最近、仕事がどうも思うようにいかなくて悩んでいた。
大事なときなのだが、どうしても「戦闘モード」のスイッチが入らない。<こころ>が動かない。
ふと龍馬の顔が頭に浮かんだ。遠いところを凝視する、鋭い眼光だ!。

これほど魅力的な男はいない。この男のことを語り出したら止まらない。男が惚れる男だ。
最初の出会いは、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」。
読み出したら、ぐいぐいと引き込まれていく。 じぶんが、龍馬になったような気持ちになっていく。
若いひとには、必ず、きみの未来のために読みなさいと勧めている。
それは<志>を持って欲しいからなんだ。長いものに巻かれるな!。

姉の「乙女」は凄いひとだ。この姉がいたからこそ、歴史を変えた彼が生れたと思う。
彼が歴史に登場し始めるのが、28歳の土佐藩からの脱藩だ。
当時は、脱藩するということは、一族郎党がどうなってもおかしくはなかった。
本人も殺されてもおかしくはない。それでも、龍馬は脱藩する。
彼の最初の大きな勇気と決断は、ここから始まる。
<青雲の志>を抱いて、死の覚悟もしている。血が沸き立ってくる。決然たる闘志だ!。

そして、開国論者の勝海舟を殺しに行く。(諸説がある。)
この場面は、「竜馬がゆく」と子母沢寛の「勝海舟」を読んで欲しい。
日本史に「出会い」というコーナーがあったら、
この二人の出会いこそが、もっとも重要であり、感動的だと思う。
維新回天のきっかけを生んだシーンだ。

彼は、攘夷の考えだったが、勝の話を聞いて驚愕する。
すぐに、世界情勢を理解した直観力と状況認識能力のずば抜けていいること。
他の「尊王攘夷の志士」との大きな違いは、そこにある。
彼は勝の弟子となり、神戸海軍操練所設立の塾頭となる。
そして、日本初の会社である貿易商社・亀山社中(後の海援隊)を長崎に設立する。

彼の最大の功績は、宿敵同士の「薩長同盟」をさせたことだ。
一介の浪人だった龍馬が薩長のひとたちに、よほど信用されていたことがわかる。
彼には、私利私欲がない。彼は、こころのなかで、血を流しながら説得をしたんだと思う。

「薩長の和解はこの日本国を救わんがためなれば、一藩の私情は忍ばざるべからず!」

これほど激烈な言葉はない。藩の対面、名誉、利益を超えなければ日本の未来はない!。
どうしてそのことがわからないのか!。とうとう桂小五郎と西郷隆盛は、龍馬の説得に応じる。
彼の思いを想像するだけで、涙が出てくる。
日本史に残る交渉史としては、勝と西郷の江戸開城の交渉と並ぶ命賭けの交渉だ。

行動力も凄まじい。神戸・長崎・薩摩・長州等と走り回っている。
妻おりょうとの旅行は、日本初の新婚旅行だ。ピストルも持っていた。
新しいものは、どんどん取り入れていく。
それから、近代日本を作る基礎となる「船中八策」を作成する。
これからの日本の未来を、全てお膳立てしておいたのだ。
たった5年で、これらのことを行った男だ。
そして京都の近江屋で暗殺される。今でも、悔しくて犯人を見つけたい!。

既成概念に囚われないこころ。大胆な決断力と実行力・行動力・まごころの交渉力・状況判断力・
企画力・構想力などを持っていた。本質を一瞬で掴む能力もあった。尋常ではない。

どうしたら、ひとのこころを動かせるかというヒントもある。
それは<まごころ>に尽きる。裏も表もない。学歴も役職も関係ない。

よほどこころの大きいひとだったんだろう。そして、無垢なこころを持っていたと思う。
壮大な夢を見て、実現させた男。
彼ほど日本の将来を憂い、明るい未来を望み、そのことに命を賭けたひとはいない。
日本人として心底誇りに思う。一浪人が日本を変えた事実にも。
彼が、生きていたら政府に残っただろうか。いや、きっと世界中を旅していただろう。
日本などというものも、相手にしていなかったかもしれない。これら全てが、龍馬の魅力だ。

彼の言葉と、彼に関する言葉を紹介したい。(諸説もある)

●「日本をせんたくいたし申し候」(28歳 姉への手紙)

●「世の人は 我を何とぞ言わば言え 我がなす事は 我のみぞ知る」

●「この世に生を得たるは、事を為すにあり」

●「男なら、たとえ、溝の中でも前のめりで死ね。」

●「俺は、昨日の俺ならず」

●「何でも思い切ってやってみることですよ。
  どっちに転んだって人間、野辺の石ころ同様、骨となって一生を終えるのだから。
  いったん志を抱けば、この志にむかって事が進捗するような手段のみをとり、
  いやしくも弱気を発してはいけない。
  たとえその目的が成就できなくても、その目的への道中で死ぬべきだ。(竜馬がゆく)

● 願わくは公明正大の道理に基(もとづ)き、一大英断を以て天下と更始一新せん。
  (船中八策)

●「薩長同盟も大政奉還も、全部龍馬一人で考えてやったこと。
  あの大ボラ吹きは、言葉一つで薩摩という大藩を動かしおった」(勝海舟)

●「志とは 目先の貴賤で、動かされるようなものではない 
  今 賤しいと思えるものが、明日は貴いかもしれない 
  君子となるか小人となるかは、家柄の中にはない 
  君 自らの中にあるのだ」 中岡慎太郎 (龍馬と一緒に暗殺された盟友)

龍馬よ!。ありがとう!。中岡慎太郎の言葉も心に沁みた。
そう、鍵は、わたしじしんのなかにあるのだ。

どんな状況に置かれようと、前を向いて歩いて行くよ。 まだまだ、道中はこれからだ!。