前方後円墳を見学した後、
向かったのは、唐招提寺だ。
なんとなく、京都の銀閣寺と通じる渋さがある。
どこかのハウスメーカの社員と思われるビジネスマンが、
建築関係のインテリと思われる初老の男性をアテンドしていた。
手入れが行き届いている。
俗的でない雰囲気には、
どことなく歴史の重みが漂っている風がある。
宝物殿を見学。
ここで、東大寺で見た鴟尾(しび)が展示されていた。
しかし、東大寺のは金色だったが、
ここの鴟尾(しび)は灰色である。
係員の男性に聞くと、「東大寺は天皇家ゆかりの寺ですから」との説明。
唐招提寺は中国大陸から渡ってきた鑑真和上が開祖なので、
「お金が無い」ということらしい。
しかし、金ぴかのお寺さんより、
どちらかと言えば灰色の方が、
唐招提寺には似合っている気もする。
手入れの行き届いた庭園のコケ。
雰囲気のある土塀。
素敵な庭園。
歴史小説「天平の甍」を書いた井上靖の碑。
鑑真和上のお墓。
東大寺に比べて訪れる人も少なく、
落ち着いた気持ちで
平安の昔に思いをはせることができる
この旅一番の印象深い寺院であった。
つづく