2024 7/11(木)~7/13(土)
1日目 7/11 木 曇り
羽田を早朝に立ち新千歳空港からレンタカーで移動。カーナビで目印となる神威山荘を打ち込むがヒットしない。途中でガスを購入予定だった日高市のスポーツショップ新雪荘にて、代わりに目印になる荻伏交差点そばの荻伏施診療所を教えてもらったところ、そちらはカーナビでヒットしたので、目的地にセットし、そこで国道235から県道384に入る。あとは基本一本道で県道から元浦河林道に入りそのまま北上し神威山荘手前の左手に現れる分岐を進み、駐車場にたどり着くことができた。
今回慣れない沢登りがあるが、沢靴をもっていないため、悩んだ末、(相当前に購入し放置していた)スニーカー+登山靴で臨むことにした。レンタカーもスニーカーで運転した。
駐車場からゲート代わりのロープを越え、沢に向かってくだるとすぐに最初の大きな渡渉。幅は2メートルぐらい水深は20~25㎝。スニーカーは水離れがよく、問題なかった。その後地形図にはない林道跡がしばらく続き、もう一度渡渉したあと、林道はおわり沢に沿って登る。
沢道は、3割ほどは沢沿いにつけられた踏み跡を、7割ほどは沢身をあるいたので、登山靴でなんとかなるかとも思っていたが、やはり代わりの靴をもっていって正解だった。ただ、長らく放置していたため、途中でスニーカーのソールがはがれたのはまずかった。
要所要所にはマーキングがあり、迷うことなく最後急登でロープもあるのぼりで、尾根にあがる。
尾根は右手に20mほどすすみ、反対側の谷に下る。下りきり沢からはなれたあたりで一度渡渉して、少し広くなった場所にでる。左右に踏み跡があり、一瞬まよったが、左を選択。笹や低灌木の小広い場所を進んでいくと、もう一度大きな流れを渡渉し、あがったところで、林道跡にでた。
でたところは、林道終点ではなく、右手にゆるやかに登って伸びていたので、帰りはそのまま直進しないように気を付ける必要があると思った。
林道にでればあとは道なりに進み、渡渉を2度こなし、立派な橋をわたってしばらくで、ペテガリ山荘に到着。
ちなみに、林道にでたところで写真をとり、10分ほど歩いたところでカメラがないことに気づいた。引き返して探してみたが見つからず。初日の写真は幻になってしまった。
ペテガリ山荘はきれいに保たれており、2階もある。常備の銀マットが4つほど。一階の物置部屋には布団もあったようだ。トイレは2基あり、電気がつくのは驚いた。山荘の敷地には水場もある。この日小屋には全部で4名がとまった。
2日目 7/12(金)薄曇りときどき晴れ
4時ジャストに出発。少し明るくなっているが、林の中は薄暗いので一応ヘッドランプをつけて温存していた登山靴で出発。
登山口からゆるくのぼってすぐに上部を大きな鹿が一頭横切った。そういえば前日こちらにくるまでに、車で運転中と、峠を越えてからの廃林道を歩いていた時にそれぞれ子キツネを見た。後者は少し大きいものを咥えていた。ネズミだろうか。
沢沿いを10分ほど登ると、沢から離れ右手の腹をジグザグに登り始める。ちなみに沢沿いでは、小さな沢の渡渉が2度ほどあったが、10センチほどの深さだったので登山靴で問題なかった。
尾根に上がるまで、ざっくり前半は両側の笹は低め。50~70センチぐらい。後半は白樺も混じる林の林床の笹は大きめで1メートルを超えるようなところも。見た感じよりも朝露があり、ズボンのすそがぬれてきたので、後半レインウェアの下を早めにつける。
尾根にあがったところはほぼ予定通りで、標高差500メートルを1時間でのぼる。振り返るとときおり晴れるガスのなか、向かいの山の存在感が大きい。あとで地形図で確認するとどうやらベッピリガイ山とそれに連なる山のようだ。
(登山口の案内(下山後撮影))
(尾根(880m付近)にあがったところ。一見笹の海だが踏み跡はしっかりしている)
天候は薄曇り。暑すぎないのはいい。
ゆるゆる登り、標高1050点。その直前にようやく雲間から太陽が姿を現した。
その後ふたたび雲の中、その付近で、遠くにペテガリ岳らしきシルエットが一瞬見えた。
(ペテガリ岳?のシルエット)
下り登り返す。笹は再び低くなる。
1180m付近の肩に上がる。そこからちょっと下ったあたりにまだシャクナゲが咲いていた。この後もちらほら見かけた。前日デジタルカメラをなくしたため、非常用にもっていたスマホで時々写真をとったが、バッテリーの問題があったので、最小限の使用に抑えた。
アップダウンをかさね1259標高点。気温は15度。ここで小休止。
少し下って登り返し、1293標高点。ここから一旦下り基調になるので、水などをデポするには丁度良いポイント。実際、標識類などはなにもなかったが、デポ用なのか大きめのボックスが置かれていた。ただ紐で縛られていたので使用されているのかは不明。
(1293標高点。ボックスはザックの後にあり、写真では確認できない)
下り、小こぶに登りかえし、そこから下る途中、正面に目立つこぶ(1301pかな)を写した。このころペテガリ岳方面の上部にはガスがかかっていた。
