2026. 9臨時号NO. 250 サナエトーク VS
サナエトークン
仮想通貨「SANAE TOKEN」(サナエトークン)等の疑惑に対する国会の質疑応答で高市首相のありえない答弁を契機として野党が審議拒否に転じ一時的に国会が空転した。
サナエトークンに対して、高市首相の支援組織「チームサナエ」はXの公認アカウントで「チームサナエはこの取り組みに共感」などと投稿していた(後に削除)という。
ところが、サナエトークンの発行者が金融庁の無届け業者だった疑いが浮上すると、高市首相が自身のXで「存じ上げないし、承認を与えたこともない」と関係を全面否定した。
それを契機に、高騰していたサナエトークンが大暴落し、大損した被害者からサナエトークンの開発責任者の松井健氏が損害賠償を要求される羽目に陥ったとする。
国会で高市首相を厳しく追及する立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員らは、松井氏が木下秘書と中傷動画をめぐるやり取りしていたとの告白は、贖罪からとは言えず、高市首相の掌返しに対する復讐心に加えて被害者や世間の目をサナエトークンから他に目を向けさせる為に過ぎず、鵜呑みにはできないとする。
あくまで追及の本命はサナエトークンとしているようだ。
渦中の高市首相と彼女が師と仰ぐ故安倍首相とは、似ているところがある。
第一に、ともに「要領がいい」「人たらし」である。安倍首相は学生時代一所懸命に勉強したわけではないが、苦戦することなく、同級生から要領がよかったと言われている。
高市首相も松下政経塾の塾生時代要領がよかったと月刊文藝春秋に書かれていた。
両首相とも人たらしのところがあるが、高市首相の場合は目上の相手だけか。下からも慕われる安倍首相は国会議員の間でも人望があった。
国有地を格安で買い取った学校法人「森友学園」が設立する私立小学校の認可や国有地払い下げに関し、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べた。これは一大事と官邸は佐川理財局長に(直接改ざんを指示することはなかったか?)善処を指示し、改ざん問題が起きた。近畿財務局側が自裁した職員なら、佐川理財局長も本省側のスケープゴートでは(白い目で見られる家族も)。
ともあれ、安倍首相には、故後藤田正晴のように首相を諫めることはなかったが献身的に尻ぬぐいをした菅義偉官房長官、官僚を抑え込んだ杉田和博同副長官がいた。政策面では、経産官僚の今井尚哉氏が官邸内官僚として、首相を支えていた。
これが、高市首相なら改ざん問題は起きていないだろう。後述する、今回の秘書の陳述書をもって自らの発言に替えるとの仰天国会答弁でも周りの大臣等は我関せずの態であることを見ても。国会議員からも嫌われ、官僚が用意したモノを使わず一度ならず失言してしまう首相を官僚が支える気を失うならば。さらに、安倍首相時代の首相秘書官を三顧の礼にて鑑定に迎え入れたハズなのに今井氏を激怒させ、首相が官邸内で孤立しているという。
第二に、ともにすぐわかる嘘を平気でつく。それは子供の頃からの性癖に過ぎないのだろう。安倍首相も高市首相も嘘つきと呼ぶには値しない。
賢くなけれは嘘つきにはなれない。詐欺師のような嘘つきは、長らく本当と思わせる悪知恵と嘘をどう上塗りしてきたかを覚えられる記憶力を持ち合わせている。
私にはそんな能力がないから、嘘はつかないと言うと嘘になるので、嘘は極力言わないようにしている。正直をモットーにして。
高市首相は、嘘も酷いけど、言い訳発言もあきれる。高市首相は2026年6月22日の衆院予算委員会で、中傷動画疑惑報道に関する野党からの追及に回答として高市首相は「業務時間を確保できなくなっている」と筋違いな発言。これに対し、小沢一郎氏から「最悪の答弁」「それほど追及が怖いのか」と批判されている。
さらに、サナエトークン疑惑においても、質問者の問いには答えず、当該公設秘書に陳述書を書かせるのでそれを提出する。自身の答弁の代わりとするという。
教師に宿題をしてこなかった理由を問われ、中学生が「クラブ活動で疲れて」と言い訳するより酷い。高市氏の発言は、中学生がその発言の後「兄弟に宿題をしてもらい提出します」と言うようなものだ。中学生だってそんなことは言わない。高市首相の上記陳述書提出発言に、良識の府である参議院が「国会を冒涜するのか、法案審議に一切応じない」と態度を硬化させた。
