この映画を、もし観ていなかったら、絶対にひとりで観たほうがいいと思っている。
「Laundry」は、わたしの写し鏡なのかも知れない。

主人公のテル(窪塚洋介)は事故で、脳に障がいを持っている。
人と、うまくコミュニケーションをとることが出来ないんだ。
おばあちゃんの経営するコイン・ランドリーで、泥棒が入らないように、いつも入口で店番をしている。
そのことが、彼のこころの支えになっている。 テルが優しいこころを持っていることは、すぐに分かる。

そこに、様々なお客さんたちが来る。 ある日、1人の女性が、ワンピースを忘れて消えてしまう。
テルは、彼女の忘れ物を届けに、旅に出るんだ。ワンピースを届けるだけのために!。
その旅の中での不思議な巡り合いと、水絵(小雪)との再会。
ふたりは何か共通点を感じて、付き合いが始まる。

水絵には、何度も万引きをしてしまったという過去がある。
(彼女の万引きは、こころの病だとわたしは思っている)。
お互いの弱い部分を無意識に支えあって生きていこうとするんだけど、
ショッキングな出来事が起り、ふたりは引き裂かれてしまう。

わたしは、テルが水絵と引き裂かれたとわかった時に、
土砂降りの雨の中を大声で、慟哭するシーンを見ると、我慢ができずに声を出して、
顔が涙でグシャグシャになるほど、泣いてしまう。だからこの映画だけは、ひとりでしか観れない。

わたしは、この作品を観て涙が出なくなったら、こころが危なくなっている証拠だと信じている。
昨日、あらためてライブラリーから出して観た。やっぱり、涙が溢れ出た。

ランドリー - Laundry


こころの中で、わたしはテルになっているんだろうか。 わたしとテルに、共通点があるんだろう。
今まで、ひとりでいたテルが、ようやく幸せの直前まで来たんだ。
その愛を引き裂かれたショックと、大雨の中ランドリーに戻ると、店は転売されている。
なんと言う事だ。テルには、戻るところが無いんだ。
テルを見守ってくれている人たちはいた。 でもあの店がなければ、もう彼らと会う事も出来ない。
テルのこころの支えすら、無くなってしまった。 絶望とは、このことを言うんだと思った。

テルは、この後、どうなったんだろう。このままでは、死んでしまうんじゃないかと・・。
ある時期が過ぎて、水絵は、テルのいた場所に戻ってくる。
テルはどうしているんだろう。 もうランドリーが無くなっているとも知らずに。

そして、あのラストシーンだ!!。 赤い旗を見たときには、心臓が止まりそうになった。
邦画でこれほどの感動は、しばらく味わっていなかった。
また大粒の涙が止め処もなく、流れ落ちてくるんだ。

テルは言う、「愛だよ、こういうのは地球では愛っていうんだよ。 宇宙では知らないけどね。」

テルは、脳に障がいを持っているが、こころは純粋そのものなんだ。
あどけないこころ。 言葉は少ないが、正直そのもの。<無垢な少年の魂>そのものなんだ。
水絵はこころに傷を持って、じぶんを支え切れないでいる。
こころが病んでいるのは、純粋だからかもしれない。
だから、2人で足りないところを補うことで生きていこうとしたんだ。

ひとは、ひとりでは生きていけない。 ひとは、ひとりでは弱いものだ。

このふたりと、わたしたちには、何も大きな違いはないと思う。
本当に、信じられるひとを見つけられれば、ひとは幸せになる可能性が持てると思う。
そのことで、新しい人生が見えてくるんだ。

レンタルショップには、必ずあると思う。 なければ、その店は信用しなくていい。
監督の森淳一は、本当に<汚れた魂を洗ってくれる映画> を作ってくれた。
窪塚の演技力には、降参した。 そして小雪は、今一番輝いている女優だと思う。
<笑顔の中に哀しさ>を感じられる演技を、できるひとは少ないから。

誰だって、哀しさや苦しさの中で、希望をを忘れないで、懸命に幸せになりたいと思って、生きている・・。
この映画は、どんなことがあっても、決して希望を捨ててはいけないことを、教えてくれたと思っている。

明日は、きっと、晴れるだろう・・。 みんなの空と、こころが、晴れればいいなと思っているんだ。