ボッサボサのボサ子ちゃんになっている百日紅(サルスベリ)の枝を剪定する前に、手足の屈伸をしながら考えた。

 

(ちゃんとストレッチをしておかないと、植木梯子の上で足がつったりしたら大変でしょう?)

 

実を言えば前夜(の深夜)、マンドリンの練習を始める時にも、ピックを持つ右手と弦を押さえる左手を屈伸させながら考えていた。

 

マッサージの先生は、施術を始める前に指をポキポキ鳴らしたり、手足の屈伸をしたりなさる。

 

高所作業をする鳶職の人たちが、念入りに準備運動をしているのを見たこともある。

 

ふーむ。

 

やはり、身体を使う「技」の前には準備体操、ストレッチが不可欠なんだろうな。

 

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ん?あれ? そうしたら多分、忍者が「印を結ぶ」のもストレッチだったんじゃないかなぁ。

 

ほら、「ドロン」とかの忍術を使う時に指を組んだり絡めたりする、あれ。
忍者の刀印.jpg

 

忍者というのは、刀を差してはいても武士とは言えなかったらしい。というか、歴(れっき)とした武士からは蔑まれていたらしい。

 

「乱破(らっぱ)」「素破(すっぱ)」「」といった呼び名は、そういうさげすみの意味が込められていたのだとか。

 

正面から刃を交える剣士・戦士ではなくて、様々な技術、例えば変装、侵入、盗み、薬物などを駆使して、諜報(情報収集/偽情報拡散)や破壊・暗殺などを行う「技能集団」だったということだ。
 
あ、以上はすべて、司馬遼太郎の小説に書いてあることで、私が自分で史実研究をしたわけではないから念のため。司馬遼太郎の歴史小説なら、信頼できると思うけれども。

 

もっとも、こういうことを真面目に研究している大学が存在する。

 

服部半蔵で有名な伊賀忍者の里「伊賀国」は今の三重県にあり、三重大学では「忍者・忍術学」の講座があるし、忍者研究センターまである。

 

そうした研究によると、忍者の印(九字)には色んな意味があったらしい。
(参考:印を結べば眠気・緊張が減少……読売新聞オンライン記事

 

忍者の九字.jpg

 

実際に印を結ぶ実験をすると、集中力が増し、リラックスするということだ。

 

ちょっと画像を調べて真似をしてみると、案外いろんな場面で役立つかもしれない。

 

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私は、そういうことに加えて実は、もっと単純なことがあったのではないかと思う。

 

例えば、忍者が蔵や金庫を破るためにその「技」を使うとき。

 

例えば、薬草などを調合して毒薬を作るという「技」を使うとき。

 

そういう細かい作業をするときには、しっかりと手や指を屈伸させる必要があったのではないだろうか。準備運動として。

 

それに、例えば忍者が常人には及びも付かないほど高く飛び上がるようなときには、きっと足の屈伸もしたのではないかと思う。

 

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職人や技能者にはしっかりとした準備がある。技を使ったあとの身体のメンテナンスもあったのだろう。

 

そんなことを考えながら、銭湯で長湯をして、ピリピリと痺れが出始めた右手右腕をジャグジーに押し当てる私だった。

 

手や腕が回復したら、また今夜はマンドリンだな。(u^皿^u)