「このサラダ、ドレッシングが、まいう~」
「同感」
答えたそばから、宏樹は続いて届いた肉料理にもう手を付け始めている。
「あち」
と言うので、
「ゆっくり冷ましてから食べたら?」
私が笑いながら話すと
「うまいものは、すぐ食べなきゃ」
と答え、
「あち」
宏樹の子供っぽさに呆れてしまう。
「真美ちゃん」
「なあに」
「ウイスキー、付き合って」
「お酒、あまり強くないんでしょ?」
「1杯だけ」
「そのくらい、いいじゃない。気にしなくて構わないのに」
「サンキュ」
宏樹が飲みたいなら、私も嬉しい。私は薄めに注文する。酔う量ではないが、控えめにしておく。
「学校って、今、生徒が強いから大変なんじゃないの?」
「えっ」
「PTAも強いし、親も学校に対して強気だよね。自分の子供くらい、親がよく面倒見ればいいのにな」
酒が入ると、宏樹は教育論をぶち始める。
「親が教師に教育を押し付けるみたいだからさ」
私は、取り成すしかない。
「そうね。でも教師もサラリーマン化してる部分があるから」
「俺は、親を見て子供は育つと思うよ」
「反論、ないけど」
「自分が小学生の時、担任に殴られたら、親父には、学校に戻ってもう1回、殴られて来い、と言われた」
「へぇ」
普段はジョークの連発なのに、宏樹は酔うと、真面目な意見を言い始める。人は酒が入ると、本音を言うらしいので、もともとは、しっかりタイプなのかもしれない。私は、しらふの宏樹とのやりとりにようやく馴れかけていたので、少々、調子が狂う。食事を終え、宏樹が煙草を1本吸い終えたので、私から切り出す。
「そろそろ、行かないと」
宏樹も同意する。支払いを終え、エレベーターで下に降りる。2人だけで周りに誰もいないので、私は緊張する。宏樹が近づく。後ろに回ってかぶさるように両肩をぎゅっと抱かれる。来た、この人、手が早い。反射的に、前に進んで、逃れようとすると、後ろから右手の平で左胸をつかまれる。
「ん」
キスを予想していたので、体の自由を奪われ面食らう。後ろに引き戻され、宏樹の左手が私の右ももから、スカートの中に入る。この人、違う。しらふと全然違うじゃない。いえ、そうじゃなくて、男性がウイスキー1杯で酔うわけない。酔ったフリをしている。宏樹の右靴がスライドして私の両足を開く。その瞬間にエレベータの扉が後ろ手に開く。乗り込む人はいないが、扉が開いたので、宏樹は行動をやめる。
「同感」
答えたそばから、宏樹は続いて届いた肉料理にもう手を付け始めている。
「あち」
と言うので、
「ゆっくり冷ましてから食べたら?」
私が笑いながら話すと
「うまいものは、すぐ食べなきゃ」
と答え、
「あち」
宏樹の子供っぽさに呆れてしまう。
「真美ちゃん」
「なあに」
「ウイスキー、付き合って」
「お酒、あまり強くないんでしょ?」
「1杯だけ」
「そのくらい、いいじゃない。気にしなくて構わないのに」
「サンキュ」
宏樹が飲みたいなら、私も嬉しい。私は薄めに注文する。酔う量ではないが、控えめにしておく。
「学校って、今、生徒が強いから大変なんじゃないの?」
「えっ」
「PTAも強いし、親も学校に対して強気だよね。自分の子供くらい、親がよく面倒見ればいいのにな」
酒が入ると、宏樹は教育論をぶち始める。
「親が教師に教育を押し付けるみたいだからさ」
私は、取り成すしかない。
「そうね。でも教師もサラリーマン化してる部分があるから」
「俺は、親を見て子供は育つと思うよ」
「反論、ないけど」
「自分が小学生の時、担任に殴られたら、親父には、学校に戻ってもう1回、殴られて来い、と言われた」
「へぇ」
普段はジョークの連発なのに、宏樹は酔うと、真面目な意見を言い始める。人は酒が入ると、本音を言うらしいので、もともとは、しっかりタイプなのかもしれない。私は、しらふの宏樹とのやりとりにようやく馴れかけていたので、少々、調子が狂う。食事を終え、宏樹が煙草を1本吸い終えたので、私から切り出す。
「そろそろ、行かないと」
宏樹も同意する。支払いを終え、エレベーターで下に降りる。2人だけで周りに誰もいないので、私は緊張する。宏樹が近づく。後ろに回ってかぶさるように両肩をぎゅっと抱かれる。来た、この人、手が早い。反射的に、前に進んで、逃れようとすると、後ろから右手の平で左胸をつかまれる。
「ん」
キスを予想していたので、体の自由を奪われ面食らう。後ろに引き戻され、宏樹の左手が私の右ももから、スカートの中に入る。この人、違う。しらふと全然違うじゃない。いえ、そうじゃなくて、男性がウイスキー1杯で酔うわけない。酔ったフリをしている。宏樹の右靴がスライドして私の両足を開く。その瞬間にエレベータの扉が後ろ手に開く。乗り込む人はいないが、扉が開いたので、宏樹は行動をやめる。