列化」していると感じたという。

 

過去とか現在でもなく、どのくらいの過去でもなく、記憶と時間が並列化していくとどうなるのか。

 

 

わたしは亡くなった父のことを思い出していた。


母と話して、父の記憶を少しでも呼び戻せないかと考えた末、父が若いころ働いていた職場へ連れて行くことだった。


そして、生まれた家(既に家はなかったが雰囲気は残っていたはずだ)へも行った。


わたしたちは、父にここがどのような場所かを大きな声で説明した。


母にとっても出逢いの場所に近かったので、より思いが募る場所だった。


ふたりはとにかく若く、しかし重いものを背負いながら必死で生きていたのではないか。


残念ながら、父の記憶が戻る兆しを見ることはできなかった。

 

今考えると遅かったのかもしれない。


しかし意味のない行為だったとは思えない。

 

わたしたちも必死だったのだ。


父に、一緒の世界に戻ってきてほしかったから。こころのなかで叫んでいた。


今のような新しい知見がほとんどなく手探りだったから。


あるとき、父をある場所に連れて行ったとき、突然記憶が戻った(ように見えた)ことがあった。


突然、大声でたくさんのひとに挨拶をしたのだ。


あまりの衝撃にみんな驚いた。


まさに巨人のような父そのものだった。


その後、また戻った。


あれが父の最期の復活であり、わたしたちへの挨拶であり、共に生きてきたひとたちへの叫びだったのかもしれない。


今では、その姿を見れただけで幸せだったのかもしれないと思う。


父さん、ありがとう。

 

 

中野監督の映画『長い別れ』も気になっている。見に行けるだろうか。

 

 

 

前段が長くなってしまった。わたしは何が言いたかったのか。


名作、傑作と言われる映画は沢山見てきた。


いままで見た作品を振り返りベスト20本の映画を選んでみようと思った。


考え抜いて21本の映画が残った。

 

フェデリコ・フェリーニ  

 

フェデリコ・フェリーニ  

カビリアの夜

 

フェデリコ・フェリーニ  

アマルコルド

 

黒澤明         

七人の侍

 

黒澤明        

椿三十郎 

 

黒澤明        

生きる

 

スタンリー・キューブリック 

時計仕掛けのオレンジ

           

     

スタンリー・キューブリック 

2001年宇宙の旅

 

アンドレイ・タルコフスキー 

惑星ソラリス

 

アンドレイ・タルコフスキー 

ノスタルジア

 

ジュゼッペ・トルナトーレ  

ニューシネマパラダイス

 

クロード・ルルーシュ    

男と女

 

溝口健二         

雨月物語

 

ビリー・ワイルダー    

アパートの鍵貸します 

(ジャック・レモン)

 

呉美保          

そこのみにて光輝く 

 

山崎貴          

ALWAYS三丁目の夕日

 

ミハイル・カラトーゾフ   

SOS北極  赤いテント

 

ジーン・サックス     

おかしなふたり 

(ジャック・レモン)

 

エットーレ・スコラ  

マカロニ    

(ジャック・レモン)

 

ジョン・シュレジンジャー 

真夜中のカーボーイ

 

ローランド・ジョフィ   

キリング・フィールド 

 

 

 

 

「キリング・フィールドのポスター」

 


生涯愛し続ける作品だから順番はつけられない。


やはり監督で映画を見ている。


映画としての完成度なら別の映画かもしれない。


映画を見たときのこころの状態も関係しているのかもしれない。


その映画を見て人生観が変わってしまった。または新しい価値観を教えられた。


既成の価値観を壊された。


感動や希望、歴史の悲劇、大切なのは愛であること。


なぜか時間が経つほどに薄れていった作品もある。

 

しかし記憶が残ったまま、いつまでもわたしに問い続ける作品がある。


まるで謎をかけられているように気になって仕方がない。

 


それらは人間としてどう考えるべきなのかを問い続けている作品なのだろう。


これらの21本は未だに、わたしに囁いている。


時間は関係ない。普遍的なことを表現しているからだ。


確認してみると黒澤さんの作品3本を含めて8本を記事にしていなかった。


書くには手ごわい作品ばかりだ。

 

ずっと「雨月物語」の記事を書きたいと思っている。


まだ「ノスタルジア」のラストシーンの意味が解けないので書くことができない。


「生きる」については、ラスト近くになるのか。

 

 

これらの作品でわたしは何を知ったのか。

 

愛する映画たちを振り返ることで、わたしは学んだことを人生のなかで

まとめようとしている。

 

映画の女神よ、ありがとう。