過去にテレビでタレントが話していたり、雑誌のコラムなんかの記事を何度か目にしたことがあるので、結構御存知の方も多いであろうとお察しする、アレについて書こうと思う。
まぁテレビや雑誌で見たとかいう以前に自分自身も身に覚えがあるという方も多いでしょう。

悪臭の白い玉。
そう、咳払いした時なんかに喉のどこかからぴょんと舌の上に飛び出してくるアレだ。
別に本当に丸い玉が出てくるわけではないが、BB弾ぐらいの大きさなので、他に何と形容すればいいのかも分からんので、便宜上そう呼ばせてもらう。

御存知ない方の為に説明すると、その玉は手に取って匂ってみると、この世のものとは思えぬ悪臭を放っている。
そりゃあ人様にその臭いを嗅がれた日にゃあ、マングリ返しされてアナルを視姦されるぐらい恥ずかしい思いをするような代物だ。
そしてタチの悪いことに、その玉はグチャッと潰してから匂ってみると、固形の時の悪臭の4倍ぐらいの力を発揮する。
これを大量に集めて顔面めがけて投げつけでもしたら、もはやスカトロを通り越してテロの領域である。

なんでも聞いたところによると、実はあの玉は喉の側面にある小さな窪みに、食べた物や空気中の埃とかが詰まって凝固したものなんだそうだ。
なので全ての人間の喉にその玉の存在を確認することができるらしい。
だから玉が出てきた経験のない方は、おそらく何かを食べたり飲んだりした時に一緒に飲み込んでいるからその存在を知ることがないんでしょう。

まぁ説明も一段落したところで、ボクのこの悪臭の白い玉にまつわるエピソードを一つ書かせていただきたい。
本当にクソぎたない(そら濁音にもなるわ)話なのでご注意を。


小学2年の時の話。
昼休みに男子数人で学校内で鬼ごっこをしていた。
いつものようにキャーキャー言いながら廊下や階段を夢中で走り回っていたら、喉に何か突っ掛かっているような違和感を覚えた。
楽しい時に何なんだよと思いながら、痰を出す感じで喉をガァーッって鳴らすと、痰ではなく白い玉のような固形のものが出てきた。
見たことがないものが口の中から出てきて少し戸惑ったが、恐る恐るそれを匂ってみた。
すると顔をしかめてしまう程の悪臭が。
キモチ悪っと思い、そのままデコピンの要領でその玉を飛ばして捨てた。
そしてそのまま近くにあった水道で手を入念に洗った。
何てったってちょっと触っただけでも臭いが手にこびりついてるからね。
んで洗い終えてまた鬼ごっこに戻った。

…そして昼休みも終わって5時限目の授業中。
何だかあの玉のことが気になって授業に集中できないのだ。
子供とは、大人では及びもつかないようなことを考えるもので、今のボクからしてみれば何故そんなことを思ったのだか理解に苦しむのだが、その当時のボクは「あの玉は胃の一部だったんじゃないだろうか?だとしたら捨ててしまったら胃に穴が空いたままで、やがて胃が腐ってしまって取り返しのつかないことになるんじゃないか?」なんてことが脳裏を駆け巡り、そわそわしていたのだ。
かなりオツムの弱い子供だったんでしょうか。
なぜ数多ある器官の中から"胃"だと確信できたのか?
一応理由があるにはある。
当時のボクの中では"胃"は白いものだというイメージがあったからだ。
…まぁこんなこと言ったところでバカに変わりはない。
しかしこのバカはこれだけに留まらず、更に加速度を増す。

あろうことか、もう一度あの玉を拾いに行こうと決心してしまったのだ。
そして5・6時限目が過ぎ去るのをじっと待ち、気もそぞろなまま放課後を迎えた。
普段なら友達と一緒に下校するところだが、この日は違う。
何か理由を付けて教室に居座り、皆が帰るのを待った。
そして30分ぐらい経ち、まだ教室には女子数人が残ってはいたが(昔っから気になっていたが、何で女子って放課後になってもず~っと教室に残ってくっちゃべってるんでしょうか?)、行動を開始した。

ボクは記憶を辿り、あの玉を捨てた場所を思い返した。
あれはちょうど手洗い場の水道の前だった。
捨てた玉が手洗い場のマットの溝の間に落ちる光景が甦ってきた。
ボクは一目散にその場所へ向かい、マットを隅から隅まで探した。
すると溝の間に落ちているあの玉を見つけることが出来た。
ボクはマットを持ち上げ、その玉を拾い、水道で洗い、パックンと飲み込んだ。
すると胸のつかえが取れたような解放感に見舞われた。
このまま飲み込んだ玉が(想像上の)胃の空いた穴にパズルのピースのようにぴったりとはまり、穴を塞ぎ、腐敗を食い止め、元の健康的な胃を取り戻す画が当時のボクにははっきりと脳裏に描けたのだ。


今思い返すとホントにバカだなぁ~と思うが、何か可愛らしくもある。
子供ってスゲェな、やっぱ。
いや、てゆーかキモチ悪っ。