引き受ける、覚悟 ③ | しかたない、がんばろう!~急性リンパ性白血病をいきる~かんごしに生きる~

しかたない、がんばろう!~急性リンパ性白血病をいきる~かんごしに生きる~

2008年春、急性リンパ性白血病 (ALL) になった。
38才独身、看護師18年目…。
がん看護,緩和ケア病棟の経験もあった。
自分が患者になり、初めて分かったこと、実感したことがある。
日々のことと共に、又、今までを振り返りながら、記していきたい。

30代前半の谷口先生が、骨髄移植の日々に疲弊し渡米した気持ち、ポケベルの幻聴があったこと。

大変おこがましいし、勿論程度はかなりかなり違うが、共感出来た。

ナースコールの幻聴的なことはあった。

新人ナースの時、休日でも旅行先でも患者さんのことが頭から離れなかった。

辞めると決めた私を、私は嫌われていると思っていた先輩が食事に誘ってくれた。
病院のすぐ近くのシチュー屋さん。

2人きりで話すのが緊張した。

患者さんのことが頭から離れないことをお話しすると、
「辞めた方がいいね…。」
と言われたのを覚えている。
ほっとしたが、淋しくもあった。

辞めた自分は後悔した。
そして緩和ケアの道を歩いていく。

元々あった腰痛の悪化でそこも退職後、ある小さな病院の看護部長さんが、
「貴女を育てられる上司がいなかったのね。」
と私に言った。
初めてそんな視点を知った。

時が流れて、新人の頃の先輩と緩和ケアの先輩に、今もサポートして頂けることに、この上ない感謝と幸せを感じている。
でも、確かに当時は寂しかった。

一医療者として、現実をどう受け止めどう自分を保つかは、サポートがあったとしても、やはり自力でどうにかしなくてはならず、それは孤独だと思う。

患者さんのため。
違う。
キレイ事抜きで、最後は自分のためなのだと思う。

生きたい患者さん。
生かしたい医療者。

厳しい現実に苦しいのは誰
最期を覚悟できないのは誰
患者さんよりも医療者であるアナタではないのか。

医療者だって苦しい、でも、患者さんのそれとは別もので、そこをいつも明確にしていなくてはならないと思う。

そんなことに神経質になった。