2025.8  NO.230 ょうしき VS  ょうしき
 トレンディ俳優として一世風靡した石田純一さんは、かつて「不倫は文化」と言ったとメディアに意図的に書かれ、世間から叩かれた。その後復活するも新型コロナ禍での非常識な行動等が批判され、妻の東尾理子さんから「私が食べさせるから家にいて」と言われたという。世間から頭は悪くないのに常識がないと思われてしまう。
 「常識」とは、一般の社会人が共通にもつ、また持つべき普通の知識・意見や判断力。 
 当たり前の言動を指すので、「常識がある」との言われ方は余りなく、「常識がない」と否定的に使われることが多い。
 「良識」は、物事の健全な考え方。健全な判断力。「良識を疑う」と使われることもあるが、一般的に「常識」と違い、肯定的に評するときに使われる。

 メジャーリーグの大谷翔平選手の選手としての言動はまさに「良識がある」にふさわしい。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の諺は大谷選手のためにある。

 そんな大谷選手でも、通訳の水原一平氏から大金を詐取されたときは「任せることは任せきりにすることとは違う」と常識に欠けると思われたのでは。
 さらに、「常識」は時代とともに変わることがあるが、「良識」はいつの時代も不変ではないか。

 石田氏自体がそうは言っていないのに一部スポーツ氏が「不倫は文化」と見出しに挙げたのはバブルが終焉した後の1996年10月。今から29年前。その頃から肉食系女子が現れる。恋愛ハンターと呼ばれ、積極的に男性にアプローチし、狙った男性を簡単に落とし恋愛関係へ発展させる。
 ただ、肉食系=不倫ではない。が、今や本当に「不倫は文化になったのか」と思わせる。若い独身女性が、妻子ある男性と肉体関係を平気?で結ぶのか。
 清純派と目され私も好感を抱いていた人気女優の永野芽郁さんに、妻子ある人気男優田中圭氏との不倫疑惑が浮上した。報じられた渦中の二人は共に熱愛関係を否定している。
     極めて黒いグレーながら、手をつないだ、生々しいLINE があるぐらいで不貞(肉体関係)の確たる証拠は出ていない。違約金を回避したいとの思惑もあるのか。
 そんな態度に反発し非難を強める世論に押されてか、CMもスポンサー側から自主的に放送中止とされるほか、ラジオ番組も終了し、NHKの大河ドラマも永野さん側から自主降板を余儀なくされ、永野さんは社会的制裁を受けている。
 不倫でも、「浮気」ではなく「本気」であり結婚を考えているなら批判は和らぐのかも知れない。韓国では、ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を韓国で最初に受賞した著名女優キム・ミニさんと映画監督ホン・サンス氏との場合、2015年不倫を認め、翌年には監督は妻との離婚訴訟を提起しているが「有責配偶者による離婚請求を原則的に認めない」と棄却されたとする。監督の妻が離婚に応じない中キムさんは監督の子を宿し、出産している。
 しかし、永野さんは田中氏とは別に同時期にドラマ共演の若手韓国俳優キム・ムジュン氏との二股?かと報道されてしまっている(ドラマを降板させられた同然?の金氏は永野さんの言動は矛盾していると言いたげに意味深な投稿をしている)。
 永野さん所属の大手事務所はマネージャーをはじめ何をしていたのか。田中氏の酒癖が悪いことは芸能界では有名ではなかったか。私生活は放任していたのか、注意しても聞く耳を永野さんは持たなかったということなのか。
  WEB上の『お名前辞典』によれば、「芽郁」とは、芽が育ち繁栄するように、良い環境で育まれて成長してほしいという願いが込められた名前とする。名前とは裏腹に「仕事」よりも「恋愛」を選ぶ、支えてくれる関係者を慮らないそんな肉食系女子なのか、永野さんは。そうは思いたくないが。
 ただ、永野さんの演技力に対する評価は下がらずむしろ高くなっているかも。この醜聞を永野さんが乗り越えれば、医師の「仁術と下半身は別」と同じく、女優の「演技力と下半身は別」が常識になるきっかけになるのかも知れない。

