今日は暑かった。でも夕方は爽やかで、気持ちが良かった。
明日の朝のパンと牛乳を買いに行ってお寺に戻って来た私は、郵便受けにK子さん(ご住職の母上。前回の投稿にてご登場)宛ての郵便物があったので、それを届けに離れに行ってみた。
今日は朝から夕方までお出かけだったが、まだまだ明るいし、たぶんまた・・・
やはり離れの灯りは消えていて、鍵もかかっている。「上」だろうな。
前回の投稿の中ほどに書いたとおり、K子さんはこのところ、境内で一番高いあたりのツツジたちの救出作戦に従事しておられる。私はまっすぐそこへ向かった。
木段を上がっていくと、鮮やかなピンクと白のツツジが、さっぱりして嬉しそうに咲き乱れている。
何日か前のあの雨の中、K子さんが笹やアザミやタンポポなどの雑草の中から、きれいに救い出してやったツツジたちだ。
そしてその先、現在の救出作戦区域の最前線に、K子さんが座り込んで周囲の雑草を鎌で刈っておられた。
「こんなにきれいになって、もっと見てくれる人や散歩をしてくれる人がいるといいですねぇ」私が言うと、
「まだまだこの先が草ボウボウで、見せられないわよ。すっかりきれいにしておかないと、すぐゴミなんかを捨てる人がいるから。」
「じゃあ、鎌とゴミ袋を用意しておいて、お散歩の人にゴミ拾いや草刈りをしてもらう、っていうのはどうです?」
「今の人達は、そういうことをしないのよ。なんでも道に捨てる。そういう親を見て育つから、子どももそうなるのよね。」
「そうですねぇ。でもこんなにきれいな場所なのに、もったいないですね。僕が確かな人だけ選んで呼んで来てもらいますよ。この前のギターを弾いてばかりいた友達みたいな。」
「まあそれならね。」
昼間の暑さが嘘のように心地良く涼しい風が吹いてくる。
「あなた、洗濯物を入れてないでしょ。日が陰る前に入れないと冷たくなるのよ?」
「あ、そうでした。じゃあ私は先に下りますね。K子さんも寒くならないうちに下りてくださいよ?」
「あそこまではやりたいからムニャムニャ」
まあ、たぶん手元が見える限りは続けなさるんだろう。
ツツジたちは、この聖人が木段を下りるときに転んだりすることのないよう、見守ってくれることだろう。だから大丈夫。