【第4話】
†お茶会トリオの家†
「じゃ食事の席で会いましょう。白兎、食事の前にはアリスを城へ。後は各々で出席するかを白兎に伝えなさいな」
そう言って女王は王と陪審員と共に退室する
「三人の家は眠り帽子兎って名前よね?アリス気を付けてね」
退室する間際王が私に言葉をかけた
「眠り帽子兎?家の名前なの?なんだか人の名前みたい」
「それは眠り鼠ちゃんがつけたんですわ」
私の問いかけに三月兎が答え た
「じゃ俺達も行こう。三月兎は無理しないように交代しながらな」
会話を聞いていた帽子屋が
そう言いながら眠り鼠を背負う
三月兎も牡蠣ちゃんを背負うが
立ち上がり様よろけたので
慌てて私と影ちゃんが両脇を支え
後ろから白兎が両手で牡蠣ちゃんを支えた
本当に大丈夫だろうかといった目で
不安げに三月兎を見る帽子屋だったが
私が大丈夫と笑うと少し気にしながらも歩き出す
広く迷路のようにいりくんだ庭を抜け
その先にある木の枝を引っ張ると
その木にそのままそっくりくりぬいた出入口ができ
その向こうには深い森があって
そこを通りしばらく歩くと
三月兎達の家がある
森には風変わりな生き物が達が大勢いるが
言葉は話せないらしい
途中何度か小休憩を挟み
なんとか交代しながらも三月兎達の家についた
元々は離れていた帽子屋と三月兎の家は
女王の提案で眠り鼠の部屋と共に合同された
そこに牡蠣ちゃんが居候という形で一緒に住んでいる
外観はちょっと太ったティーポットの一階に
注ぎ口が煙突になっていてその上にちょこんと
まるでジャムが乗ったような小さな屋根
そして蓋の代わりに大きな帽子の
二階三階をかねた屋根があり
間を突っ切るような耳をイメージさせる
縦に細長く二つ並んだ窓があって
よく見れば間があって四つに別れている
個人的には二階の縦の長方形の窓より
三階のアーチ型の窓の方が好みだ
側面や裏側にある
一階は角砂糖で二階と三階はクッキーのような色気の
丸や四角の明かり取りの小窓も可愛らしい
設計をしたのは陪審員で
ここには大地の縛りがないから楽
なんてことをいってらしいことを
帽子屋と三月兎の会話できいた
中に入るとナチュラルフレンチカントリーの
落ち着いた内装になっている
一階は共同スペースで二階は帽子屋と三月兎の個室
三階は眠り鼠と牡蠣ちゃんの部屋だ
この部屋割りは一番に起床し一番後に就寝するのも
だいたい帽子屋か三月兎なので
音が響きにくい作りとはいえ物音に配慮するためだ
特に三階部分の床や壁には防音設備が整っている
何故かというと三月兎はバイオリンを弾くことがあり
眠り鼠は四六時中寝ているため練習の時に困るのだ
一度ソファーの上に牡蠣ちゃんを寝かせ
直ぐそばのロッキングチェアに
倒れそうになりながら三月兎が座り込む
白兎はパタパタと道中で拾ってきた
大きな葉っぱで扇いでいる
影ちゃんはハンドタオルを濡らし
三月兎のおでこに当てていて
そうする間も帽子屋は黙々と眠り鼠を
三階の部屋に寝かし
休むこと無く牡蠣ちゃんを運びにかかっている
私はというと飲み物を皆に持って行こうと
コップやトレイを探していた
すると
「俺がやるからアリスは座ってろ」と
パッとトレイを出しアイスティーを注ぐ帽子屋
私が椅子に腰かけるとすでに帽子屋は三月兎と
その直ぐ傍にある小さな木の丸椅子にちょこんと座り
まだ葉っぱで扇いでいる白兎に飲み物を配り
私の隣の椅子にやって来た影ちゃんに飲み物を渡す
そしてひとつだけ色が全然違う飲み物を私に渡し
心配そうに皆を見ながら柱にもたれかかり
お疲れさんというように
コップを軽く持ち上げる帽子屋
同じく持ち上げて皆で飲む
香りからすると皆のはダージリンのレモンティーだ
そして私のはルビーのような色の
