昨年11月末、ソウル市鍾路区で染色業を営むA容疑者（48）は、排水処理代行業者から電話でこのような連絡を受け、水道とつないだホースを持ち、屋上に上がった。会社の屋上にある排水タンクにたまっていた、染色の過程で出た真っ黒な排水は、水道水と混ぜることで、きれいな水に早変わりした。A容疑者に取り締まりの情報を流した排水処理代行業者は、退職した公務員たちを現場所長として採用していた。ソウル中央地検刑事5部（車孟麒〈チャ・メンギ〉部長）は、数年間にわたって数千トンもの排水を無断で放流したとして、同市鍾路区や中区で染色業を営むA容疑者ら3人と、排水処理代行業者の現場所長のB容疑者（65）ら2人を逮捕・起訴した、と30日発表した。また、排水処理代行業者に取り締まり情報を流した区役所職員1人を在宅起訴した。
検察の捜査で、染色業者と排水処理代行業者は、取り締まり担当の職員たちがいい加減な取り締まりを行っている点に目を付けた。染色業者の排水タンクは通常、屋上の高い場所に設置されているため、取り締まり担当の職員たちが直接確認するのをためらっていた。そのため、業者はあらかじめ水道水などで薄めた排水を区役所に持ち込んで検査を受けており、その結果、一部の排水は飲料水の水源である八堂ダムと同程度まで浄化されていたという。
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