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しかし、私にはまだ、ヒトラーがどうして天国に行った
のか、理解出来ません。 どうして、
彼はそのような報酬を得る事ができたのですか ???
第一に、死は終わりではなく、はじまりだ。
恐怖ではなく、喜びだ。
閉鎖ではなく、開放だ。
人生で最も幸せな瞬間とは、それが終わる瞬間だ。
なぜかと言えば、それは終わりではなく、形容しがたく
理解不能でありながら、もっと素晴らしい、
平安と智恵と喜びに満ちた前進だからだ。
だから、まず理解しなければならないのは ―
すでに説明したとおり ― ヒトラーは誰も傷つけは
しなかったということだ。
ある意味では、彼は苦痛を強いたのではなく、
終わらせたのだよ。
「人生は苦である」 と言ったのは 仏陀 だが、
彼の言うとおりだ。
たとえ、それを認めるとしても、ヒトラーは自分が善行を
行なっているとは知りませんでしたよ。
彼は悪事をしていると思っていたんです。
いや、そうではない。
彼は「悪事」をしているとは思っていなかった。
彼は同胞を助けていると思っていたんだよ。
そこが、あなたには理解出来ていない。
どんな者でも、自分なりの世界モデルにてらせば、
何も間違ったことはしていない。
ヒトラーの行為が狂気のそれであり、当人は自分が狂っている
ことを知っていたと思うのなら、あなたは、
人類の経験の複雑さをまったく理解していない。
ヒトラーは同胞のために善行を行なっていると考えていた。
それに、彼の同胞もそう考えていたのだ !
それこそが、狂気 なのだよ !
国の大半が、彼に同調したのだ !
更に、6話へと続きます