ハイビスカスフラワーだ
こちらも酸味が聞いていてよくローズヒップと
ブレンドされていることが多い
「んっ、それにしても三月兎大丈夫?」
と私が酸味を味わいながら三月兎をみる と
「ご心配おかけしまして……でも大丈夫ですわ。ずいぶん楽になりましたし。皆さんありがとうございます」
まだ息が上がって辛そうながらも
いつものように穏やかに微笑んだ
「無理……しないで?」
心配そうに上目使いでおずおずと話す白兎
「白兎は…お家に行って……休まないとだよね? 少し休んだら…移動する…の?」
影ちゃんが白兎を心配した目で見つめる
「女王様に言われたけど……でもここで平気だから……。それとも…ここに居ちゃ駄目…かな……?」
と言って白兎は上目使いでおずおずと皆を見ている
「駄目だとはいってないさ。ただ影は自分の家の方が休めるんじゃないかと心配してるんだろ 。それに女王の指示もあったしな」
帽子屋が淡々と説明する
「でも白兎の家ってさらに遠い森の外れだよね?確かお城が最奥でここが中間より少し外側で…大分遠くない?」
「確かに同じような距離はありますわね。トゥイードルの所まではさらに距離がありますわ。森の初めですからね」
私の意見に三月兎が付け加える
「なら……ここにいた方が…余計に疲れる事はないんだね………」
納得したように影ちゃん
確かにここは距離感がわからなくなりやすい
そんな会話を聞きながら
アイスティーを飲んでいた
そこまではよくある風景
でも突然異質な空間に転送されたように
周囲の影が濃くなった
瞬間的に防音設備があるため
普段は聞こえないはずの三階の物音が聞こえた
牡蠣ちゃんが泣き叫ぶ声が
白兎は怯え始め影ちゃんは声も出さずに涙を流した
そして私の耳にここの誰でもない声で
吐き捨てるような言葉が聞こえた
『お前キモいよ?死ね!』
(挿絵/Ant-Me)
†お茶会トリオの家†
「じゃ食事の席で会いましょう。白兎、食事の前にはアリスを城へ。後は各々で出席するかを白兎に伝えなさいな」
そう言って女王は王と陪審員と共に退室する
「三人の家は眠り帽子兎って名前よね?アリス気を付けてね」
退室する間際王が私に言葉をかけた
「眠り帽子兎?家の名前なの?なんだか人の名前みたい」
「それは眠り鼠ちゃんがつけたんですわ」
私の問いかけに三月兎が答え た
「じゃ俺達も行こう。三月兎は無理しないように交代しながらな」
会話を聞いていた帽子屋が
そう言いながら眠り鼠を背負う
三月兎も牡蠣ちゃんを背負うが
立ち上がり様よろけたので
慌てて私と影ちゃんが両脇を支え
後ろから白兎が両手で牡蠣ちゃんを支えた
本当に大丈夫だろうかといった目で
不安げに三月兎を見る帽子屋だったが
私が大丈夫と笑うと少し気にしながらも歩き出す
広く迷路のようにいりくんだ庭を抜け
その先にある木の枝を引っ張ると
その木にそのままそっくりくりぬいた出入口ができ
その向こうには深い森があって
そこを通りしばらく歩くと
三月兎達の家がある
森には風変わりな生き物が達が大勢いるが
言葉は話せないらしい
途中何度か小休憩を挟み
なんとか交代しながらも三月兎達の家についた
元々は離れていた帽子屋と三月兎の家は
女王の提案で眠り鼠の部屋と共に合同された
そこに牡蠣ちゃんが居候という形で一緒に住んでいる
外観はちょっと太ったティーポットの一階に
注ぎ口が煙突になっていてその上にちょこんと
まるでジャムが乗ったような小さな屋根
そして蓋の代わりに大きな帽子の
二階三階をかねた屋根があり
間を突っ切るような耳をイメージさせる
縦に細長く二つ並んだ窓があって
よく見れば間があって四つに別れている
個人的には二階の縦の長方形の窓より
三階のアーチ型の窓の方が好みだ
