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        津波に途絶えた娘の声 3.11 2時46分その時  2011-04-17


アエラ~より


宮城県南三陸町 主婦・遠藤美恵子さん(53)



自宅は海から近いのですが、今回逃げられたのは、町の危機管理課に勤めていた

長女(未希さん、24)のアナウンスを聞いたからです。長女は町役場の防災対策庁舎2階から、

防災無線で高台への避難を呼びかけ続けていました。

6メートルの津波が来る、10メートルの津波が・・・・。声が切迫感を増して

いました。これはまずいと感じ、母とともに、さらに高台のほうまで走って逃げました。 


気づくと、娘の声は途絶えていました。津波対策のため堅固に造られていたはずの防災対策庁舎

は、屋上まで波にのまれていました。夜が明け、娘を捜して町を歩きました。防災対策庁舎には

佐藤仁町長も避難しており、屋上手すりにつかまって無事でした。


「未希さんは私と一緒にいたのですが、水をかぶり、その後どうなったのかわからないんです

・・・」と、説明を受けました。

南三陸町は津波対策の訓練を年1回行うなど防災意識は高い町でしたが、だけど、05年に合併

で南三陸町ができてからも町役場は川沿いの旧志津川町役場をそのまま使っていました。


もっと高台に新しい庁舎を造っていたら・・・・。



長女は、職務を全うしたんだと思います。小さい頃から誰の悪口も言わない子で、親の希望通り

に地元を離れず専門学校を通い、町役場に勤めてくれました。唯一我を通したのが、結婚。

去年7月から町を出て同棲を始め、役場には車で通勤していました。

今年9月に結婚式を挙げる予定で、3月には、衣装合わせの予定もありました。

地震が来る前日です。私のほうから相談したいことがあると長女を呼び出し町役場の駐車場で

2人、車の中で話し合いました。そんなふうに2人で改まって話すなんて、

考えて見れば初めてだったかもしれません。


娘は言いました。「結婚して子供が出来たら、また南三陸に戻るよ」と。

そして「明日は金曜日だからうちに帰るよ」って。








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