日本の憲法の特徴は、国民の基本的人権を「永久の権利」として宣言し、思想・良心の自由、集会・結社・表現の自由などの市民としての自由を保障するとともに、国民の生存権や労働者の権利をはっきりうたっていることです。
そこでは、結社の自由とは別に、団結権=労働者がお互いに団結して組織をつくり、使用者・資本家側に賃金・労働条件・職場環境などの改善を求め、生活を守り向上させることを労働者の基本的な権利としています。
憲法第25条は、「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」こと定めています。
これは、もちろん、労働者だけの権利ではありませんが、自分の労働力を売って働く以外に生活の手段をもたず、もしもの時の支えとなる資産もなく、雇用不安に悩む人が少なくない労働者にとってとりわけ重要な権利です。
しかも第25条2項では、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上及び増進に務めなければならない」と規定しており、国家がすすんで具体的な政策措置をとって、生存権を保障しなければならないことになっています。
生存権を実現するにあたって重要なのが、労働権ないし勤労権と呼ばれる権利です。
憲法第27条の「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」という規定です。
つまり、健康で文化的な生活を保障するためにも、働く意志と能力のあるすべての人に、賃金を得るための労働の機会を保障する責任を国に課しているのです。
さらに、第2項で「賃金・就業時間、休憩その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」としています。
これは、労働者を雇用している使用者に対して、人間らしい生活をおくるのに必要な労働条件を保障させ、正当な理由なしに使用者の都合だけで勝手に労働者を解雇してはならないとする法律上の根拠となるものです。つづく…