映画「ミセス・パーカー/ジャズエイジの華」ジェニファー・ジェイソン・リー祭り | TO NI LAND 

 

 

 

映画「ミセス・パーカー/

ジャズエイジの華」を観た。

 

 

 

 

 

 


ジェニファー・ジェイソン・リーが、

 

機知に富んだ

ドロシー・パーカー役を?

 

 

という私の疑念を

見事に払いのけてしまう、

 

 

アラン・ルドルフの斬新な

キャスティングに脱帽し、

 

 

 

ニーナ・シモンを真似る

ジュリー・デルピーのような、

 

アンニュイな喋り方をする、

 

 

ジェニファー・ジェイソン・リー版

ドロシー・パーカーも、

 

 

慣れれば違和感どころか、

 

はまり役のようにさえ

思えてくるのが不思議で、

 

 

 

ジャズ・エイジの女性を

象徴するボブカットや、

 

ミノムシのような

クロッシェ帽も、

 

彼女にはよく似合っていて、

 

 

 

文化人サークルの“華”と

呼ぶには相応しかったが、

 

 

ジャズ・エイジの華となると、

 

 

やはり、

 

映画「シカゴ」の

キャサリン・ゼタ=ジョーンズや、

 

 

映画「コットンクラブ」の

ダイアン・レイン、

 

 

映画「華麗なるギャツビー」の

ミア・ファローや、

 

キャリー・マリガン、

 

 

 

フィッツジェラルド

繋がりで言えば、

 

 

映画「ミッドナイト・イン・パリ」の

マリオン・コティヤールなどの、

 

 

スウィングジャズの

高揚感を彷彿させ、

 

 

エリオット・ネスも、

 

思わず

一杯やりたくなるような、

 

 

幼児体型ではない

女性のほうが、

 

しっくりくるように思われ、

 

 

 

フィッツジェラルドといえば、

 

 

「ミセス・パーカー/

ジャズエイジの華」

の、

 

フィッツジェラルドは

存在感がなく、

 

 

ゲストたちにのまれていた

のが残念だったが、

 

 

 

まるでロキが居るようだった、

 

 

「ミッドナイト・イン・パリ」の、

 

フィッツジェラルドよりは

マシに思えて、

 

 

 

“アルゴンキンの円卓”

の窮屈さを見て、

 

映画「バスキア」の

ボックス席を思い出し、

 

 

 

文化人やアーティストなどが

集うテーブルでは、

 

 

食事よりも議論が優先

されるのだなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

アラン・ルドルフと、

 

ロバート・アルトマン

コンビの作品だけあって、

 

 

やはり凄まじい

顔ぶれが勢揃いしていて、

 

 

 


オスカー辞退で有名な、

 

名優ジョージ・C・スコット

の息子である、

 

キャンベル・スコットが、

 

 

ドロシーにとっての

一番の理解者で、

 

 

影で彼女を支え続けた、

 

ロバート・ベンチリー役を

演じ、

 

 

 

ちなみに、その妻役は、

 

 

映画「フラッシュダンス」

で有名な、

 

ジェニファー・ビールスで、

 

  

 

 

ドロシーやベンチリーと同じく、

 

“アルゴンキン・ラウンド・テーブル”

の創設メンバーだった、

 

 

劇作家の

ロバート・E・シャーウッド役を、

 

 

 

ジョン・カサヴェテス監督と

ジーナ・ローランズの息子で、

 

 

 

映画「きみに読む物語」など

多数の監督作品がある、

 

 

ニック・カサヴェテスが

演じているので、

 

 

 

創設メンバー役の三人が、

 

 

偶然、ビッグネームの

子女であるのが驚きで、

 

 

 

ニック・カサヴェテスと言えば、

 

 

彼の作品に馴染み深い

デヴィッド・ソーントンが、

 

 

やはり劇作家である、

 

ジョージ・S・カウフマンを

演じており、

 

 

 

本作ではソーントンの妻

シンディ・ローパーも、

 

 

クロケットのシーンで

カメオ出演していて、

 

 

 

 

ローレン・バコールが

母親であるという、

 

 

これまた大女優の

息子サム・ロバーズが、

 

 

雑誌「ニューヨーカー」

を創設する、

 

ヘラルド・ロス役を演じ、

 

