DVORAK: Poetic Tone Pictures | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Leif Ove Andsnes (SonyClassical)96khz/24bit

ドヴォルザークのあまり知られていないピアノ曲『詩的な音画集』。1889年、48歳の時なのでアメリカに行く前の脂の乗り切った頃に作曲された作品。
 
これはボヘミアの故郷の村を久しぶりに訪れた際に蘇って来た昔の思い出の数々をテーマにした私的な作品らしく、13の各曲には標題がつけられてそれぞれ美しいメロディが特徴のとても魅力的なピアノ小品曲集。レイフ自身がコメントしているように交響曲、管弦楽のドヴォルザークの曲のイメージとは随分と違う。知らないで聴くとシューマンかリストかと思ってしまう。なぜこの曲があまり演奏されてこなかったのだろうか不思議だ。
 
1970年ノルウェー生まれのレイフ・オヴェ・アンスネスは今の時代では珍しいコンクールに出ないで名声を高めていったピアニストでここ数年はリリースするアルバムが毎年欧州の何らかのミュージック・アワードに選ばれている。このアルバムも大作曲家ドヴォルザークの知られざる作品が実はとても魅力的であることを広く世の中に紹介した好アルバム。

                         2022-1300