玄真録〜シネマガイド〜 -3ページ目

玄真録〜シネマガイド〜

映画について更新して行きます。

何を観るか迷った時に参考にしたり、一度見た事のある映画の整理などに参考にしてください(^^)

映画をあまりみない人は「オススメ」のカテゴリーを参考にして見てもらうと嬉しいです(^^)

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<ストーリー>
 1929年のハリウッド。サイレント映画の人気俳優ジョージは舞台挨拶が終わり映画館を出たところで記者とファンに取り囲まれてしまう。大混乱の中、自分にぶつかってきた女性に優しく微笑みかけるジョージ。ジョージの優しさに感激した女性は記者たちの前で頬にキスをした。
 次の日の新聞でそのことが一面をにぎわせるなか、映画会社キノグラフではジョージが新たな作品の撮影に入っていた。そこに昨日の女性がエキストラとしてやって来る。彼女はぺピーと言い、撮影終了後ジョージの楽屋を訪ねた。そこでジョージは彼女に「女優を目指すなら特徴が必要だ」と言って、アイライナーで唇の上にほくろを描いてあげた。
 それから映画界はサイレントからトーキーに移行していくが、トーキー映画に否定的なジョージはサイレント映画にこだわり続ける。しかしトーキーの波に押されて次第に人気も落ちて世間からも忘れられていく。妻もジョージの下を去って行き、残ったのは莫大な借金と愛犬だけだった。そんな中ジョージに救いの手を差し伸べたのは今やトーキー映画で大スターとなったぺピーだった…

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<感想>
 この作品の監督、ミシェル・アザナヴィシウスと言う人の映画に対する愛を感じれる作品。一般的にサイレント映画で白黒と聞くと当然古臭いと感じる人が多いと思う。人によってはそれだけで見る気がなくなるだろう。自分も最初に聞いた時はその古臭さを感じたのは否めない。しかし、観始めると全然印象が変わった。古臭いどころか、「アーティスト」は21世紀のこの時代でしか創れない最先端の映画だと気が付く。この映画の見所は3つ。
 ①過去のたくさんの名作映画のオマージュをふんだんに取り入れていること。映画好きの人が見たらこの作品の中にいくつもの名作映画が隠れている事が分かると思う。チャップリン、ヒッチコック、ビリー・ワイルダーなどこれを機会に名作映画を見直したくなるし、もっと知らない映画を見たくなる。
 ②台詞がないので演技、構図、音楽などで表現する比重が高くなっている。これがまた凄い印象的で面白い。観終わってからも再会するシーン、楽屋のシーン、階段のシーンなどなど頭に強烈に残っている。ちなみに上の写真はぺピーが始めてジョージの楽屋に行った時のカット。「誰もいない楽屋でジョージのジャケットに腕を通す」この仕草だけでぺピーの気持ちが声にするよりも強く心に響く。
 ③現代と過去の融合。最後は少しネタばれになるが、劇中で音が入るところがある。つまり完全なるサイレントではないと言う事。そしてこの白黒の映像も元々カラーで撮っていて編集の段階で白黒にしていると言う事。そうする事によって綺麗で見やすいコントラストになっている。こういった技術によってアーティストは古いけど新鮮で、懐かしいけど斬新な作品になっている!!
 誰でも絶対見た方がいい作品です!!
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<ストーリー>
 関ヶ原の戦いから5年、勝者東軍の徳川家康は征夷大将軍となり世の中から大きな戦はなくなった。そんな中、関ヶ原では西軍に与していた丹波大介は世の変わり様を見るため京の町に来ていた。大介は今でこそ山奥でひっそりと暮らしているが、元は甲賀忍者である。
 それから京で、昔ともに忍び働きをした奥村弥五兵衛と出会う。一度は忍びから足を洗った大介だったが、弥五兵衛から説得され加藤清正の下でもう一度忍びとして働く事を決意する。清正の目的は対立しあう徳川家と豊臣家を仲介して戦にならないようにする事だった。その為に大介は諜報活動を行うが、そこに権力と財力のある徳川家が組織した忍び集団が立ちはだかる。大介は今や滅び去ったと思われている杉田忍びの生残り「杉谷のお婆」に協力してもらい少人数だが清正の下で忍び働きを始めるのであった。