 

 

その妻役の

ジェーン・グラントを演じた、

 

マーサ・プリンプトン

にいたっては、

 

 

 

アラン・ルドルフと、

 

ロバート・アルトマン作品の

常連俳優で、

 

 

本作でも円卓のシーンに

カメオ出演していた、

 

父親の

キース・キャラダインと、

 

 

父娘共演まで果たして

いたのに、また驚き、

 

 

 

 

ベンチリーがバーで

口説こうとする女性役を、

 

 

本作以外でも何度か、

 

ジェニファー・ジェイソン・リーと

共演している、

 

 

異母妹のミーナ・バディが

演じていたのにも、

 

やはり驚いた。

 

 

 

 

 

その他では、

 

 

ドロシーの夫

エディ・パーカー役を、

 

 

ブラット・パックの一員だった、

 

アンドリュー・マッカーシー

が演じていて、

 

 

戦争で負傷した腕を、

 

“鉛筆を削っていて折れた”

などと、

 

 

ドロシーが吹いて回って

いたのを知って、

 

ぶちギレるシーンが

印象的で、

 

 

 

 

エディがドロシーから

去ったあとに現れる、

 

愛人の

チャールズ・マッカーサー役を、

 

 

やはりブラット・パックの

準構成員だった、

 

マシュー・ブロデリック

が演じており、

 

 

“西欧世界で最高の乳房”を、

 

今回は、

 

彼のみが拝むことが出来た

ばかりか、

 

 

 

サークルの一員である

女優を演じた、

 

 

映画「セブン」で

ブレイクする寸前の、

 

グウィネス・パルトローの

オールヌードまで、

 

 

独り占めにするという

色男ぶりで、

 

 

当時の、

 

彼の人気の凄さが

うかがえて、

 

 

 

 

ヘイリー・ビーバーの父親、

 

スティーヴン・ボールドウィンが、

 

 

映画「ブルックリン最終出口」

以来での、

 

ジェニファー・ジェイソン・リー

との再共演で、

 

 

 

再共演といえば、

 

ジェームズ・レグロスと、

 

ヘザー・グラハムも、

 

 

映画「ドラッグストア・カウボーイ」

以来となり、

 

 

 

ドロシーの二番目の夫役を、

 

 

映画「セックスと嘘とビデオテープ」

のピーター・ギャラガーが、

 

 

 

劇作家

エドナ・ファーバー役を、

 

 

映画「アリゾナ・ドリーム」の

リリ・テイラーが演じていて、

 

 

 

先述した、

 

キャンベル・スコットとの

共同監督作品もある、

 

 

スタンリー・トゥッチ

なども出演していて、

 

 

 

凄まじい顔ぶれ

というだけではなく、

 

 

ビッグネームの子女だったり、

 

家族や、友人だったり、

 

ブラット・パックだったりの、

 

 

人間関係が

垣間見える点もあり、

 

 

それが、

 

さらにこの作品に彩りを

添えているように感じた。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

当時30歳そこそこだった

ジェニファー・ジェイソン・リーは、

 

 

 

ドロシー・パーカーの、

 

25歳から65歳までを

一人で演じているが、

 

 

 

彼女のセオリーに基づいた

経験によってだろうか、

 

 

老け役にはリアリティがあって、

 

 

機知に富んでいたり

辛辣なセリフが多かったが、

 

 

言葉に

演技が負けることもなく、

 

 

 

前述した凄まじい顔ぶれ

たちに囲まれても、

 

 

フィッツジェラルド役

とは違って、

 

意気揚々としていたのが

印象的で、

 

 

 

そんな彼女が、

 

この作品での演技が

評価され、

 

 

また、映画賞を受賞したのは

喜ばしかったが、

 

 

 

 

ジェニファー・ジェイソン・リー

が演じた、

 

ドロシー・パーカーが、

 

 

映画「ヘイトフル・エイト」の

デイジー・ドメルグと、

 

キャラクターが被っている

ように感じて、

 

 

 

なんなら、

 

二つのキャラクターが

入れ替わっても、

 

物語は成立するように

思えたとき、

 

 

 

 

ふと、

 

 

星明子のように

 

彼女の様子をうかがう

タランティーノの姿が浮かんで、

 

 

私は身震いした。