高市首相は提出しても今後も国会の質疑に応じると発言を修正した。が、1か月後ようやく木下公設第一秘書から陳述書が提出されたが、突っ込みどころ満載(5つの嘘があると文春が報じ『一月万冊』の本間龍氏がYouTubeで解説)にて、追求が下手な野党に塩を送ることに。
さらに、7月の支持率低下を見て「寝てない発言」も同情よりも幼稚な発言だと炎上。ニューヨークタイムズにも報道されてしまう。嘘、他者を踏み台、責任転嫁など人格の問題だけではなく、知性自体も疑問視され出した。これでは海外からの首脳からも相手にされないのでは。
私が銀行に入行した頃高校と大学の大先輩で、(高市首相にとっても大学の先輩に当たるが)20歳年上の常務取締役がいた。役員会議に出席する際前日に資料をもとに部長から説明をを受けるのではなく、当日の朝資料を受けとり要点を掴み、自身の言葉で会議で発言していたと評判になっていた。
それと同格以上の(たとえ寝ていなくてもそれをひた隠しする)国家官僚達においては、深夜まで準備してこの程度か、それに少しでも外れた質問を受けると真面に答えられない。それでは官僚たちは日本を高市首相には任せられないと思う。ましてや官僚に頼ろうとしないのであれば。
本来「寝てない」発言は、「私は、頭が悪いから、能力が足りないから、もう首相の職を続けらない」場合に婉曲的に使う言葉であるハズだ。
すべての人に自己実現の権利がある。それは身の程の範囲において。自身を偽り、同情を引こうとしたり、「反省点はない」と強気に出たり、硬軟つくろっても身の程を超えては恥を晒すだけ。だれの為にもならない。
安倍首相は学歴コンプレックスがあったので、自身がいかほどの者か理解していたのだろう。高市首相は何でも自身がやらないと気が済まないというのであれば自身を客観的に観れているとは言い難い。小泉進次郎大臣も同じだ。前総裁選で官僚派議員らに担がれてホイホイと神輿に乗るようでは。
古賀茂明氏や青木理氏らが真摯に批判していた安倍首相の時と違い、YouTubeの性格上そうなるのか、学者までが、笑いながら高市首相を小バカにする。一国の首相に対してその態度はどうなのか。高市首相を批判する私も、最初は一緒に笑っていたが、だんだん不快に感じるようになっていった。私にも大学の先輩という気持ちが少しはあるからなのか。
これ以上恥の上塗りにならぬよう早く高市首相は退陣してもらいたい。
第三に、国会を軽視し、国会を形骸化させてしまう。
安倍首相は、「私は立法府の長」と何度か言った。安倍首相は父方母方双方の祖父が東大法学部卒の政治家、父親も東大法学部卒の政治家、コンプレックスがある安倍首相は政治家になるつもりはなく、神戸製鋼の社員で終わるハズであった。父晋太郎も性格的に政治家には向いていないと思っていただろうが、地元後援会からの強い要請?で本人の意志とは関係なく政治家の道に。安倍首相は政治家としての最低限の教養を積むことがなったのだろう。
高市首相は、皇室典範の改正の質疑において3月と7月の二度今上天皇の読み方を間違えている。ブラックユーモア的例文で説明すると、「高市首相は今上天皇をこんじょう天皇と読み、支持率が急落し、国民は首相としての高市氏とは今生(こんじょう)の別れとなった」。
今上天皇はきんじょう天皇と読むのが常識。検事出身の郷原信郎弁護士はyoutubeで、3月は「こんじょう」と言ったが、すぐに「きんじょう」と言い換えた。知らないわけではないが、7月また「こんじょう」と言ったが、今度は訂正しなかったという。
郷原弁護士は、高市首相がタカ派の支持者向けに取り組んでいるが、高市首相自身にはそれほど関心がなく(官房長官に説明させている)今回の拙速な皇室典範の改正を危ぶんでいた。
そんな高市首相は、三権分立の概要は理解しているだろうが、youtube『一月万冊』で元博報堂作家本間龍氏が「高市首相は国会は自己のPRの場と捉えている。自身に不都合な質問には答えない。」と発言している。それを裏付けるかのように、6月22日の参院予算委員会で、立憲の杉尾議員が高市陣営による“中傷動画”拡散とサナエトークン)に置ける疑惑を追及したとき、 高市首相は「初めに申し上げますけれども」と切り出し、答弁を続ける。ところが、その目線は、質問を投げかけている杉尾氏ではなく、中継カメラの方に向けられていたという(8/4の熊本被災地視察でも「『まるで高市早苗首相のプロモーションビデオ』BGM付き被災地視察動画に批判殺到」と週刊誌に報道される。自身を目立たせることしか頭にないのか。芥川賞作家に酷評されても仕方がない)。
