彼女を初めて見たとき
なんて儚げな人なんだろう
と思った。
色が透き通るように白くて
ほっそりしてて
長い黒髪で。
話す声も小さくて
聞こえないくらい。
私が彼女の瞳を真っ直ぐ見つめると
すうーっと視線を逸らしてしまう彼女。
話しかけると
うーん…と言って
はにかんだような
少し困ったような顔をする。
そしてしばらくして
自分の答えを
一つ一つ言葉を選びながら
一生懸命伝えようとしてくれる人。
周りに圧倒されて
言葉を
飲み込んでしまっている時もあるのに
伝えたいと思ったら
言葉に詰まりながらも
思いを懸命に伝える人。
儚げな彼女の中に
強さ、揺るぎなさ、力
を感じる。
エネルギー溢れるパワフルな人も好きだけど
強さを内に秘めた彼女みたいな人も好きだなぁ
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この彼女は私の職場にいる人。
コンビニ弁当が多い私だけど
「弁当に冷凍食品たくさん使ってもいー」
と割り切ると弁当作るのも苦じゃなく
楽しい(あくまでも時々作るだけならw)
今日も弁当を持っていったら
口数が少ない彼女が
「あのー、それ一緒」
と言ってバッグから弁当包みを取り出した。
偶然にも同じ包み。
前回の弁当では息子の思い出のハンカチ使って、今日もそれにしようと一旦包んだけど、なぜか「これじゃなくてあれにしよう」と包みを変えていたのだった。
たぶん彼女の「密かなファン」になってしまっている私は、このささやかな偶然がとても嬉しくて、この静かな興奮を書き留めておきたくて書いてる。
何十年も前にタイムスリップして昔の私が少女漫画を読んで空想に浸っているような感覚。
なつかしいような感覚。
こういう感覚忘れてたなぁ。
こういうのもいいなぁ。