 女子プロゴルフ界も不倫問題で世間を騒がせた。「トリプルボギー不倫」とは言い得て妙。女子プロの妻をもつ栗永遼キャディーが現役の若手人気女子プロ3名と同時並行的に不倫していたと報じられた。女子プロのシード選手は、3日間競技では月曜日が休みにすることも出来るが、4日間競技では、休みの月曜日に出発し、火曜日に練習ラウンド、水曜日はプロアマ、木曜日から本戦。そんな生活が毎週のように続く。疲労困憊にもなり、知り合う機会が少ないとなれば、信頼するキャディーと結婚することも少なくない。表面化しにくいが同性愛はあるやもとは思っていたが、今回のケースは私には予想外であった。
  栗永キャディーが9年間の出入り禁止になったと知ったとき、実質永久追放になるのは自業自得と感じた。既婚者ながらそんなに女性を漁るならば、妻を併せ4人の女性を相手にできる精力と体力を活かしてAV男優にでもなれば(男優は少ない上、女優と違い顔自体は二の次。イケメンの栗永氏ならセクシー女優も女性視聴者も歓迎だろう)と心の中で毒づいたものだ。
 ところが、週刊文春によると、JLPGA(以下「協会」)の女性理事が、不倫を訴えたプロゴルファーでもあるキャディーの妻に対し「あなたの夫と付き合った女の子は初優勝する」「おばちゃんたちの目から見ると、彼はそういう変な力を持ってるんだよね」「不倫っていう感覚じゃなくて、スポーツだと思ってるんじゃないの?」などと発言したという。
 その報道が真実ならば、協会は事態を把握していたが、見て見ぬふりをしていたのではないか。昨年12月にも人気美人プロの不倫が発覚し、その後不倫相手(男性プロキャディ)の妻(女子プロ)から慰謝料を請求された裁判で東京地裁から300万円の支払いを命じられてたという。それで公にしたくなかった背景もあるのではないか。
 栗永氏の妻は、協会に相談したのに善処してくれるのではなく、まるで「ご主人はボランティアで女子選手達の成長に貢献している。あなたも女子プロの端くれなら理解し辛抱してあげれば」と言われんばかりに感じたのでは。
 夫を“慰安夫”扱いするのかと協会の対応に失望し憤る妻の取るべき行動はただ一つ。縁切寺ならぬ“復讐寺”の週刊文春に駆け込むことではなかったか。

 協会はフジテレビを反面教師とすることを怠った。女子プロに憧れる全国の少女ゴルファーの夢を穢し、その親御さんの協会への不信感を招いてしまったのではないか。
 あわてて、協会は不倫した3名の女子プロに形だけの?「厳重注意」処分を下した。一方、栗永キャディーには9年間の出入り禁止とした。これに対し、労働問題に詳しい笠置裕亮弁護士は「このキャディーの男性が不倫関係を持ち掛けたことが、セクハラに該当すると言えるのであれば、もはや私生活上の非行であるとは言えず、規律違反行為であることになり、追放となるような重い処分を科すことも認められるでしょう。 しかし、複数の選手が対象となっているとはいえ、私生活上の非行にとどまっている本件においては、重すぎる処分であるように思います。」と言っている(蛇足だが、栗永キャディーは性暴力の加害者ではないからヒムパシーには当たらない)。 
 不倫した3名の女子プロは先輩の女子プロでもある、いわゆるサレ妻に悪いという思いはなかったのか。結婚するために奪いとるとの意志はなく、単なる性欲の吐け口としか考えていなかったということなのか。
 このようなコンプライアンス意識の希薄さ以外にも日本女子ゴルフツアーのガラバコス化(米LPGAのマイナーツアー化)、スポンサーの主催権返上問題などがあり、日本女子プロゴルフ界の健全な発展に向けて、協会組織を、協会や経営のプロによる「協会運営」と女子プロOBによる「トーナメント運営」に分離すべきだと私はそう思う。

  2020年1月週刊文春から人気俳優東出昌大氏の不倫が報じられた。一報に接した世の殿方の中には、妻が女優杏さんで、3年関係が続いた愛人が若手女優唐田えりかさんと知れば、男の冥利に尽きると羨ましいと思った人も多かったのではないか。それが許されるのであれば。しかし、「二兎追う者は一兎をも得ず」に終わった。一般人の間でも職場内不倫では、二人の女性だけではなく仕事も失うことも珍しくない。
 今東出氏は別の元女優と再婚し、唐田さんは数年の雌伏を経て自らの力で女優として復活しているが。 
 私はかつて若い女性に心が傾きかけ観察力が鋭い妻が私の異変に気づいた時予想外に悲しみに伏した姿を見て驚き身を正したことがある。

 結局、「本気」しかできない私は、「浮気」には縁がなかった。が、夢想することはあった。私が50代の頃2003年に3名の若手女優が脚光を浴びだした。その内一番年上が1986年生まれの沢尻エリカさん、次が1987年生まれの長澤まさみさん、一番年下が1988年生まれの堀北真希さん。
 沢尻さんは2003年TBSドラマ『ホットマン』でドラマ初出演。2005年映画『パッチギ!』でブレイク。

