「仮面ライダーBLACKSUN」を、全話、鑑賞しました。
視聴者のレビューは、あまり、芳しいものではないようですが、個人的には、なかなか、面白かったですね。
石ノ森章太郎さんの原作「仮面ライダーブラック」は、昔、読みましたが、内容は、「仮面ライダー」ではなく永井豪さんの漫画「デビルマン」に近い。
そして、この「仮面ライダーBLACKSUN」もまた、「仮面ライダー」というよりも「デビルマン」の世界観に近い印象。
「怪人」と「人間」が、共存している社会。
社会には、「怪人」を差別する人たちも多い。
そして、「怪人」への差別を無くそうと活動をしている人たちも居る。
今回の「仮面ライダーBLACKSUN」は、「政治」というものが深く物語に関わっている。
それが、不評を読んでいる原因の一つのようでもあります。
しかし、個人的には、それが、かえって、良かったという印象。
話が進むにつれて、物語の背景が明かされるという展開になっているので、物語世界の全容を掴むのに時間がかかるのが、少し、難点と言ったところ。
作品は、大人向けのようですが、子供には、なかなか、理解が難しいのではないですかね。
そもそも、なぜ、「怪人」が生まれたのか。
それは、戦争に、「人間兵器」として使うため。
この「怪人」に開発には、時の総理大臣、堂波が大きく関わっていた。
しかし、戦争は、終わり、「怪人」の存在だけが残ることに。
そして、その孫もまた、総理大臣となり、「怪人」を使って、私服を肥やしている。
本来、「怪人」の権利を守るために結成された「ゴルゴム」は、今では、その堂波総理の元で、政治に協力をする代わりに、「怪人」に便宜を図ってもらっている。
しかし、思いがけない偶然から、「BLACKSUN」が復活し、物語が動き始めることになる。
この「仮面ライダーBLACKSUN」の大きなテーマは、「差別」と「暴力」ということになるのでしょう。
「差別」を無くすには、どうすれば良いのか。
中村さん演じる「SHADWMOON」は、「怪人」を「人間」の上位に付けることで、「怪人」への差別をやめさせようとする。
つまり、「暴力」による差別の解消。
西島さん演じる「BLACKSUN」は、「創生王」を倒して、「怪人」の誕生を食い止め、「怪人」を自然消滅させることで、この問題を終わらせようと行動をすることに。
そして、物語の中心になる少女、葵は、当初、平和的に「怪人」への差別を無くそうと活動をしていましたが、途中で、自身が「怪人」にされ、悩むことに。
そして、「人間」同士、「怪人」同士の争いを目の当たりにし、最終的に「暴力」による戦いを選ぶことになる。
今、世界には、実際に、様々な「差別」が存在する。
その「差別」を煽る人も居れば、「差別」を非難する人も居る。
しかし、もし、仮に、自分自身が、差別をされる側になってしまった場合、どうするのか。
葵の存在は、それを問いかけているのでしょう。
物語は、結局、「差別」は無くならない。
そして、「差別」に抵抗をするための「暴力」は無くならないと言った結論で終わる。
この結末には、あまり、良い感想を持たない人が多いのかも。
さて、戦争に兵器として使うために「人間」を改造するという発想は、SF物語の中には、よくある話でしょう。
「サイボーグ009」のサイボーグ戦士たちもそう。
「ファイブスター物語」の騎士たちも、元々は、人間兵器として作られた存在だったはず。
もし、今後、更に、科学が進歩をし、遺伝子の操作によって、「人間」を「兵器」として運用しようとする国家が、登場してくることになるのでしょうかね。
そうなれば、怖いことです。