ほんの少しの荷物だけ携えて
やって来た新しい街での生活
身に付けるものは3、4着あればよく
料理だって
フライパン1つあれば
おかず作りには困らない
わずかな持ち物に囲まれた生活は
これまで経験してこなかった
「有り余る時間」を産み出した
そうした中で生まれたのは
私が美しいと思う言葉と物語を
ゆっくりと味わいたいという欲求
そして自らも
言葉を紡ぎ出したいという静かな望み
何かを産み出すことに焦りを感じ
時間だけが過ぎていく
そんな生活に疑問を感じ始めたとき
私らしさを見つけたような気がしました。