2023 5/27 土 晴れ
大岳山頂から軍道に下る長い尾根において、山頂から下ってくると1050m付近で、登山道は南東に折れる尾根にそっていくが、その手前で西に折れる尾根があり、最初は太いが、高度が下がるにつれ、先細りして、最後は谷に吸収される。谷沿いを下るのは厳しいが、下からなら登れるのでは、と思い、今回その沢沿いを登りに来た。登山地図にはその沢はクドレ沢と記載されている。
武蔵五日市駅から乗った藤倉行のバスを「神戸岩」で下車し、林道をたどる。神戸岩の手前にトイレあり。神戸岩を左手に見上げながら短いトンネルを抜ける。
(神戸岩)
その先ロッジを左右に見てからしばらく進むと、右手にお目当てのクドレ沢がでてくる。林道から沢へは左岸側は取付けそうだが、傾斜があり回り込んだ先が見えず、ちょっと厳しそう。右岸側も林道からは高さがあり急に落ち込んでいるので降りられない。
いったん沢沿いはあきらめ、右岸から立ち上がる尾根を登ろうかと思っていると踏み跡に気づいた。そちらに入ると、踏み跡は少し登った後、尾根筋にむかわず、沢から少し高度を保ちながら、山腹を巻いていく。
(林道からクドレ沢を望む。林道から左岸は取付けそうだが傾斜がきつい)
(クドレ沢左岸尾根につながる踏み跡。林道を写真奥からきて振り返る格好で撮影)
これは沢沿いを上流に向かっていると判断し、踏み跡を離れ尾根に向かうか迷ったが、もともと沢沿いを詰める予定だったので、踏み跡を追うことに。
崩れそうな橋は、左手に高巻く踏み跡があり、その後太いロープもあり、ぶじ難関を越えることができた。
(崩れそうな苔むした橋。ここは手前左手を高巻く踏み跡あり)
踏み跡はところどころ薄いが、何とかひろえて、やがて中州状のところで壊れかけた小屋がでてきた。
(廃小屋)
(内部はこんな感じ)
どうやらここに通じる踏み跡だったようだ。山仕事用だろうか。
その前後だったか、右手に分岐があったような気がしたが、右岸を歩いていたので、そのままやりすごした。あとで振り返るとここで、右に入るべきだった可能性が高い。
小屋の裏手から再び沢沿いに進む。歩き易そうなところを探し、右岸と左岸を適宜行ったり来たり。
(沢沿いを進む)
(まれにマーキング在り)
(沢沿い。歩き易そうなところを探して進む)
(沢沿い)
(沢沿い 左岸)
左岸を進んでいると、大きな岩に立ちふさがれたので、そこで右岸に渡った。
(大きな岩が現れ、ここは右岸に移った)
(小滝)
(更に進む)
地形図通り傾斜が増してくると、やがて滝があらわれてきて、左側から滝を直登できなくもなさそうだったが、検討の結果、左(右岸側)を高巻くことにした。
(5,6mほどの滝は左手を高巻くがその後降りられず)
かなり急な斜面を強引に高度を上げて回り込むと、傾斜がきつく、もはや沢に下るのが難しくなったのでそのまま左の尾根をつめることにした。
(尾根を詰める)
立ち木や根っこなど両手も駆使しながら、急な支尾根を登っていくと、岩の絶壁があらわれた。(地形図にはこの付近に岩記号なし)
一か所右寄りに頑張れば一段上に上がれそうなところもあったが、その先が見えないのであきらめた。
(絶壁が現れ左に回り込む)
左手の方向を見やると岩壁が切れているように見えたので、そちらにトラバースして回り込んでみると、岩場は終わり谷状になっていて、傾斜はあるがなんとか詰められそう。手がかりが少ないので、指先を地面に突き刺しときおり四つ足にもなりながら、高度を上げた。
(谷状をしばらく詰める)
途中で左手斜面の方が登り易そうになってきたので、谷状を離れそちらを登っていくと徐々に尾根らしくなり、ゆるんだあたりで小休止。傾斜が増してからは初めてのゆるみ。
正面には昔の石をつんだ竈(かまど)のような跡があった。
(傾斜が増してから初めてのゆるみで小休止)
(昔の炭焼き跡?)
地形図であたりをつけた尾根にいるものと思っていたが、その先が、もう一段のゆるみを経てから急登が続くようなイメージだったのに、もう一段のゆるみがなく、均等な傾斜が続く感じで、イメージと違うなと思いつつ、こなしていくと、ようやく登山道にでた。
(尾根を登る。山仕事用らしきマーキングがときどきでてくる)
(振り返ると木の間から御前山)
(傾斜がましてくる)
(登山道に合流)
(登山道から、登ってきたところを振り返る)
ここからは大岳山頂のある東に進む。当初思っていた尾根を登ってきたのであれば、左手(北側)にある小尾根が収束した後立ち上がる尾根が山頂への取付きのはずだが、なかなか取付きでてこず、しばらくなだらかな道がつづく、それであらためて地形図をみてみると、自分が登っていると想定していた尾根の一本西側にも尾根があり、そこを登っていたとすると、イメージ通りの傾斜になっていることに気づいた。
そう考えると、登山道に出てから、しばらくしてようやくでてきた大岳山山頂への最後の登りのとりつきまでの距離感もぴったりですべてはまる。
ここで最初のはなしに戻るが、どうやら、沢の分岐を右に入るべきところを見落とし、左寄り(あるいはほぼ直進だったか)に進んでしまったので、その後取付いた左寄りの尾根は、途中で登っていると勘違いした尾根の一本西の尾根を登っていたのだ。
思い返すと、小屋前後にあったように思われた右手の分岐が、もともと予定していた沢だったようだ。
話をもどし、大岳山頂には、いつもながら多くの登山者。この日富士山は薄ら見ることができた。
(大岳山山頂)
(富士山頂はまだ白い)
帰路は馬頭刈尾根を下り、最後の荷田子との分岐は左を選択し、軍道におり、バスで武蔵五日市駅にでた。
ちなみに、少し前に三つ合鍾乳洞を擁する尾根からのぼりつめた969標高点に、手製の標識があることに今回大岳山から登山道を下っていると気づいた。小屋ノ沢山と書かれていたその標識は、登山道側を向いてつけられていた。前回は反対側から登ってきたので、その標識に気づかなかったのだ。
(969標高点 小屋ノ沢山)
●コースタイム(除休憩時間):神戸岩バス停(45)クドレ沢取付き(2h)登山道(30)大岳山(2h55)軍道バス停