 長澤さんは2003年『ロボコン』に初主演し日本アカデミー賞新人俳優賞等を受賞している。

 堀北さんも2003年デビュー。2005年ドラマ『野ブタ。をプロデュース』、映画『ALWAYS 三丁目の夕日 』で人気を博す(2017年2月28日をもって28歳の若さで芸能界を引退)。
 当時私は、自身が30代と仮定し、上記女優たちに対して、妄想と呼ぶべきか大変失礼ながら次の空想をしていた。「妻にするなら堀北さん、愛人なら沢尻さん、(当時明石家さんまさんが気に入っていた)長澤さんは妻でないなら妹か」と。
 一番年下の堀北さんが人妻として早く家庭に入った。堀北さんに恋意を寄せる人気俳優山本耕史氏は何度も付き合わないかと誘うもその都度「無理です」とすげなく断られていた。諦めきれない山本氏は、意を決しそれなら結婚と言うと、堀北さんの目の色が変わり結婚を前提ならと交際が始まったという。
 私は1981年5月31歳になる直前地元神戸にて結婚するが、1970年代の後半は東京・神田にあった銀行の独身寮に居た。ある日寮生の後輩たちと寮で飲み会をした時、女子行員の話になった。ある後輩が一人の女子行員と関係を持ったと発言すると次々と俺もと声が上がり、私以外全員がその女子行員と関係をもっていたことが判明した。私はその女子行員の新入時の指導員であり、驚愕するとともに、表現が不穏当だが思わずpublic toilet かと思ってしまった(女より男の方が口が軽い。自慢したがる。職場内恋愛にはリスクがつきまとう)。
 1980年前後の当時、東京が進んでいるのか既に上記のような今どきの女性が存在していたが、まだ、「結ばれるのは結婚すると決めてから、結ばれてしまったらその人と結婚する」が主流だったと思う(結ばれたら男の独占欲は満たされた。今は「そんなことぐらいで自分のモノになったと思わないで」と言い返されよう)。virgin に意味があった(今は死語になったか)。それが当時の常識だったと思う。
 当時から40年経った2017年に堀北さんが結婚するのだが、堀北さんが上記の常識を引き継いでいることを嬉しく思った。そんな堀北さんを娶り、家族の為ならどんな仕事も辞さないと言う山本氏に好感を覚えている。

 性行為が「生殖」の為だけではなく「快楽」を得る為でもあるのは、ホモサピエンスだけか。地球上の動物界に君臨するホモサピエンスの特権と言えようか。
 そんなホモサピエンスでも、争わず「種」を永らく存続させる知恵として古代から「一夫一婦制」を採り続けている。
  封建時代には姦通罪があったが、米国の21州にはまだ姦通罪があるらしい。日本においては戦前まで姦通罪が存在した。夫のある妻と、その姦通の相手方である男性を罰した。
 戦後男女平等なのに、正妻のある男が他の婦女と私通しても姦通罪に問われないのはおかしいと、夫にも同罪が検討されたが、何と姦通罪自体を廃止してしまった(思うに、卵子は胎内にいる間に作られ、細胞分裂しないためそれ以降年々減少していき閉経の頃には零に近づくという。また年々劣化もしていくだろう。限りある卵子と違い精子は死ぬまで精巣で作られ続ける。1,600万人の子孫をもつと言われるチンギスカンほどではないにしろ広く精子をまき散らしたいとのオスの本能をもつ夫の不倫を罪に問えば、そんな下世話な裁判ばかりするために刑事裁判官や検事になったのではないと思ったのではなかろうか)。 
 そして不倫は刑法の対象外となり犯罪ではなくなった。不貞(肉体関係)は民法上の不法行為で、不倫された側から不倫した側に対する損害賠償請求ができるとはいえ。 
 狼が野に放たれたが、雌羊は恐れ慄くのではなく自ら近づいていく者もいる。
 高学歴の女史たちが、「不倫なんて・・・」とそのような発言をしているが、政治家の不倫が問題にならないフランス(15歳で24歳年上の教師に恋しその初恋を貫き通し結ばれたマクロン大統領なら不倫はしないだろうが。奥方も怖そうだし)が正しいとは思わない。
 恋愛は自由だとしても、日本女性の美徳である「奥ゆかしさ」は残してほしいと思う(大谷夫人の真美子さんは美人だけではなく奥ゆかしさも持ち合わせているから大谷翔平選手の目に留まったのであろう)。

 「他人を不幸にして(踏み台にして)は、幸せにはなれない」(他人妻から夫を奪っても他の女から奪われてしまうことも珍しくない)と思うのが、時代に関係なく良識だと思う。
 うん? アンタは時代遅れだ、勝手な価値観を押し付けるなと言いうのか。そうか。それなら、故マッカーサーは「老兵は死なず消え去るのみ」と語ったが、私は「小老害は死して消え去るのみ」と言うべきか。

(次回231号は8/1アップ予定)