そして、意味のない国会発言に対して、小泉進次郎氏の意味が空洞な発言を「進次郎構文」と呼ばれている。が、関係ない、筋違いな話を長々と話し質問者の問いに何ら答えないのを「サナエトーク」と命名すべきだ。
なお、早稲田大学名誉教授森川友義氏は、小泉防衛大臣に関し、「以前の進次郎構文は、意味が空洞である点に問題があった。現在の構文は、空洞の中に安全保障政策が入っている点で、はるかに危うい。防衛大臣の言葉は、ポエムではなく『国家の意思』として読まれる「進次郎構文」は、もはや笑い話ではない。」と述べている。
さらに、終戦記念日に小泉防衛大臣が靖国神社に参拝したことに対して、共同通信が「日韓防衛協力への影響が懸念」と批判記事を出した。小泉大臣がXで「理解不能」と共同通信を批判する。それに対して元朝日新聞記者佐藤章氏が「それこそ意味不明」とYouTubeにて。小泉大臣だけではなく、高市政権はメディアは政府のPR機関と勘違いしているのではという。
メディアは“第四の権力”と言われ政府を監視し問題があれば批判するのが仕事。田中角栄首相はそれを理解していた。
前回の『高市VS小泉』の総裁決選投票は、「どちらが首相になっても心配な同士の戦い」と書いたが、そうではなかった。「どちらも首相になってはいけない同士の戦い」と言うべきであった。
安倍首相と同様に、首相個人の問題で国会を空転させる。議案に対する検討が十分成されないまま数を頼って無理やり通過させてしまう。
その責任は首相自身にあるにも拘わらず、その責任を野党に負わせ、首相の支持者達がそれに加油する。
首相自らの発言が原因で国会が空転している最中に、インドへ高市首相は旅立った。その点も安倍首相とよく似ている。安倍首相もモリカケ問題など個人的問題でよく国会を空転させ、逃げるかのようによく外遊した。プーチン大統領とは26回も首脳会談をし、ロシアにもよく訪れたが、同行した大手建設会社のトップがビジネスなるようなことは期待できなかったと月刊文藝春秋にて述懐している。
トランプ大統領の関係においても後述するように、トランプ氏と私的に信頼関係を築いただけでは。
有識者の中にも安倍首相の「外交」を評価する人がいるが、外務省がお膳立てした対中国、対インド以外、その実態は「外で交際する」であって「外で交渉する」とは言えないのでは。
安倍首相とちがって高市首相への今回のインドへの外遊は政権の命とりになろうとしている。首相の留守を狙って皇室典範の改正を悲願とする麻生副総裁サイドが根回ししたとする見方がある。帰国して、してやられたと思っても後の祭り。党内基盤が弱い高市首相は麻生副総裁に反抗できない。
しかも、国民からの批判は首相に集中し、世論は、「高市政権は、国民が期待することは何もせず、国民が望まないことばかりする」との評価が固まりつつある。
サナエトークン問題はレッドに近いイエローカードだが、今般の皇室典範改正は一発退場のレッドカードになるのかも。大多数の国民から反対される中月刊『文藝春秋』9月号に寄稿した天皇家に近い元首相の細川護熙氏から「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」と批判されている。
満を持して、細川元首相が錦の御旗を掲げたとも言えるか。賊軍となった自民党の中から改正の改正をと寝返る議員が増えていくか。
第四に、持病を口実する。700億円もの費用をかけて今やる必要性があるのかとの批判を背に高市首相は解散総選挙強行した。ならば、信任を問われるべきビジョンや政策を表明することがマストであるのだが、2/1付けNHK日曜討論を欠席した。持病を理由とするが、午後の遊説は予定通り行っている。その後何らドタキャンの穴埋めをしていない。
師匠の安倍首相は、本来首相の入院が公になることはタブーにも拘わらず、新型コロナ禍への対応のまずさ、桜を見る会問題への追及から政権を投げ出すのに持病を利用した。
あろうことか安倍首相は車で病院の中に入る所をメディアに撮らせたが、高市首相も、病院に入るところをメディアに撮らせるのであろうか。
最後に、鷹が鷲の足の爪を舐める。
タカ派の語源とされる鷹は大きい鷲に対して、足の爪を舐めたり、おべっかをしないだろう。タカ派?の安倍首相は、2016年異形のトランプ大統領が当選すると、娘のイヴァンカ氏の靴まで舐めるのかと言われ、同じくタカ派もどきの高市首相はトランプ大統領に抱きついたり、ハシャギ過ぎと批判される。