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<感想>
自分は司馬派だと勝手に思い込み、池波正太郎はあまり読んでいなかった。しかし歴史物で司馬遼太郎と双璧をなすだけあってとても面白かった。こと忍び物に関しては池波正太郎のほうが面白いかもしれない。というよりも、司馬遼太郎は歴史の表舞台を史実とフィクションを織り交ぜながら書いているのに対し、池波正太郎は歴史の裏舞台(忍者)を書いているから元々別ジャンルと考えたほうが良いかもしれない。当然裏舞台の方はほとんど史実には残らないから、余計フィクション的要素が強くなり書き方も変わってくる。
 なので、同じ事件を、例えば関ヶ原を司馬作品と池波作品の両方から見るととても面白い。また、池波正太郎の忍者物は一連のシリーズになっているから、ほかの作品を読んでみたらより物語に深みが出て面白い。
 今回の話は地元熊本が出てきて、加藤清正もしかっり描かれているので個人的にはそこらへんも楽しめた作品になった。写真は熊本城です。
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<ストーリー>
 佐伯健太郎(26)は司法試験に落ち浪人生活をしているが、何をやっても中途半端な自分に嫌気がさしていた。そんな時フリーライターの姉から一本の電話がかかってくる。仕事として実の祖父について調べたいから手伝ってほしいと言う事だった。祖父、宮部久蔵は第二次世界大戦で亡くなっているため健太郎達はもちろん、母親も祖父のことについては何も知らない。祖母は最初の夫、宮部について多くを語らず他界してしまったため謎に包まれた人物となっていた。ただ1つ分かっている事は祖父は海軍に所属しており、特攻隊員として死んで行ったと言う事だけだった。
 結局健太郎と姉は祖父の戦友や、後輩など戦争を経験し、生残っている人たちに直接話を聞く事に決めた。しかし男らしくお国のために死んでいったと言う特攻隊員のイメージとは裏腹に、最初に取材に行った人から聞かされた祖父は、臆病で、卑怯者だったと聞かされる。ショックを受けながらも取材を続けていく健太郎。何人かの人に取材をしたとき、生残った人たち1人1人が宮部久蔵に対して違った思いを抱いている事に気がつく。そして次第に宮部久蔵の人となりが浮かび上がってきた。

<感想>
 ここ数年でダントツで面白い!自分はこの本を2年前に読んで、特攻隊の生き残りのA氏に紹介したことがある。その人は感動してくれて、自分の持ってる自家用機に乗せてくれると言うのでA氏がいる地方の空港まで行く事にした。とは言ってもその方はもう80を超えているし、ジェット機以外に乗った事がない自分としては不安もあった。ともかく空港で合流することに。そこで見た飛行機がなんと零戦そっくり!!もちろん本物ではないが、A氏が自分で機体を緑色に塗り、日の丸を書いたとの事。やはり子供のときからずっと零戦に憧れを持っていて、今でもそのときの感覚は衰えていないと語っていた。
 上は余談で本作品とは全然関係ないが、まだあの時代を生きた人たちが実際にいるんだ。そんなに遠くない話なんだと痛感した出来事でした。
 この作品は構成もとても面白い。宮部久蔵という人物を過去の知り合いがそれぞれの思い出を語りながら浮き彫りにしていく。もちろん人それぞれ印象が違うので、いい面も悪い面も含め、多面的な角度から宮部久蔵と言う人物が蘇る。それがはじめのうちは矛盾しており、同じ人物とは思えないほど証言が違って聞こえる。しかしそれらの思い出を残された事実が1つに繋いでいく。この事によって初めて宮部久蔵と言う人物が孫の健太郎の中ではっきりとした息使いを持って蘇る。それはすなわち健太郎目線で物語を読んでいた読者にも言えることだ。読み終えた時の感覚はなんとも言えない感動があった。