近くのリサイクルショップで売ってたので、買ってきた。

FBGクローズ&ワースト。

このフイギュアは、もともとは1個3980円(税別)で販売されていた。
定価だと、欲しくてもなかなか買えないけど、それが1個300円で売られてて、4個買っても1200円(税別)だったから、かなり安く買えたので、凄く得した気分音符
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クローズのフイギュアは、最初、オーガニックというメーカーから、1個500円(税別)のブラインドボックス(開封するまで中身がわからないやつね)で、ミニサイズのフイギュアが発売された。
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クローズの続編にあたる「ワースト」が月刊少年チャンピオンの人気マンガであり、このマンガを描いてた高橋ヒロシ作品の、初めての立体化という事と手頃な値段のわりにまあまあのデキだった事からこれがヒットし、このミニフイギュアに続き発売されたのが、今回自分が買った、スタンダードサイズ(20センチくらい)のFBGクローズ&ワーストだった。

このシリーズは、ひとりのキャラクターにたいして、通常版といわれる店頭発売のほかに、メーカー版やサイト限定版、取扱店による別注版などのリペイントや別ヴァージョンなど数種類で売り出した。

1番最初に出た主人公を含めたシリーズは生産数も少なかったので、あっという間に、店から姿を消した。(これにはプレミアが付き、自分も中野のまんだらけでしか実物は見た事ない)

このシリーズは、フイギュアを立たせて飾れる台座付きのブリスターパック入り、台座の後ろ側に差し込める背景がついていて、自分のヘボい写真だとわかりづらいと思うが、校舎の入口だったり、夜のスクラップ場の絵だったりと、フイギュアごとに演出できるように、趣向が凝らしてある。
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ブリスターの裏も黒を使い、各キャラクターのセリフとキャラクターのイラストが映えた。
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このフイギュアも、キャラクターの多さとヴァージョン違いの豊富さもあり、コレクションしがいもあることからヒットした。

フイギュアのヒットにより、ワーストはもちろん、既に完結していた「クローズ」のコミックスまでが再び売れ、豪華なキャストを使って、大物監督の手により映画化されるほどのブームになった。

FBGは、ブームの時、バージョン違いのフイギュアを販売するショップやサイトでは、販売数にたいして購入希望者が多かった事から、抽選による当選者への販売という方法が使われてた。

この抽選には、値段を吊り上げて転売しようとするショップや個人ブローカーも当然参加していただろう。
自分も、「クローズ」、「ワースト」は好きだったので、好きなキャラクターについては、すべてのヴァージョンが欲しくて、高額を出して買った事もある。
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↑↑《通常版》(一般発売されたもの)
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↑↑《ダイブ版》(メーカー直販のもの)
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↑↑《鈴蘭購買部版》(このマンガのフアンサイト限定発売のもの)
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↑↑《レグルス版》(メーカーの特約店になっていて、このマンガのフアンであったファッションショップが自分で服をデザインし、自分のショップのサイトで販売したもの)

ブリスターを開封してないのでわかりにくいと思うけど、アップにすると、下↓↓のようになる141109_140124.jpg
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通常版とレグルス版は、写真ではサングラスのありなし程度の違いに見えるが、実は黒と茶色のコートだし(笑)、シャツの柄も違ってたりする。

このヒットに便乗しようと大手メーカーまでもが参入してきた時期もあったなあ。

しかし、ブームになった物ほど廃れるのも早く、潮が引くように人々の関心は薄れていく。

このキャラクター以外にもふたり好きなキャラクターのヴァージョン違いを揃えたんだけど、ブームが終わった後、生活が苦しくなり、このキャラクター以外ほとんどを売った時、買い取り額の下がりぶりにガッカリした。

