
ふと、あの時の頃を思い出していた。
学生時代、わたしのアパートのドアを叩く音がした。
親友だ。彼は、息を切らしていた。
本を買って、すぐにわたしのところに向かったのだろう。
「とうとう、古本屋であのサン=テグジュペリの星の王子様の絵本を見つけたよ!。」
その本は凝った装丁だった。 確かに美しい本だった。
それよりも、その本を眺めている親友のキラキラ輝いた瞳に感動していた。
しばらくして、またドアをドンドンと叩く音がした。
やっぱり親友だ。 今度は、なんと望遠鏡だ!。
「一緒に、望遠鏡で星空を見ようよ!。」素晴らしい親友だった。
2人で興奮しながら、「ああ、あれが金星じゃないか?」と
隣近所のことを忘れて、叫んでいたものだ。
サン=テグジュペリ。
彼は、望んだ人生を歩くことができたのだろうか?。
ある意味ではそうだったし、ある意味ではそうではなかったかも知れない。
彼は、<世渡り>がうまい人間ではなかったと思う。
わたしも同じだ。不器用だし、ご機嫌取りはしたくない。
これはわたしの信条なので、それでいいと思っている。
本当は、<星の王子様>のことを書いたほうがいいのかもしれない。
彼の生涯のことも。しかしやめた。
みんな<星の王子様>を読んでいると思うから。
もし読んでいなかったら、書店に向かうことだ!。
そして、<夜間飛行>等の本も。
彼のサイトがあった。 この展示室が素晴らしい。
http://www.lepetitprince.co.jp/
彼は、仕事を色々変えた。 作品を書いた。念願の飛行機にも乗れた。
ある意味では、幸せな人生だったのかもしれない。
彼の生き方は当時、評価されなかったかも知れない。
以前、仕事でハワイへ行く飛行機の中で、
窓から宝石のようにキラキラと光り輝いている、星たちに巡りあう事ができた。
あんな近くに感じた美しい星は見たことが無かった。
雲の上で空気が薄かったせいだろう。一生忘れることができない光景だった。
わたしが生きているって何だろうって、思った・・。
透き通った星のようなこころを、わたしは持っているだろうか。
最近はなぜか、星空を見ることが増えている。
空気が澄み切って、星が輝いているほど、自分という存在の小ささを感じている。
あの光は、遠い過去の時間のものだ。
この大宇宙の中で、今わたしは何をしているのか・・。
彼も飛行機を操縦しながら、そう思っていたに違いない。
それにしても、深い思想だ。
わたしが選んだ、彼の言葉を読んで欲しい。
★「本当のことは、目に見えない。こころで見なければ見えないんだよ」
★「世界を動かすのは、知性ではなくこころだ」
★「愛するとは、けっして互いに見つめあうことではなく、一緒に同じ方向を見ることだ」
★「重要なことは、目的地に着くことではなく、そこに向かうことだ」
★「人生に答えはない。あるのは前に進む力だけだ。その力を生み出すのだ。
そうすれば答えは後からついてくる。」
★「救いは一歩踏み出すことだ。もう一歩、そしてこの同じ一歩を繰り返すことだ」
人間というものを、ほんとうに知っているひとだ。大好きだ。
わたしの、人生の指針の言葉でもある。 この言葉が最高だ。
★「きみという人間は、きみの行為自体の中に宿っている。
きみの行為こそ、きみなのだ。もうそれ以外のところにきみはない!」
彼の作品に書かれたこころを愛している人が、世界中にいると思う。
その精神は、永遠に愛されるだろう。
彼は今でも飛行機から、わたし達を見ていると思う。
サン=テグジュペリから得たものは、あまりに大きいんだ。
彼のこころに応えられるように生きたいと思う。
あなたは、今でも空を飛んでいるよね!。
わたしも、いつかあなたと一緒に空を飛んでみたいと思うんだ・・・。