今日も「与平」の二階に眠るものシリーズですが、
「桶」のちょっとした話をご紹介します。
絶妙な技術によって作り上げられている「桶」ですが、
昔はプレスチックでできたバケツなんてものもなかったので、
水を汲むのも、芋を洗うのも、味噌を作るのも
みーんな「桶」を使っていたと思うのですが、
「与平」にもたくさんの「桶」が放置されています。
それをちょっと綺麗にしてやろうと
外へ持ち出して水で洗ってやっていたのですが、
ホースで水を入れてやってもどうも水が溜まりません。
なんだこれ?
「桶」の意味全然ねぇーと思いながらもよく見てみると、
「桶」の材料である木が曲がったりしているじゃないですか!?
そして「桶」にはあちらこちらに隙間が…
これでは水が溜まらないわけです。
仕方がないのでそのまま洗っていると、
近くを通り過ぎようとした近所のおばちゃんが不意に
「それは水に浸けとかんとだめやわ」とつぶやく。
「えっ?」と驚いて詳しく聞くと、
しばらく水に漬けとくと木が締まって水が漏れないとのこと。
ほぅほぅほほぅ…
「昔の知恵ってすごいなぁ」と関心しながら、
水を大きなバケツやタライに溜め、
しばらく「桶」を漬けとくことに。
更におばちゃんから貴重な情報がもたらされ、
なんとおばちゃん曰く、
「内側に塩を塗っておくと隙間ができにくい」とのこと。
んん~またまた昔の知恵と遭遇。
塩ねぇ…
でもそんなに大量の塩ないしな~
まぁ塩は置いといて水に浸した桶を翌日まで放置。
とここまでは良かったのですが、
翌日の朝7時頃、
隣りの家の自然学校代表幸一さんが
いきなり起こしにきた。
何事かと事情を聞くと、
「桶が捨てられる」とのこと。
寝起きでさっぱり状況が掴めなかったが、
次の言葉でその意味が理解できた。
「今日は粗大ゴミの日や!!」
「えっ!?」
驚きのあまり寝巻きのまま外へ飛び出し
「桶」の安否を確認した。
幸一さんのおかげでなんとか命を取り留めた「桶」だが、
ゴミ回収場所の前に「桶」を放置していたとは迂闊だった。
約半日「桶」を水に浸していたけれど、
完全に「桶」が浸りきっていなかったため
完全に水が漏れないようにはならなかったが、
ある程度は水が漏れないようになった。
「桶」にはある程度の水分が必要なことがわかった。
そしてたまには使ってやることも
物を長持ちさせる為の秘訣なのかもしれない。