安倍首相がトランプ大統領の個人的な信頼を得たのは確かだ。妻の昭恵夫人も酔っぱらって醜態を晒したと報じられたが、それは誤報で逆に飲酒しないトランプ夫妻に好感されていた。ただ、それは個人的関係に過ぎず、大統領としてのトランプ氏は安倍首相に大事な話は相談しなかったし、亡きあと「シンゾーがいた日本だから」と相互関税政策にも手加減するわけでもなく、80兆円も朝貢させている。
EUのトップ達は異形のトランプ大統領(1.0)にどう接していいか分らず安倍首相が羨ましくまた頼りにもした。しかし、トランプ大統領(2.0)に対しては、ドンロー主義ではなく、ジャイアニズム(ドラえもん・ジャイアン主義)を露わにし、反社の親分が傘下の組長に上納金の上積みを強要するがごとく同盟国やNATO諸国に無理強いする他、自分勝手にやっておきながら失敗するとそのツケをNATO諸国に押し付けようとする、そんなトランプ大統領にNATO諸国のトップたちは嫌気がさしている。
先般のG7において、日米同盟の関係にありながらトランプ大統領にベタベタしているだけの高市首相がG7の首脳たちから相手にされないのは不思議ではない。孤立していたとのネガティブキャンペーンは当たらずも遠からずであろう。
さらに、G7にて英語が分からないのに分かっているかのように振る舞ったり、首脳会談で“クネクネ”とした動きを披露したとして、英タイムズ紙に〈高市早苗氏、世界の指導者への『媚びへつらい』が国内で反発を受ける〉との見出しで報じられてしまう。
総裁選時の候補者討論会においても高市首相は司会者から求められた英語スピーチを辞退している(茂木氏や林氏は披露したが)。折しも過去鳥越俊太郎氏らからも指摘されていた「元米連邦議会立法調査官」の肩書詐称疑惑が蒸し返されている。インターンでしかなかったとの証言もあるが、それがなくともこの程度の英語力では立法調査官(こんな職はないとも)の職は務まらないとの声も挙がっている。
高市首相には三つの誤算があったと思う。
一つは、過去問題があってもトップに立てば安倍首相のように逃げ切れると思ったこと。実際総務大臣時代否定続けてそれで逃げ切ったとの成功体験もある。しかし、総務大臣と総理大臣は、ひらがなでも漢字でも一字違いで大違い。
トップは、とくに国のトップは「李下に冠を正さず」が求められる。刑法は、何人も「疑わしきは罰せず」。首相の立場は、「疑わしきは排除される」。
銀行で、現金を扱う出納係の者が度々違算(伝票集計の金額と現金が合わない)を起こす場合、それも現金の方が少ない場合、違算原因が不明で、さりとて横領の証拠もない場合でも、その出納係がギャンブル好きで友人にも借金していると噂されていれば、現金を扱わない部署へ配置転換させられる(なお、違算は現金の方が多い場合がより問題となる。どの顧客で違算したか不明の場合後で損している顧客から怒鳴りこまれる危険性があり信用問題となる為)。
末端の銀行員ですら、こうだ。海外の要人たちからも注視される首相ならなおさらに。
自民党時代幹事長として権勢をふるっていた小沢一郎氏が首相になろうとしなかったのは不思議に思っていた。政治家はきれいごとでは済まない。とくに小沢氏の場合総裁選に出馬すればメディア等が一斉に疑惑を報じてくることを懸念していたこともあるのではないか。それもあり、ことさら高市首相を厳しく非難しているのではないか。
小池都知事も同じではないか。都知事選の頃になるとその都度学歴問題が蒸し返される。総裁選ではこの程度で済まないと理解し、首相への野心はもう消えているのでは。
二つ目の誤算は、要領がよく、首相になっても国会答弁もうまくやれると思っていたが、後述の台湾有事発言で自信をなくしたか、国会答弁を避けるようになってしまった。
高市首相は政治家になりトップに立つことを目指したが、それ自体悪いことではない。しかし、深夜まで勉強すると言われているが、一体何をしてきたのか。「国防」「皇室問題」「経済問題」等深みのある知識があると思えない。それもあり、国会答弁を避けたがるのでは。
中曽根首相は首相になりたい態度を鮮明にしていたが、東大病ならぬ首相病と見られても、首相になったらそれで終わりではなく、首相として成すべきビジョンを持っていた。
高市首相にはそれがあるようには見えないと上述の細川元首相にも疑問視されている。
