八つの乳いとほしく猥雑な命引き受けくるかエゴの波打つ家族の祝日雲の浮く澄みたる空草生に胸の白き猫を散歩させ踊り場の「サモトラケのニケ」蒼ばみて開館間際は凪ぎる海鳴り草花は揺れる 昇降口は変わらないリノリウムの廊下のひかりグレッチの六本の弦 眼裏に金魚はひれを揺らすマチスのヴードゥーブルーをテーブル掛けに