ニュージーランド政府統計局(SNZ)は20日、2012年第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP)が362億8,000万NZドル(約2兆5,500億円)で、前期比0.2%増だったと発表した。専門家の予測中央値の0.5%を下回った。今回のGDPの微増は、カンタベリー地区などの復興建設需要で、建設部門が前期比4.5%増となったことが背景にある。
また第2四半期(4~6月)の成長率は先に発表されていた同0.6%増から0.3%に修正された。
産業別でみると、建設部門以外では、水力発電量の増加に押し上げられて電気・ガス・水道・下水部門で同4.4%増となった。製造部門は、化学・プラスチック・ゴム産業が同7.1%増となったが、金属製品(同8%減)や食品・飲料・タバコ(同2%減)の生産が落ちたことで、同1.1%減だった。
輸送・通信・倉庫部門では、道路や航空輸送量の減少により同1.6%減となった。農業部門では乳製品の生産減少に引きずられ、これまでにない成長率を見せた今年前半の増加から一転して同2.8%減となった。
■ビジネス投資は1.8%減
GDP(支出側)は、同0.2%増、前年同期比2.6%増となった。世帯支出は、サービス部門への支出が5,500万NZドルの同0.5%増となったが、耐久消費財や非耐久消費財への支出がそれぞれ 同0.4%減と同0.8%減となったことで相殺され、全体では前期とかわりなかった。
ビジネスや不動産への投資を含む総固定資本形成(GFKF)は、居住建築物への投資が同7.4%増となったものの、ビジネス投資が同4.7%減となり、全体で同1.8%減となった。
ビジネス投資の内訳は、◆工場・機械・備品:同17.6%減◆その他建設:13.9%減◆非居住建築物:12.5%増◆輸送施設:同10.7%増――だった。また政府・自治体支出は、同0.2%増となった。
一方、NZの貿易は輸出が同4%増となり、輸入の同2.6%増を上回った。NZの主要生産物の輸出に伸びが見られ、◆乳製品:同27.7%増◆肉:同13.4%増◆その他食品・飲料・タバコ:3.2%増――となった。
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