FBGを出していたダイブというメーカーは、もともとは玩具問屋だったが、自分が出したいフイギュアを出したくて、メーカーに転身したらしい。

はじめは、フイギュア製作のノウハウもなく、外注で製作し、販売に特化していた。

外注なので、コストもかかったろうが、初期のフイギュアの資料を見ると、結構、有名な造型師が原型製作をしているのがわかる。

ヒーローや怪獣などの着ぐるみのフイギュアはカタチや表情が決まっているし、彩色のハデさなどで、多少はごまかしがきくが、マンガやアニメなどの人物をフイギュアにするのは、そういうごまかしがきかないので、表情ひとつにしても、どれだけ難しいかは、あの有名メーカーの海洋堂が造った「はじめの一歩」フイギュアですら下の写真のデキであった事からもわかる。news_thumb_ippo_figure.jpg
そんな難しいジャンルのフイギュアを手掛けながら、予想外のヒットに舞い上がってしまったのだろうが、本来、同じ造型師を使い続ける事で少しずつ技術が向上し、完成度が上がっていくものを、その造型師を途中で外して、別の原型師を起用した。

ただでさえ、フイギュア製作には素人のメーカーが、中国の工場にきちんとした技術指導などできるワケがなく、ずさんな仕上がりになっていたのに、更に新規に採用した造型師の原型の見直しもせず、利益の追求を優先させ、早いペースでの商品展開をしていった。
ファッションデザインなどについては、ヴァージョン違いのフイギュアを、毎回販売していた洋服屋がデザインをしたりもしていたので、マンガには登場しないカラーやデザインもあったが、技術は上がっていったが、肝心の顔については、それに追いつけてなかった。

ブームは一過性のものだし、まして「クローズ」は、マンガやアニメフアンには受け入れられにくい不良ものである。

だからこそ、メーカーとしてやっておかないといけない事は、ブームが終わった後に残る、固定フアンの確保だと思う。

もともとは元のマンガなりアニメなりのフアンは、当然ながら、フイギュアを見る眼も厳しい。

丁寧なフイギュア製作をしていれば買い続けるが、元の作品に似てなければ、当然買わなくなる。

メーカーとして、利益を追求したい気持ちもわかるが、売れてる間にこそ販売ペースを落としても、より完成度の高いフイギュアを追求していなければならないと思う。

このメーカーの失敗は、それを怠った事と、一度売れたキャラクターを、多少のポーズ変更などで使い回して出し過ぎた事だと思う。
いくら好きな作品のフイギュアとはいっても、何度も同じキャラクターを出されたら飽きがくる。

後期になってからはキャラクターの使い回しがさらに増え、新しいキャラクターが出るかと思うと、ファッションだけが似ていて、肝心の顔はまったく似ていないものが多く、造型の質の低下が目立つようになった。

たとえば、元のキャラクター
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にたいして、フイギュアはfbg_gaiden_mitsumasa_n_annai.jpg
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である。

サンプルの写真なので、わかりにくいかもしれないが、制服以外、似てるところがない(苦笑)

これが、ミニサイズのフイギュアなら、大きさや値段から、まだ妥協もできる。
しかし、スタンダードサイズとなると、大きさや値段から、よりリアルなものを求められる。

そういうフアンの期待に背いた為に、固定フアン迄も離れていってしまったのだと思う。

これは、自分のフイギュアやソフビににたいするこだわりなんだけど、いくらデザインがよくても、決め手になるのは、やっぱり顔なんだよね。

どれだけ元の絵や写真に似せる事ができるか、それを追求すると、終わりはないと思う。

それに挑戦し続けてるメーカーのフイギュアは、固定フアンがついているので、オークションなどでも一定の価格で推移し、なかなか値崩れを起こさないのだと思う。

フイギュアの価値は、メーカーではなく、当然ながら買おうと思ってる人間によって決められる。

そこには、そのマンガなりアニメなり、元になる作品やキャラクターににたいする思い入れによる個人差があり、フイギュアにたいする評価もそれによって異なる。

だからこそフイギュアメーカーも、そのフアンの期待に応え続ける挑戦をしなければならないと思う。

デキが悪いのもあるにせよ、このシリーズについては、以前、やむなく売ったものも含めて、何年かかるかわからないが、できたら全部のキャラクターを揃えたいと思っている。