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Everyone's star and deserves the right to twinkle

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中南米諸国を中心に約1000万人が感染し、毎年1万人以上の命を奪っているとみられるシャーガス病。この「顧みられない病気」に対する数少ない治療薬だったベンズニダゾールの製造が止まり、MSFも診断や治療活動の一部停止を余儀なくされる事態に陥りました。
 
現在、ベンズニダゾールを製造できるのは世界で唯一、ブラジルの公立研究機関だけです。大手製薬会社がこの機関に製造技術を譲渡したのち、実質的な製造が進んでおらず、在庫は今年中に底をつく見通しになりました。MSFは在庫切れの危機を指摘し、製造開始を求めてきましたが、事態は改善されず、活動の一部凍結を余儀なくされました。
 
シャーガス病はサシガメが繁殖する農村や貧困層の住民がかかりやすいため、製薬業界は採算の取れない研究開発には消極的です。そのため、治療薬は40年以上前に開発されたベンズニダゾールとニフルチモックスの2つしかありません。
 
しかも、2つとも本来シャーガス病治療のために作られた薬ではないため、副作用があり、また小児用の製剤が存在せず、子供には錠剤を小さく砕いて使う必要があります。ベンズニダゾールは2つの内では副作用がより少ないため、治療の頼み綱でした。
 
また、検査法の開発も進んでいないため、患者の多いへき地では感染の有無を診断することも難しいのです。
 
 
沈黙の病気 シャーガス病
 
感染者の大半が数年にわたって症状を表さないため、シャーガス病と気づかないまま壮年期に突然亡くなるケースも多い。
 
原虫が血液中で増殖し、早期に治療しないと感染者の3割が心臓に、1割が消化器に損傷を来す。
 
原虫に汚染された輸血や食物から感染することもある。
 
REACT 2011年12月号