数日前、周りの山に雪が積もった。

いつもより1か月は早い。異常気象だと思う。

今朝は最低気温が3度。

初霜があったようだ。

ほんとうの冬は11月下旬にやってくる。


朝のウォーキングも吐く息が白い。

夜空の星もこれから輝くときが始まる。


急な気温の低下もあって、紅葉が深まってきた。

そんな木々や葉を見ていると切ない気持ちになるのはなぜだろう。



いつだってそんなときに聴いているのは、愛するイブ・モンタンの「枯葉」だ。

いままで取り上げるタイミングを逸していた。


通常のアルバムの原曲も素晴らしいけれど、ライブアルバムの彼の歌を聞いて欲しい。

シャンソンは詩を大切にしている。

囁くように語る。

まるであなたの耳元で語りかけるように。


詩はジャック・プレヴェール。

アンドレ・ブルトンが作ったシュルレアリストグループの最初のメンバーだった。

イデオロギーの問題で決別するが、沢山の詩を残し愛され続けている。


ブルトンについては、最近パリにアンドレ・ブルトン通りができたことを知った。

思わずグーグルマップで歩いていた。

いずれここを歩くだろう。



イブ・モンタンの生の歌。

わたしがフランス語を愛し続けている理由はこの歌を聴くだけでわかってもらえるはずだ。


なんてまろやかで、優しく、包みこむような温かい言葉の響き。

例えば、英語ではイメージ。フランス語ではイマージュ。

これだけで参ってしまう。


モンタンは俳優としても素晴らしい役者だった。45本の映画にも出演している。

渋い男の代表なのか。

人生を歌い上げる男。


Olympia 81: Extraits/Yves Montand

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「枯葉」

「思い出してほしい
僕たちが愛し合い、幸せだった頃を
あの頃 人生は今よりずっと美しく
そして 太陽は光り輝いていた

箒の周りを枯葉が舞う季節になっても
ほら 忘れてはいないさ

枯葉が舞い集まり
思い出や後悔も集まってくる
やがて 北風がすべてを
冷たい夜の闇の中に運び去る」



忘れてはいない。

あの日のことを。

こころは何も変わらないから。

小鳥たちが愛を囁きあっているように見えた今朝。

ふたりでうつむき加減で歩いた日のことを。

あのエメラルドのように美しい瞳を。


Yves Montand-Les feuilles mortes/Dead leaves (eng.subtitles)





アルバムの次の曲もプレヴェールの傑作だ。

是非歌も聞いて欲しい。


「庭」

限りなく年を重ねても
言いつくせないだろう
あの永遠のわずかな一瞬
きみが私に口づけし
私がきみに口づけをした時のことを

冬の光をあびた朝
パリのモンスリ公園で
パリで
星の地球の上で

  ジャック・プレヴェール



そして、葉がひらひらと木から落ちるとき、

あのときのことを思い出す。


永遠が一瞬のなかにあることを。

喜びや微笑が愛から生まれることを。

愛なしには生きられないことを。


愛が希望を生むことも。