映画「いとこのビニー」ジョー・ペシ尽くし | TO NI LAND 

 

 

映画「いとこのビニー」

を観た。

 

 

 

 

 

私はジョー・ペシの

大ファンだが、

 

 

演技がリアル過ぎるので、

 

彼は本物のマフィアなのでは

ないかと思っていて、

 

 

強盗殺人犯に間違われて

捕まった従弟を、

 

ジョー・ペシが

助ける話だと聞けば、

 

 

それくらいのことは

彼には朝飯前で、

 

 

なんなら、

 

従弟が本当に殺っていても、

 

ジョー・ペシなら容易く

揉み消すだろうと思ったが、

 

 

弁護されても、

 

弁護することはないであろう

ジョー・ペシが、

 

 

まさかの弁護士として

従弟を助ける話なのだから、

 

面白くないはずがなく、

 

 

ピストルを乱射したいのも

ボールペンで刺したいのも

我慢しながらの、

 

高圧的な裁判長との

緊迫感のあるやり取りや、

 

 

まるで、

 

借金の取り立てのような

証人尋問は、

 

 

ジョー・ペシならではで、

 

 

背が低いジョー・ペシを

身長差でも圧倒する、

 

フランケンシュタイン

のような裁判長や、

 

 

映画「フォー・ウェディング」

の神父など比ではない、

 

緊張してカチカチな

国選弁護人、

 

 

焦点になると必ず

“すしざんまい”のようなポーズで、

 

裁判員に印象付ける検察官

なども登場し、

 

 

そう来たかと思わせる

小ネタ満載なのが、

 

 

“笑ってはいけないシリーズ”や、

 

“有吉の壁”を見ているようで、

 

 

無条件に

大いに笑わせて貰ったが、

 

 

コメディ作品にしては、

 

審理の内容などは丁寧に

作り込まれているうえに、

 

 

伏線もキッチリと

活かされているので、

 

充分、感情移入出来て、

 

 

数ある法廷劇の中でも

印象に残る、

 

素晴らしい作品だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

80年代に

“YAスター”などと持て囃され、

 

 

映画「アウトサイダー」や

映画「ベスト・キッド」で、

 

一時はトム・クルーズよりも

勢いがあったように思う、

 

ラルフ・マッチオが、

 

 

すっかり好青年になって、

 

ジョー・ペシの従弟役で

出演しており、

 

 

“ツナ缶”のエピソードなどは

彼らしくて好感が持て、

 

 

無罪を勝ち取った際の

ジョー・ペシとの抱擁は、

 

 

“ゴブラ会”を一撃で倒した、

 

「ベスト・キッド」の

ラストシーンを彷彿させて、

 

胸が熱くなり、

 

 

 

まだ20代で、

 

キャリアも浅かった

マリサ・トメイが、

 

 

ジョー・ペシの婚約者などという

命知らずな役を好演していて、

 

 

YOSHIKIのようなサングラスに

レザージャケット姿で

現れてからは、

 

 

登場する度に服装が変わり、

 

 

その服装がどれも突飛で

一点物であるのは間違いなく、

 

 

それを自信満々に

平然と着こなしているのが、

 

やはりまた、

 

“笑ってはいけないシリーズ”

に登場するキャラクターのようで、

 

笑いを誘ったが、

 

 

そんな天然キャラを

演じつつも、

 

 

ジョー・ペシに

自分の顔色を窺わせ、

 

 

理詰めで責めるジョー・ペシを

理詰めで打ち負かし、

 

 

ジョー・ペシに

ダメ出しまでするが、

 

 

いつもジョー・ペシを

気遣っていて、

 

 

ジョー・ペシが彼女に

弱音を吐いてしまうほどの、

 

親分肌な演技も

こなしているところが、

 

 

マリサ・トメイの凄いところで、

 

 

この演技なら、

 

アカデミー助演女優賞をとっても

不思議ではないと思った。

 

 

 

 

 

 

笑いの舞台は

法廷だけに留まらず、

 

 

ドリフの

“もしもこんな宿があったら”

のようで、

 

どうやっても

静かに眠らせて貰えない

エピソードや、

 

 

ジョー・ペシの本領発揮で、

 

マリサ・トメイを騙した男達が居る

店に乗り込むエピソード、

 

 

輪島功一ばりの

カエルパンチ、

 

 

乗り物が好きなのか、

 

遠足に行くとでも勘違い

しているかのように、

 

ご機嫌で護送車に乗る

ジョー・ペシ、

 

 

映画「ホーム・アローン」

を再現するかのように、

 

見事にすっ転ぶ

ジョー・ペシ、

 

 

ベルトの結び方が

お茶目なジョー・ペシ、

 

等々、

 

 

笑えるネタが盛りだくさんで、

 

存分にジョー・ペシを堪能出来るが、

 

 

 

俯瞰して、

 

 

キャデラックでやって来た

ジョー・ペシが従弟を助け、

 

また、

 

キャデラックで去って行くだけの

物語だと捉えると、

 

 

どこか、

 

映画「パルプ・フィクション」の、

 

“ザ・ウルフ”を彷彿させるのが

クールなうえに、

 

 

回りくどくなく、

 

“いとこのビニー”

 

だけでジョー・ペシを

表現し尽くしている、

 

 

この単純明快な題名も

私好みで、

 

 

ふと、

 

ことの発端である殺人事件は、

 

 

レジ係がラルフ・マッチオ

だけにではなく、

 

 

真犯人にもジュースを

ケチったせいで、

 

起こったのだろうかと

思い付いてまた笑え、

 

 

この作品のロケ地マップで、

 

 

舞台となった

実在するスタンドの紹介欄に、

 

“ツナ缶は盗まないで下さい”

 

と書いてあるのを見て

更に笑えた。

 

 

 

 

 

“ジョー・ペシ”を

連発してしまったが、

 

 

それは私が彼の

大ファンであるがゆえで、

 

 

もちろん、

 

この物語の主人公は

弁護士の“ビニー”である。