最近、もっとも注目している男が彼だ。
奥田愛基(通称オークダーキ)。25歳。
明治学院大学国際学部から現在は一橋大学大学院生。
元シールズ 「SEALDs」(平和安全法制(安保法制)に反対する「自由と民主主義のための
学生緊急行動)の創設メンバー。
憲法改正に、反対してきた学生グループ。
わたしも第九条死守派。
シールズと彼の安保法制の闘いは忘れることはできない。
彼等の活動は国民の意識に大きな変革をもたらしたと思う。
新たなムーブメントが起きたと感じた。
なぜならそれまで大学生が政治のステージで前面に出ることは殆どなかったのではないか。
アメリカのデモ活動を参考にしたプラカードやドラムの使い方。独特なコール。
何もかもが新鮮だった。
わたしは若い人たちが立ち上がって、かつ党派色が無いことがうれしかった。
このエネルギーはどこから来たのか。彼らはなぜ立ち上がったのか。
彼らは、スマホに記録した言葉を読み上げながら登壇し公衆の前でトークをした。
女子高生・大学生が多かったのには驚いた。
奥田くんのことは、ここで初めて知った。
それ以来ずっと彼を見続けている。
安保法制の法案が通る前の闘いは壮絶だった。
他に牛田くん、紅子さん、福田和香子さん、本間信和さんたちが活躍していた。
「国民、舐めんな! 勝手に決めるな!」「安倍晋三から日本を守れ!」
「戦争したがる総理は辞めろ!」
あのコールの意志は、今イラク日報、スーダン日報という形で真実が現われてきた。
2015年8月30日 安保法案に対する最大の反対デモが行われた。
彼等の呼びかけもあって国会周辺に35万人が集った。
首相官邸前には、学者、政治家、一般のひとたちがコールをした。
癌だった坂本龍一も登場した。
シールズのメンバーは明らかに新しいエネルギーで大きな力を生み出した。
その闘いのなかで多くのメンバーが誹謗中傷に会い、精神的にも追い詰められてもいった。
安保法制は結局法案は深夜に採決された。
闘争は敗北した。
あの時わたしもあの時間まで彼等のコールを感じていた。
一瞬何かが終った。
あの時ほど辛く悔しい夜はあまり経験したことがなかった。
結果とは別に、シールズは解散しても、奥田くんたちはこのままでは終らないと確信していた。
きっと何かを始めるはずだ。
彼は問題意識を持ち続けるタイプだと思っていたから。
彼はこの一年沈黙をしていた。
少しずつつぶやいてはいたが。
大学院の勉強をしながらも、じっくり考えていたのではないか。
先週、久し振りに奥田くんと牛田くんが首相官邸前でコールをやっていた。
今、森友、加計学園、日報問題等で安倍政権が重大な危機的状況に陥ってきたと思う。
これは終わりの始まりなのだ。
そんな時にニュースが入ってきた。
5月26日(土)に東京・渋谷で"音楽 x アート x 社会をつなぐ都市型フェス" 「THE M/ALL(ザ・モール)」というイベントだ。
メンバーには、水曜日のカンパネラのコムアイや奥田愛基くんや、
UCDこと牛田くんがBullsxxtというヒップホップのグループで参加するという。
とうとう彼が動き出した。待っていた。
クラウドファウンディングを使った。新しい都市型フェスティバル。
30時間にわたり、政治や難民問題等についてトークセッションも行うという。
今、大きな塔が崩壊しようとしている。
「誰かが意見を表明することを抑圧することは、あってはならないと思います。
つまり、人々のMAKEを阻害するようなMAKEはだめでしょってこと。
世代間差別や人種差別、男女差別みたいな、変えられない属性を否定することを認める社会は、
自由な社会とは言えないからです。
これは、対立がダメだということではない。意見が対立したっていい。
でもまずは、YESもNOも言えない社会から、ちゃんと言える社会に移行させたい。
この前提をみんなで共有しようよ、寛容な社会をつくろうよって思います。
だからM/ALLは、シングルイシューにこだわっていません」―奥田愛基。
そしてまた、新しい価値観が生まれていくのかもしれない。
形が見えてくるのはこれからだ。
わたしは期待したい。
希望は彼等のなかでも輝いているから。
わたしたちも共にいるから。



