MOZART/HAYDN/SCHUBERT (Guitar Duo) | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Edin Karamazov ,  Pavel Steidl (APARTE) 96Khz/24bit

エディン・カラマゾフは15年ぐらい前にスティングが同じ英国のジョン・ダウランドの作品を歌ったDGから出した『ラビリンス』というアルバムで共演したのでよく覚えている。カラマゾフっていう名前自体インパクトがあるのでそうそう忘れるものではないというのもあるが。その『ラビリンス』のMVではリュート・ギター専門のカラマゾフと一緒にスティングがリュートをちゃんと弾いているので、ベーシストなのにもギターだけでなくリュートも弾けるのかと感心した。そのカラマゾフ氏が同業のギタリストSteidlと組んでモーツァルト、ハイドン、シューベルトという、もしこれがピアノとか弦楽奏だとしたら余りにもありきたりだと思われてしまうであろう三大作曲家の作品を新たに2台のギター用に編曲して演奏している。

 

ハイドン、モーツァルトのピアノ曲を2台のギターで情感豊かに奏でておりピアノとはまた別の表情が魅力的だが、でもなんと言ってもシューベルトの『アルペジオーネd821』がとてもいい。もともと、アルペジオーネというのは19世紀前半に発明された楽器でチェロを小型にしたような形をしているが、ギター職人によって考案されたため24のフレットがある。変わった楽器だが短命に終わった。シューベルトはこの半分ギターのような楽器のためにこの曲を書いたのでギター的な演奏も考慮していたのだろう、今ではチェロで演奏されることが多いがこの曲の持つ流麗で軽快な親しみ易いメロディーは、乾いて軽やかなギターサウンドによく合っている。名曲に新たな息吹を吹き込んだよう。

 

2023-251

 

 

 

 

via Classic Music Diary
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