とくに、高市首相の円安容認姿勢は問題。円安の根本原因は安倍首相ー黒田日銀総裁体制の超金融緩和にあり、高市首相に責任があるわけではない。が、今日本に置かれている状況を例えで言えば、日の丸機(無論日航機ではない)が燃料が少なくなり墜落せず(国債デフォルトしないよう)にいかにソフトランディングさせるか国債格付け機関の戦闘機が横に並んで飛んでいる。そんな時にエンジンを吹かそうとするようなものである。戦闘機が横にいるなら積極財政をしたくてもできるものではない。すれば、警告弾を発射(日本国債の格付の格下げ)される。16%にあたる外国の投資家が日本国債を売り手放す。長期金利が急騰し、円安も加速。企業の外貨資金調達コストも跳ね上がる。
肝いりの成長分野への投資も官主導では上手く行かないと見られている。上手く行くとしても財政支出が先行する。戦闘機が臨戦態勢に入るだろう。
「対中国強硬」と考え合わせれば、時局にマッチしない高市首相はミスキャストに他ならない。
円の価値がより下がれば高市首相の価値も下がる。上がるのは物価、金利と首相を批判する国民の声のトーンだけ。
最後の誤算は、師匠の安倍首相と同じことをすれば上手くいくと思っていたこと。
「尊敬する人のマネはその人の悪い所しかマネできない。よって、参考にしてもそのままマネしてはいけない」が私の持論。理由は簡単。能力が違うため。良いことは同じように能力が高くなけれれば成しがたい(そんな持論を持つに至った契機については別の機会に)。
高市首相は、2025年11月国会で「台湾有事発言」を行い、習近平国家主席を激怒させた。安倍首相も言っていたので問題ないと思ったのか。しかし、安倍首相は、首相を退任してからでしかその発言はしていない。
この台湾有事発言問題に関して、すぐ12/10発刊の月刊『文藝春秋』2026年正月号にて元中国大使の垂秀夫氏が寄稿している。その中で、同じ「保守・対中強硬派」とみられる安倍首相と高市首相との違いを述べている。
中国から警戒されていた安倍首相は、就任直後から靖国参拝を封印し、「戦略的互恵関係」を提唱し電撃訪中し関係改善を主導した。“保守派”と見られた政治家が逆張り外交で関係改善を進めたとし、外交の成功例と安倍首相を評価している(外務省の自画自賛にも受け取れるが)。一方、高市首相に対しては、「靖国参拝封印」「戦略的互恵関係」は同じだが、安倍首相のような戦略の逆算が見られず、まず中国との関係を安定化させた上で、長期的観点から自身のグランドデザインを描くという外交戦略がなく、場当たり的だとする。
端的に言えば、安倍首相には国家観があると言えるが、高市首相にはそれがない。自身が目立つこととタカ派の支持者のことしか考えてないということか。
安倍首相には、政治的教養に欠ける面があるも、トランプ大統領と違い賢い官僚たちの説明を理解し判断できる能力がある。柔軟性もある。高市首相は官僚の話を聞こうとしない、首相としての適性がない。能力以前の問題だ。
結局、高市首相にマネできることは、「旧統一協会の関係」「『李下に冠を正さず』問題」、「病気を口実」、「国会軽視」、そして今般の「天皇家との対立」になってしまうのだ。
松下政経塾という「育苗箱」から出た早苗は日当たりがよくない(国会議員になるには女性かつ世襲でないことが不利)ことから、穂先を伸ばそうとして無理をしたか(松下幸之助翁の教えに背きなりふり構わず上を目指したか。肩書詐称は疑惑の段階を超えている。新進党時代に恨みを買った公明党を初め要所要所で他者を踏み台している)。そして稲刈りの段階(総裁選に立候補できるまで)になると、他の稲穂のジャマをすることをしようとしたのか(秘書による中傷動画依頼の疑惑浮上)。
我が母校神戸大学から二人の首相を輩出した。それは喜ばしいことだが、宇野首相は、政権運営は評価されたが、指3本の人格問題で失脚した。高市首相も人格問題で失墜してしまうことになるのか(能力も烙印を押されそうだが)。
政界以外では卒業生が活躍し人格的にも評価されている人も多いのだが。ちなみに、京大におけるiPS細胞研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授も我ら母校の卒業生。今年1月には当初国策会社として設立されたJ-POWER(電源開発)の社長に経済学部卒の加藤英彰氏が59歳の若さで就任している。
(次回251号は9/10アップ予定)