側面や裏側にある
一階は角砂糖で二階と三階はクッキーのような色気の
丸や四角の明かり取りの小窓も可愛らしい
設計をしたのは陪審員で
ここには大地の縛りがないから楽
なんてことをいってらしいことを
帽子屋と三月兎の会話できいた
中に入るとナチュラルフレンチカントリーの
落ち着いた内装になっている
一階は共同スペースで二階は帽子屋と三月兎の個室
三階は眠り鼠と牡蠣ちゃんの部屋だ
この部屋割りは一番に起床し一番後に就寝するのも
だいたい帽子屋か三月兎なので
音が響きにくい作りとはいえ物音に配慮するためだ
特に三階部分の床や壁には防音設備が整っている
何故かというと三月兎はバイオリンを弾くことがあり
眠り鼠は四六時中寝ているため練習の時に困るのだ
一度ソファーの上に牡蠣ちゃんを寝かせ
直ぐそばのロッキングチェアに
倒れそうになりながら三月兎が座り込む
白兎はパタパタと道中で拾ってきた
大きな葉っぱで扇いでいる
影ちゃんはハンドタオルを濡らし
三月兎のおでこに当てていて
そうする間も帽子屋は黙々と眠り鼠を
三階の部屋に寝かし
休むこと無く牡蠣ちゃんを運びにかかっている
私はというと飲み物を皆に持って行こうと
コップやトレイを探していた
すると
「俺がやるからアリスは座ってろ」と
パッとトレイを出しアイスティーを注ぐ帽子屋
私が椅子に腰かけるとすでに帽子屋は三月兎と
その直ぐ傍にある小さな木の丸椅子にちょこんと座り
まだ葉っぱで扇いでいる白兎に飲み物を配り
私の隣の椅子にやって来た影ちゃんに飲み物を渡す
そしてひとつだけ色が全然違う飲み物を私に渡し
心配そうに皆を見ながら柱にもたれかかり
お疲れさんというように
コップを軽く持ち上げる帽子屋
同じく持ち上げて皆で飲む
香りからすると皆のはダージリンのレモンティーだ
そして私のはルビーのような色の
ハイビスカスフラワーだ
こちらも酸味が聞いていてよくローズヒップと
ブレンドされていることが多い
「んっ、それにしても三月兎大丈夫?」
と私が酸味を味わいながら三月兎をみる と
「ご心配おかけしまして……でも大丈夫ですわ。ずいぶん楽になりましたし。皆さんありがとうございます」
まだ息が上がって辛そうながらも
いつものように穏やかに微笑んだ
「無理……しないで?」
心配そうに上目使いでおずおずと話す白兎
「白兎は…お家に行って……休まないとだよね? 少し休んだら…移動する…の?」
影ちゃんが白兎を心配した目で見つめる
「女王様に言われたけど……でもここで平気だから……。それとも…ここに居ちゃ駄目…かな……?」
と言って白兎は上目使いでおずおずと皆を見ている
「駄目だとはいってないさ。ただ影は自分の家の方が休めるんじゃないかと心配してるんだろ 。それに女王の指示もあったしな」
帽子屋が淡々と説明する
「でも白兎の家ってさらに遠い森の外れだよね?確かお城が最奥でここが中間より少し外側で…大分遠くない?」
「確かに同じような距離はありますわね。トゥイードルの所まではさらに距離がありますわ。森の初めですからね」
私の意見に三月兎が付け加える
「なら……ここにいた方が…余計に疲れる事はないんだね………」
納得したように影ちゃん
確かにここは距離感がわからなくなりやすい
そんな会話を聞きながら
アイスティーを飲んでいた
そこまではよくある風景
でも突然異質な空間に転送されたように
周囲の影が濃くなった
瞬間的に防音設備があるため
普段は聞こえないはずの三階の物音が聞こえた
牡蠣ちゃんが泣き叫ぶ声が
白兎は怯え始め影ちゃんは声も出さずに涙を流した
そして私の耳にここの誰でもない声で
吐き捨てるような言葉が聞こえた
『お前キモいよ?死ね!』
(挿絵/Ant-Me)