この作品がリバイバル上映されたのは73年のことでした。
ぼくが劇場でみたのはこの時です。中学2年生でした。
当時チャップリンの作品をシリーズで公開されてて、
『モダンタイムス』、『街の灯』に続いて劇場公開されたのが
この『ライムライト』でした・・・たしか。
その頃聞いた話では、この作品を3番目に公開するのはいかがなものか、
という意見があったそうです。
というのも、試写会に見に来ていた子供が、
上映が始まって30分くらい経ってから、
大きな声で父親に訊いたそうなんです・・・
「いつになったら、チャップリンが出てくるの?」
たしかにこの作品では、
おなじみの「ちょび髭にドタ靴」というスタイルのチャップリンは
少ししか見られません。いきなり子供に見せるのは、
ちょっと無理があったかも、です。
ぼくはこの作品のクレア・ブルームが気に入って、
何回も(確か4回)観に行きました。
ぼくの場合、同じ作品を劇場で何度も見たというのは、
この作品だけです。
もちろん作品としても「泣ける映画」として気に入っていたわけですけど、
映画作品としては、そんなによく出来た作品だとは思っていません。
それでもぼくはやっぱりこの作品が好きなんですけど・・・。
今日この作品が見られたのは偶然でした。
映画何やってるのかな、とチャンネルを替えてみると、
見慣れた酔っぱらいのチャップリンが出てました。
もちろんすぐに判りましたよ。2,30回見てますから。
何回も見ていると、別のところが気になったりするんですけど、
今回は、若い恋人同士(?)の会話を偶然聞いてしまう年老いたチャップリンに、
なんとなく自分に一番近いものを感じてしまいました。