1191標高点はよく分からないうちに通過し、登り上げたところが、先ほどの目立つコブの1301pかと思ったが、そこからの下りでもう一つこぶが先にあったので、1290pだったことが判明。
狭いコブで、その付近から丁度ガスがとれたペテガリ岳を見ることができた。
下って登り返し1301p。1301pの最高点付近は藪が濃そうで登山道はわずかに巻いている。そこから下り、小さく登り返し下った所が最低鞍部。
(最低鞍部手前からペテガリ岳を望む)
ここから、このコースの目玉、最後の500mの登りが待ち構えているので、しっかり小休止してから登りにかかる。イーブンペースで黙々と登ることだけをこころがける。
登るにつれガスが濃く、またさえぎるものがなくなってきて、風が強くなってきた。
偽ピークがあると聞いていたが、視程が限られるガスの中では、越えても越えてもピークがその後ろに姿を現す感じで、ずいぶん前、仙塩尾根をあるいたときに雨の中塩見岳を目指して登っていたときのことを思い出した。
ところどころ被さりもあり、マダニも気になっていたが、草木が体に触れるのをよけようがなく、諦めモード。とにかく登るのみ。
傾斜がややゆるんでくるとようやく、山頂の標識のシルエットが見えてきた。
ようやく山頂に着くと、水滴を含んだ濃いガスが吹き付けてきて、このときの気温は13度だったが、風速が体感で10mぐらいあったため実際は体感3度ぐらいと寒く、おまけに眼鏡に水滴がついて視界も悪くなっていたので、レインウェアの上をはおり、山頂標識の写真と360度の動画をとっただけで早々に山頂を辞した。
(濃いガスが吹き付ける中でのペテガリ岳山頂。当然真っ白で展望はなかった)
動画:ペテガリ岳山頂 2024年7月12日 午前9時 (youtube.com)
最低鞍部まで下り、ようやく小休止をとった。
帰路は往路のピストンなので、特筆はないが、やはり登り返しがポイントになる。わかっていても1293への登り返しがきつく何度か細かく立ち休憩をいれた。
1180の肩からの下りだったと思うが、正面の1050pとそこから南にのびる尾根が印象的だった。ガスが晴れた一瞬1050pの右手遠くにダムらしきものが見えた。あとで確認すると東の沢ダムのようだ。
(1180の肩からの下り途中から、1050pと南に伸びる尾根を望む。ガスが晴れると1050pの右手奥にダムが見えた)
880付近の尾根上からは一気に下る。途中改めて通過すると気持ちの良い白樺林があった。沢沿いにでてきて登山口に戻ってきた。
山荘には昼過ぎにはもどってきたが、体力的に予定どおりもう一泊することにした。この日は5名が泊まった。
(ペテガリ山荘。初日は撮影できなかったので、二日目に撮影)
(山荘脇の水場)
3日目 7/13(土)曇りのち晴れ
最初の渡渉点までは登山靴で歩き、そこからは初日にソールがはがれてしまったので、スニーカーに登山靴の中敷きを入れて歩いた。
往路で間違えそうだなと気になっていたのにもかかわらず、林道から右手におれ渡渉しなければいけないポイントを見落とし、直進してしまい、一時間ほどさまよってしまった。
引き返し、ようやく正しいルートを見つけ、渡渉し、往路でも薄い踏み跡だった広々とした場所を通過し、往路で左右の分岐があった地点にくると、右手の林の中に案内標識があることに気づいた。往路では左手後方にあたり、振り返らないと気づかない位置にあったのだ。
(写真では正面やや右手に進み渡渉する。ここを林道にそって直進しないよう要注意)
(右手林のなかに案内標識あり。往路だと左手振り返らないと気づかない)
(上の場所を反対側から見たところ。往路で一瞬判断に迷った分岐。写真では右の方がはっきりしているが、左が正解)
そこから先は要所要所に赤テープのマーキングがあり、沢をのぼって峠をこえ、沢をくだって林道跡にでて、渡渉を2回こなし、駐車場にもどってきた。
(峠に上がる手前)
(林道跡への渡渉)
(復路最後の渡渉。ここを越えるとゆるくのぼったところが駐車場)
空港に戻る途中、スポーツショップ新雪荘に寄って、無事登山できたことの報告と、ぼろぼろになったスニーカーの代わりに帰路ではくスニーカーを購入し、空港に向かった。
蛇足:マダニについて
最終日はレンタカーを空港で返したあと札幌で一泊したのだが、宿で風呂にはいるときにチェックすると肩口に一匹。腹部に一匹。靴のソールにはつぶれて死んでいたのが一匹。また、登山中には2匹シャツについていたが、それらは取り払った。腹部のものも噛む前だったので、取り払い、肩口のものだけ噛みつかれていたので、引っこ抜いた。本当は引っこ抜いてはいけないそうだが、皮膚科にいけるのが最短でも三日後だったため、そこまで放置できず、できるだけ根本からつまむようにして引っこ抜いた。
●コースタイム(除休憩時間):
1日目:駐車場(2h40)ペテガリ山荘
2日目:ペテガリ山荘(2h15)1293標高点(2h15)ペテガリ岳(1h50)1293標高点(1h30)ペテガリ山荘
3日目:ペテガリ山荘(4h5※)駐車場 ※道迷い時間含む