1996年、カプコンより発売されたサバイバルホラーの金字塔『バイオハザード』。
固定カメラ、ロード時間を逆手に取ったドアを開ける演出。ユーザーインターフェース(HPやミニマップなど)を排除した通常画面など、人を怖がらせることに特化した技巧の数々は、このシリーズを名作に押し上げるに十分なものだった。
ときは流れること2017年。2012年以来、5年ぶりとなる、シリーズ最新作『バイオハザード7 resident evli(洋題:Resident evil biohazard7)』が1月26日に発売された。今回は、原点回帰というテーマを持つ、最恐とも言うべき本作を紹介していこう。
主人公は一般人
兎にも角にも知っておくべきなのは、本作の主人公・イーサンは一般人だということである。
もちろん、銃などの武器は使えるが、移動速度は遅く、パンチや蹴りといった体術も使えない。
クリスのような、化け物じみた怪力もなければ、レオンのようなスタイリッシュな動きもできない。アルバート・ウェスカーのような超人的な体術もなし。原点回帰というテーマのもと、プレイ中に入手できる弾の量は決して多いとは言えず、『バイオハザード4』以降に見られる、出てきた敵を片っ端から始末するようなサーチ&デストロイ戦法は通用しないと言っていい。
回復方法はハーブと、回復瓶のふたつ。
巨大な敵も登場する。
舞台となるベイカー邸では、主人公はベイカー一家の追跡を振り切りながら、妻のミアの救出を目指す。住人は全員化け物であり、プレイヤーは、遭遇したら、戦うか、逃げるかの選択を迫られる。限られた弾をうまくやりくりしながら、化け物のうろつく館を探索していくのだ。
ミクロな視点で展開する物語
ここまで読めばわかる方も多いだろうが、今回の物語は、規模が小さい。
バイオテロによって、バイオハザード(生物災害)の脅威が世界中に拡散し、戦いの規模も派手になるという、初代から『6』までの流れは、ホラーからアクション重視のきらいもあるが、物語としてはごく自然と言える。
とくに『4』以降はアクションを重視しているため、そこから入ったという人にとって、本作は物足りないかもしれない。
だが、本作はシリーズ共通のジャンルであるサバイバルホラーに特化させた、『バイオハザード』シリーズの原点の姿であり、それを知るという意味でも、プレイしてみる価値はある。
複数のスロットを活用し、武器やアイテムを運用する。
シリーズお馴染みのアイテムボックスも登場。
詳しくは言えないが、本作もシリーズとしっかり繋がっているので、そこは安心していい。
三人称視点から一人称視点へ
視認範囲は非常に狭い。後ろを振り返るにも勇気がいる。
『バイオハザード』シリーズのカメラワークは、映す角度などは違えど、初代から『バイオハザード リベレーションズ2』まで、一貫して三人称視点だった。
本作では“アイソレートビュー”というシステムを採用し、プレイヤーの視点は一人称に変更されている。これによる破壊力はすさまじい。プレイヤーが視認可能な範囲は大幅に狭められ、後方は振り向かないと確認できないほか、曲がり角のさきになにがあるのかも、ギリギリまで近づかなければわからないのだ。ベイカー一家に発見されて逃げているときも、今どこにいるかを確認するには、周囲を見渡すしかない。逃げ切ったかと思い後ろを向くと、敵が真後ろにいたという状況もままある。
初代『バイオハザード』のコンセプトである“そこを歩くという恐怖”がつねに付きまとうのだ。
また、先述の通り、イーサンは移動速度が遅い。早歩きよりも遅いくらいで、敵に見つかった場合、壁や柱といった障害物に引っかかってしまうと、高確率で追いつかれてしまう。スムーズで安全な探索のためには、マップの把握が重要となる。
ガード状態で敵の攻撃を受け止めれば、被ダメージを大幅に軽減できるため、回避できないと思ったら、まず防御姿勢を取るのが先決だ。
探索はスリル満点だが、ロードがかなり長いのが難点。下手すると一分弱ほど待たされる。
本作にもBGMは存在するが、大半はイベントシーンのとき。探索時は、生活音や自然の音しか聞こえない物静かさの中、主観で動かなくてはならない。
また『バイオハザード3』まで主流だった、ユーザーインターフェースを徹底排除した通常画面も、本作で復活(設定で銃の照準や残弾数を表示させることは可能)。情報の不足という事態も相まって、プレイヤーの不安感を煽る。
ホラーが死ぬほど苦手な私は、ひとりでぶつぶつしゃべって恐怖を紛らわせながら進めていたが、ベイカー邸の主・ジャックから逃げるために走り、ドアを開けようとしたら顔面を掴まれて無理やり振り向かされたり、音もなしに曲がり角から近づいてくるモールデッド(本作のクリーチャー)と遭遇したときは、おもわず肩が上がってしまうほど驚いた。
あくまで目安だが、筆者が初回クリアにかかった時間は9時間弱。昨今のコンシューマーゲームと比較すると、ボリュームとしてはかなり少ないが、謎解きや探索をしているあいだは、その倍以上の時間に感じた。この感覚は『3』以前のバイオハザードに通ずるものがあるだろう。
具体的な言及は控えるが、物語はホラー&サスペンスであり、最初は謎だらけの状況だが、進めるにつれて、今回主人公が、どのような事件に巻き込まれているのかが徐々に判明してくる。 『バイオハザード』をよく遊んでいる人なら、最終盤の展開には懐かしさを覚えるだろう。
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原点回帰ということもあり、爽快感よりもホラーを重視した本作。歴代作品の中でも、最高峰の怖さを誇っている。未プレイの方は、極上の恐怖を味わってみてはいかがだろうか。
最後までクリアしたとき、間違いなく肝っ玉が太くなっていることだろう。
ご精読ありがとうございました。








