以下、『 との対話 』 より抜粋転載

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あなたは ヒトラ- についてたずねた。


ヒトラ-という経験が可能になったのは、グル-プ意識の結果だ。


多くのひとは、ヒトラ-がグル-プを ― この場合は国民を


― たくみなレトリックを使って狡猾にあやつったと言いたがる。


こう考えれば、何もかもヒトラ-のせいにして、ヒトラ-だけを


非難すればすむ。


それこそが、大衆の望みなのだ。


しかし、ヒトラ-は、何百万人もの人々が協力し、支援し、


積極的に服従しなければ、何も出来なかった


だからドイツ人と呼ばれる小グル-プは、ホロコ-ストの


大きな責任をになうべきだ。


しかし、ある意味では、人類という大きなグル-プにも責任がある。


人類は、どんなに冷酷な孤立主義者でも無視できないほど惨事が


ひろがるまで、ドイツ国内の苦しみに無関心で、鈍感だったのだから。


いいかね、ナチの運動を発展させた肥沃な土壌は、集合意識 だった。


ヒトラ-はそのチャンスをつかんだだけで、創り出したわけではない


ヒトラ-経験の恐ろしさは、彼が人類に対して罪を犯したということではなく、


人類 が彼に罪を犯させたということだ。


驚かなければならないのは、ヒトラ-が登場したことではなく、


あれほど多数の者が彼と行動をともにしたことだよ。


恥ずべきは、ヒトラ-が何百万人ものユダヤ人を殺したことだけでなく、


何百万人ものユダヤ人が殺されるまで、誰もヒトラ-を パー


止めなかったことだ パンチ!


以下、二 へとつづく。