Evening Dusk Serenade | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Linda Hedlund, Violin, La Tempesta Orchestra (Naxos), FLAC 96Khz/24bit 

フィンランドで1930年から1960年にかけて流行したのだが、今ではもう耳にすることも稀になってしまった軽音楽・サロン音楽の小品を紹介するアルバム。ヴァイオリンをフィーチャーした管弦楽による演奏。


ここでの作曲家陣でKASKIはその中でも名前は知られている方ではないか。四曲も取り上げられているG.de Godzinskyはロシア系のフィンランド人で作曲家としてだけでなく、指揮者としても活躍した当時のフィンランドを代表する音楽家だが、フィンランド人以外はまず知らない音楽家だろう。


どんなに美しい音楽でも単調だと飽きてしまうのだが、このアルバムはウィーン風、ジプシー風、タンゴ風、映画音楽風など異なるタイプの曲を選曲してある。

また、サロン音楽ということで各曲共にリリカルなので感情に訴えかけられるものが多い。それも少しだけというところがこの手の音楽としてはちょうどいい。


演奏のLa Tenpesta Orchestraは、ピアニスト舘野泉氏と縁が深く、フィンランドの著名オーケストラに所属している若手演奏会集団。コンサートマスターは息子さんのヤンノ・タテノ氏。


ヴァイオリンは、Linda Hedlund。もちろんフィンランド人。その昔、母国で愛されていた音楽をときに哀愁に溢れ、抒情たっぷりと歌うように弾いている。


ちょっと優雅な気分でリラックスできる音楽だった。

2021-724


via Classic Music Diary
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