数年前でしたが、いつも参らせているお寺から、お念珠を戴いた事がありました。
その時には戴いた事の思いが深くはありませんでした。
その、お念珠は寺の建て替えの為に以前の寺のお御堂に使われていた欅の柱から作られたものでした。
建て替え前のお御堂は何年前に建てられたものかは分かりませんが、150~200年位前に建てられたものかもしれません。
だとしたならば柱にする位の太さであれば、その欅の木は150~200年位前に芽が出てきたものかも知れないのです。
だとするならば、戴いた、このお念珠は300~400年も経っている欅から作られたものなのです。
お念仏の珠なのです。このお念珠を宝物として生涯大切にしたいと思います。
友人から聞いた話ですが実家のお兄さんが在家の大谷派の僧侶だそうです。
そのお兄さんが車に乗る時には車に向かって右手で車全体に円を描く仕種をするそうです。
それはお数珠の中に車を入れてしまう仕種なのです。
所でお念珠の歴史は3500年以上前にできたバラモン教の聖典に「連珠」という記述があり、それが「念珠」すなわち数珠の原型になったという説が有力です。
お念珠の発祥はインドで生まれました。
木草の実をつなぎ合わせ、そろばんのように何度お念仏を読んだかを記憶する為のお道具だったとされています。
それが後に、宗教用の礼拝具として使用されるようになり、現在のお念珠の形になりました。
お念珠の起源は大変古く、お釈迦さまの誕生する前からすでに礼拝の道具として使われていたという記録が残っています。
お念珠は仏教とともに日本へ伝えられましたが、最初は一般の方が念珠を使う事はなかったそうです。
現在のところ、一般信徒が僧侶と同様に念珠を用いるようになったのは鎌倉時代以降であると考えられています。
鎌倉時代に入ると、念珠はそれまでの「念仏の回数を数える」という役割に加えて、様式的な意味を併せもつようになりました。
数珠の珠の数は、人間の煩悩の数である108とするのが基本ですが、現在では4分の1の27玉、108にちなんで18玉などといろいろな形式があり、これらは「略式の数珠」といわれています。