パニック障害についてぼくの病歴を簡単に書いておきます。ぼくが初めて体調が悪くなったのはバスの中でした。ぼくがまだ二十代の頃のことです。その日は土曜日でバスが渋滞に巻き込まれ、混雑する中でパニック発作らしきものを体験しました。何とも言えない圧迫感を感じて、つり革につかまっていた手と膝がふるえて頸動脈の拍動が耳に響いてきました。その時は目的の駅までなんとか耐えたのですが、同じような事が電車の中でも繰り返すようになると、もう交通機関を以前のように利用できなくなっていました。また、スーパーのレジに並ぶことさえできなくなって、買い物は時間帯をずらして行くようになりました。当時はパニック障害という言葉は一般的ではなくて、偶然アメリカのニュース番組を見ていてアゴラフォビア(広場恐怖症)という病名を知り、ぼくはそれだと思ってました。今では、パニック発作から予期不安や広場恐怖という言葉が広く知られるようになり、ぼくの場合もパニック障害と説明するのが一番わかってもらいやすいのでそうしてます。


 でも、スーパーのレジに並べない・・・そんなことが他の人に理解してもらえるでしょうか。ちょっと説明してみるとこういうことです。レジにいま3人の人が並んでいるとします。その後ろにぼくが並び、さらにそのあとに何人か並んだとすると、ぼくは前の3人の精算が終わるまでその場所から動けないことになります。その時間だけその場所に拘束されることになります。そんな馬鹿な、と思うでしょうがぼくは何回も並んでいることに耐えられなくなって列を抜け出し、変な目で見られるのが嫌で、そんな時間帯を避けるようになってしまいました。

 今では当時ほどひどいことはほとんどないのですが、混雑する乗り物は避けてますから自分の病気がどうなっているのかよくわからない、というのが本当のところです。


 心療内科にも通っているのですが、以前に比べて自分では状態が良くなったと思っているので、一番軽い薬を、とお願いしてそれを外出するときはお守りのように持ち歩いてます。