ナジャ②では、ブルトンとナジャが出会ったところで終わった。

知りあった2人は、その後どうなったんだろう。
2人の関係は、実に複雑だ。
ブルトンは、ナジャに自分はどんな人間で、どんなことを考えているかを話す。
彼女は自分の生い立ちが不遇であったことや、今の自分の置かれている状態が
あいまいに不安定であると話す。

2人は会うごとに、親密さが増して行く。
彼女は、彼の著作を読み始める。しだいに彼女が彼を愛し始めていくことがわかる。
ナジャはブルトンの本を読んで、影響を受けた事は確かだが、
彼女は、突然不思議な言葉を話し始める。

このナジャの言葉や感性が、ブルトンやわたしを虜にしたのだろう。
わたしは、今でも彼女の写真を見たいと思っている。
彼女のデッサンも、謎めいて魅力的だ。②の絵が彼女の描いたデッサンだ。

今回は、彼女の言葉を紹介したい。魅かれる言葉の数々だ。

「ああ、ナジャ、なんて不思議なんだろう! 
そんなイメージ、本当にどこで見つけたって言うんだ?」ブルトン

★「君とは誰か?」すると彼女はためらいもせず、「私はさまよえる魂」。

★あなたと知り合うずっと以前から、あなたに対しては一度も秘密を持った事がないような気がする。

★私は誰だったのかしら?。それはもう何世紀もまえのこと。
あのころ、あなたは誰だったの?。

★ほらあの手、セーヌに映っているあの手、どうしてあの手は水面で燃えているのかしら?

★ひとつの手がゆっくりと空に描き出す稲妻を迫っているのよ。火の手。これはあなたのこと。

★あなたは私のことを小説に書くわ、きっと。私たちのなかの何かが残されなくてはいけないの・・。

★私は鏡のない部屋のなかで、浴槽に浮いている思考なの。

★あなたは、私の主人。わたしはあなたの唇の端で息をついたり引き取ったりするただの原子。
涙に塗れた指先で、静けさに触れてみたい。

彼は、こうも言っている。
「ナジャを一個の自由な妖精と考えてきた・あの空気の精」

「それにしても本当のナジャとは、いったい誰なのだろう」

「いつも霊感を与えられ、いつも霊感を与える女」

あの軽やかさと熱さの入り混じった愛らしい彼女を、心ゆくまで眺める彼。
この作品にわたしは、なぜ魅かれ続けているのか?。
ナジャの魅力とは、いったいなんなのか?。
まだ解読が、出来ないでいる。だが、魅かれ続けている。

離れているのに、殆ど同時にわたしと同じことを考えているひともいる。
わたしも彼と同じように不思議なことに、最近遭遇している。

出会いの不思議さ。
みなさんのことを知れば知るほど、そう感じている。

なぜ、わたしは、あなたと巡り合ったのだろう・・。
なぜ、あなたは、わたしと巡り合ったのだろう・・。

「人生は、暗号のように解読されることを、求めるものなのかもしれない」 アンドレ・ブルトン