白嶺より 溢れ流るる モミジと湯
各務由紀
連日のように神社仏閣を渉猟し、紅葉をカメラに収め、数々の名湯に身を浮かべている。
加賀山中温泉と鶴仙渓であったり。
越前永平寺と白峰温泉であったり。
大乗寺と石引温泉であったり。
平泉寺町の白山神社と比咩(ひめ)の湯であったり。
全部が全部、白山の恵みというわけではないかもしれないが、このところ大変お世話になっているので、冒頭の一句を献じてみた。
ちなみに、白嶺(しらね)が白山を示すというヒントは、いや実のところ、俳句を詠んでみようという動機は、白山比咩(ひめ)神社の芭蕉の句碑から頂戴した。
ただ……
いまだにどの嶺が白山なのか、しかと判別が付いていない。
要するに、白山を見ていないのだ。
初めての場所へ行くにあたり、ついついナビに頼ってしまい、地図と実際の風景が頭の中でつなぎ合わさっていないせいだ。反省。