TILL CHRISTMAS | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

kTill Broenner, trumpet 

ドイツで最も有名なジャズ・トランペッターTill Broennerは 1971年生まれ。彼の輝かしい経歴から既に大御所と言ってもいいだろう。


子供の頃はクラシックのトランペットを習っていたのだが、ある時ルイ・アームストロングとチャーリー・パーカーのレコードを聴いてそれまでやってきたスタイルとのあまりの違いにびっくり仰天して、その後ジャズに傾倒していったというが、その気持ちはよくわかる。なんと言ってもジャズの系譜を辿っていくと行き着くアームストロングとマイルスもあんなプレイはできないと言ったアドリブの鬼パーカーなのだから。

 

彼もまた自由系の天才音楽家によくあるようにジャンルの垣根にこだわりなく、ジャズだけに留まらず、クラシック、ポップ、民族音楽など多彩な音楽とのコラボレーションを積極的に活動してきており、確かにジャズではあるのだけれどもゴリゴリのジャズにしてない無いアルバムが多い。


なお、歌も歌う。チェット・ベイカーほどは甘く無く、歌自体はもっと上手い。もっとも、チェットベイカーの魅力はそのヘタウマなところなのだが。ブレナーの『チャッティング・ウィズ・チェット』というアルバムカバージャケットはまさにチェットの『Chet 』と全く同じ構図にしているほどなので、やはり憧れなのだろう。

 

このクリスマスアルバムは、トリオでの演奏。ジャズアルバムでよくあるライブ感が出るように楽器が全面に出てくるようなマイクセッティングをしており、迫力があり音質もとても良い。バラードはとても美しく静かで瞑想的だ。クリスマスという季節ものに終わらず一年を通して聴きたくなるようにしてある優秀なアルバム。

2021−1118

 

 

 

 

via Classic Music Diary
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