Nicholas Daniel (harmonia mundi) 96Khz / 24 bit
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このアルバムを配信した際にジャケットに強く惹かれて聴いてみた。その時は知らなかったのだが曲目等を調べていく中でタイトルにもなっている『Night Window』という曲はアメリカの著名な画家(私は全く知らなかった)であるエドワード・ホッパーの同名の絵画から採られたものでこのアルバム・ジャケットはその絵だという。なるほどホッパーの他の絵も見てみるとこのようなタッチが特徴で、やはり名を残す一流画家というものは独特の魅力を持っているのものなのだなと感心した。
作曲家のシア・マスグレイブはエジンバラ生まれのアメリカ人1928年生まれなので今年94歳になる現役の女性作曲家。パリでナディア・ブーランジェに学び、室内楽だけでなく、ドラマ、バレー、オペラの作品が多く故郷のスコットランド及びアメリカ中心に上演されているようだ。また、自らの作品の指揮も行っている。
イギリスのオーボエ名手ニコラス・ダニエルによるこのアルバムはマスグレイブがニコラスの為に書き下ろした過去の作品群が中心になっている。オペラ作品が多いのでよく『劇的』と形容されるシアの音楽だがこの室内楽はそんなことはなく、オーボエの高い音域と5度低いコーラングレの低音を織り交ぜながら耽美的な落ち着いた雰囲気をだしている。ロマン派の音楽のような甘すぎるところはなく、無機質な現代音楽というわけでもないいい感じのリラックスできる音楽だと思う。
2022-1378