スズメの涙(第4話)
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埼玉県越谷市
七月にして この暑さ!!
日本国内において・・・最高気温40.9℃のタイ記録を保つ街
俺はホームレス
バブル崩壊後に全財産を失って、それ以来ずっとホームレス
慣れると楽しいもんだ。
家族はいない・・・
朝から仕事と食べ物を探す。
寂しくは ない。
仲間がいる。最近では30代の若いヤツも増えてきた。
増えたものは良い。
でも その分
仕事と食糧が減る。
今日で3日、何も食べてない・・・
「腹減った~~・・・」こう暑いと動くのも辛いな
ん!!
「なんだアイツ」
この暑い中、コートで歩いてる
熱中症で倒れるヤツが多いのに
その男が近づいてきた。
「すみません。この辺りで・・・闇の案内所というお店を
ご存じないですか?」
「闇の・・・案内所?
いや~知らないけど、なんのお店?」
「そうですか?では失礼します」
・・・
本当に失礼なヤツ!
「ちょっ・・・ちょっと、あんた何か食べ物でも持ってないか?
3日間も何も食べてないんだ」
「食べ物・・・・・・ですか。パンならありますよ」
男が持っていたトランクからパンを取り出した。
トランクからパン??
別に気にしないが・・・
アンパンを連想させるパンだった。
「そちらの商品・・・ただでお譲りしますが、どうなっても知りませんよ」
「コレ賞味期限書いてないけど大丈夫?」
「腐ったりしていませんが・・・そのパンを口にすると、12時間以内に
一度だけ・・・
スズメの涙ほどの不幸が訪れます」
「不幸?へぇ・・・・もう失うモノなんて無いんだ」
空腹が勝った感じだ。
久しぶりの食糧
最高に美味しい・・・
男が立ち去ったあと
「不幸なことか」
最近この辺りでホームレス狩りが流行ってる
俺に降りかかる不幸はそれくらいしかない。
「待てこら~!」
「はぁ~はぁ~・・・・」
思った通り・・・襲われてる。
鉄パイプを振り回す3人組
走って走って・・・・・・・
老体にムチ打つ。
以前、同じホームレスが殺されているのを新聞で読んだ。
捕まったら殺される。
クソ!!
こんな目に合うならパンなんか!!
そう思った時・・・
ガッシャーン!!
突然、視界が暗くなtった。
上の方から
「おい・・・マンホールに落っこちたぜ」
「しゃ~ない・・・他探して、焼き入れようぜ!」
なんとか助かった・・・
「いってぇ~」
マンホールに落ちて助かった。
そうか・・・スズメの涙ほどの不幸はコレか。
「イテテテテテ・・・」
あのパン食って無かったらイテテテじゃ済まなかった。
臭いのは我慢して、ゆっくり梯子(はしご)を登りだした。
マンホールから落ちると
ヘタをすれば死んでしまうケースもある。
かすり傷程度でも本当にラッキーだった。
翌日・・・
「腹へった~」
いつもと同じ公園
なんか仕事探さないと・・・
ん?
昨日の男
俺は急いで走り寄った。
「お兄さん!昨日は助かったよ~ありがとう」
「不幸は免(まぬが)れたようですね」
「一つ・・・頼みがあるんだが、昨日のパン、もう無いかい?」
「ありますが・・・」
「あるのか?わけてもらえないかな?」
・・・
・・・
「構いませんが・・・」
「お~!恩にきる」
俺にとっちゃ、幸福のパンだ。
必死になって食べていると男の姿は無かった・・・
あれ?
なんか、お礼したかったなぁ!
一時間ほどして、公園の中央で男が叫びだした。
「ホームレスの皆さ~~ん!仕事ありますよ~~
先着10名まで受け付けま~す」
!?
仕事?
何人かが走り出すのを見て俺も走り出した。
ん?
「おわっ」
ドテン!
いきなりこけた。
「いっつ~」
こんなに早くプチ不幸が来るなんて・・・
公園の前には10人以上が並んでいた。
今回の不幸は、ちょっと痛かったなぁ!
「おい!なんの仕事だったんだ?」
帰ってきた仲間に聞いてみた
「あぁ・・・外に並んでチケット買うだけで1万円」
「なんだと~」
クソ!並ぶだけで1万か・・・
翌日・・・
この仕事を、やらなくて良かった。
『チケット売り場の列に車が突っ込み死傷者8人』
他のホームレスたちも良かった~・・・と口ぐちに言い合った。
また
助かった。
熊谷駅前・・・
一人の男がパンを食べていた。
「幸い転じて福を成す。闇の案内所は、何処にあるんですかねぇ」
そういって、歩き出す。
グニャッ!!
男が何かを踏んだ・・・
「このパン。欠陥商品ですねぇ」
スズメの涙終了
◇次回は花です◇お楽しみに
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