チェッカーフラッグ.jpg

 

 私は、スポーツにはあまり関心がない。

 

 ネット記事のヘッドラインで見て、今年はツバメが優勝したんだなぁとか思う程度。

 

 そもそも、テレビというものを見る習慣がないし、スポーツをはじめとする勝負事が、あまり好きではない。

 

 なぜなら、勝負事には勝者と敗者が必ずいて、絶対悪をやっつけるのならいざ知らず、負けた場合や、勝ったときでも負かした相手のことを想像すると、どうも気乗りがしないからだ。

 

 と、いうのは建前で、実はたぶん、自分自身がスポーツを苦手としているのが最大の原因ではないかと思う。

 

 特に球技。

 

 小学生の頃、テニスラケットを使って校庭で男女混合でやった野球。いつも落球と空振りの山。

 

「テニスラケットで空振りなんて、どうしたらできるんだ?」と皆に不思議がられていた。

 

 そうなると、自分ができないこと、苦手なことを、やすやすと(見えるだけかもしれないが)やってのけるスポーツ選手が妬ましい。

 

 そういう浅ましさ、心根の卑しさから、スポーツ観戦などは、まずほとんどしない。

 

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 ところが最近、自動車レースの最高峰、F1が面白そうなことになっているのに気がついた。

 

 観ないと言った舌の根も乾かぬうちであるが、実は以前に、日曜日の夜、テレビでボーッとF1のGP(グランプリ)の決勝戦を眺めるのを楽しみにしていた時期があった。

 

 あのスピード感と爆音で、なぜか気分が良くなったものだ。

 

 今年のF1は、なかなかドラマチックな展開。

 

 若き天才、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と、連冠の達人、ルイス・ハミルトン(メルセデス)。二ツ名は私の勝手な命名。

 

 この二人が、年間王者の座をめぐってデッドヒートを繰り広げている。

 

 そして、コンストラクターズ(マシンのメーカー)の競争においても、1位のメルセデスに2位のレッドブル・ホンダが食らいついている。

 

 この、ドライバーズチャンピオン争いとコンストラクターズチャンピオン争いが、なんと最終戦であるアブダビGPにまでもつれ込み、目が離せない盛り上がりを見せているというのだ。

 

 ワタクシ日本人としては、後者の方に特に興味がある。

 

 レッドブルにPU(パワーユニット。要するにエンジン)を供給しているホンダは、今年を限りにF1から撤退することを表明していて、今年は出し惜しみをせず、すべての持てる技術を投入しているらしい。
レッドブルホンダ マシン.jpg

 

 これはもう、観るしかない。

 

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 そう思って、アブダビGPの放送予定を調べてみると、地上波テレビの放送が見当たらない。サブスク(subscription。ここでは定額制のネット動画配信サービスの意)か有料のBSだかCS放送でしか観られないというのだ。○ジTVめ、阿漕なマネをしおって!

 

 あ、話が逸れるが、アコギというのは、三重県津市の海岸、阿漕が浦が語源だということを、津に住んでいたときに知った。

 

 そして昨夜、決勝戦をなんとか観ようとネットで渉猟したところ、レースの実況をリアルタイムで(ただし文字で)流す外国のサイトを発見した。

 

 それにホンダのサイト(Twitterというヤツらしい)でも、実況を配信していたが、こちらは少し遅れがちだった。

 

 辞書を引くのは面倒なので、適当に斜め読みした実況を再現すると、こんな感じ。

 

<これまでのところ年間ポイント1位のハミルトン、順調にトップで周回。終始リードを維持!>

 

<追うフェルスタッペン、タイヤの選択はこれでいいのか!?>

 

<○○(名前は難しくて読めない)がバリアに激突! クラッシュ!! ○○は無事の模様だ>

 

<セーフティカーが投入された!>

 

 事故処理が済むまではバトルにならないように、セーフティカーが先頭を走り、その間は追い越しが禁止される。

 

<セーフティカー導入中、フェルスタッペン、ピットイン! …… ソフトタイヤに交換した!>

 

 いつピットに入って、どのタイヤを選んで交換するか、チームの大切な選択だ。ソフトタイヤということは、マックスは勝負に出るつもりかな。

 

<セーフティカーが引っ込んだ! バトル再開、残り1周、最終ラップの勝負!!>

 

<マックス、ルイスの真後ろを猛追!>

 

<マックス、コーナーでルイスのインを刺した!! ……そのままチェッカーフラッグ!!!>

 

「うぉーーぉぉ..........」思わず歓声を上げてしまい、ふと我に返って見回すと、家族はみんな寝静まっている。

 

 うちのマンションにはサッカーファンの家族が住んでいて、夏の夜にはよく雄叫びが窓の外から漂い込んでくる。なにせフロンターレの地元である。

 

 冬で窓が閉まっていて、よかった。(^^;)

 

 ともあれ、フェルスタッペンは最終戦の優勝で合計ポイントを逆転し、初めての年間王者に。

 

 そしてホンダも、年間チャンピオンこそ逃したものの、撤退前の最終戦で有終の美を飾ったわけである。

 

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 F1は前置きのつもりだったのに、まだ昨夜の興奮冷めやらぬためか、長くなってしまった。

 

 今夜のところは、ここまでにしよう。