2025.1   NO.219  うれい VS  うれい
 この晩秋に行われた内外での大きなイベントについて感想を述べたい(兵庫県知事選等は次号にて)。
 まず、MLBにおいて、MVPが発表されナ・リーグのMVPに大谷翔平選手が選ばれた。DHで史上初、異なるリーグで2年連続も史上初。さらに3度目も満票での受賞。MVPの最多受賞はバリー・ボンズ選手の7度であるが、ボンズ氏でさえ複数回の満票受賞はなく、 この上なく嬉しい。「嬉」は女が喜ぶと書くが、男も女もファンは皆嬉しさひとしおであろう。
 さらに大谷選手は子供の時からの念願であった世界一によりワールドチャンピオンリングを手にする。PSが始まる前決戦のワールドシリーズ(WS)への進出に向けてナ・リーグ東部地区1位のフィリーズが最大の壁と私は思っていた。

 レギュラーシーズンにおいて、フィリーズ相手とは6試合戦い1勝5敗(大谷選手自身は6試合で22打数5安打、1ホームラン)であり、苦戦すると思っていた。ところが、番狂わせ?の下剋上でメッツがフィリーズを倒したことにより、ドジャースのWS進出がすごく展けたと感じていた。
 ヤンキースを破り世界一を指揮したロバーツ監督はこれで2026年度以降も続投するだろう。監督は、2025年まで契約があるが、今季途中継投ミス等で解任が取り沙汰されていた。そうなれば、大谷選手は2年以上のマドン監督以外の4人の監督とは全て1年で監督と別れることになる哀しい結果もなしとしなかったが。
 仲良しや慕ってくれる選手も大谷選手から離れて行きがちである。エンゼルスに入団した2018年仲良しになったマルドナード捕手が7月にアストロズに移籍したのを皮切りに、2021年にエンゼルスに移籍し大谷選手がホームランを打つと真っ先に出迎えたイギーことホゼ・イグレシアス選手(現メッツの選手兼歌手)が9月には自由契約に。2021年メジャーに上がり、大谷選手を慕っていた、長い髪・髭のマーシュ選手が1年後フィリーズへ。2023年末大谷選手の残留を切望していたトラウト選手に加え、大谷選手に教えを請うネト選手やモニアック選手などからも引き裂かれた(ドジャースに移籍した大谷選手からというより予想外に残留を望まなかったオーナーサイドにより) 。
 そして今、本人が残留を切望し、大谷ファンもそれを熱望するが、再契約が微妙なT・ヘルナンデス選手がいる。イギーのように真っ先に出迎えホームランを打った大谷選手にヒマワリの種シャワーを浴びせる光景が見られなくなるのは寂しい。残留が叶うよう祈りたい。
  

 WSで、大谷選手は左肩を負傷した。軽い亜脱臼ではなく、脱臼で関節唇を損傷し手術を受けた。左肩のリハビリもあり来季開幕の二刀流は流動的になったと報じられた。
 不幸中の幸いになるかと言えば叱られるか。これで二刀流としての寿命を縮めかねない、防御率、勝利数だけでなく規定投球回162回のクリアも必要なサイ・ヤング賞との声は小さくなるだろう。リハビリ明けの来季は投球制限もあり、大谷選手もサイ・ヤング賞獲りに本気にはならないだろう。

 サイ・ヤング賞は、大谷選手には考えにくいが、打撃が極度の不振に陥ったシーズンに狙えばよいのではないか。
 二刀流は完全二刀流(規定投球回及び規定打席数をクリア)の「2022年度15勝、34本塁打」が不滅の偉業。盗塁は「50(54本塁打)-50(59盗塁)」が金字塔。それで十二分だ。
 来季WS二連覇に向けて、打者としては開幕に間に合うだろうから、投手はそこそこにて打撃三冠王を狙ってほしいと思う(2012年三冠王になり昨季引退したミゲル・カブレラ選手が私の後に続くのは大谷選手と言ってくれてもいる)。
 
 政界の話に変えると、衆院総選挙では、自民党が惨敗した。公示前は自民256人、公明32人の計288人だったが、選挙後には自民191人、公明24人で計215人となり、自民党だけではなく自公で過半数233人に達しなかった。 
 石破首相にとっての狙いは、基本負け戦だが、裏金の安倍派議員が国会から排除され旧安倍派が縮小し(選挙後96人→59人内衆院22人)、自公政権で過半数が維持できればよしということではなかったか。
 自公政権が少数与党政権に転落した最大の要因は、皆が思うように非公認候補者にも実質的に2,000万円を支給すると決定したこと。そう決めたのは森山幹事長であり、それを止めることが石破首相には出来なかった。
 出来なかったばかりか、総裁選で封印したハズのプライドの高さが禍いして批判するメディアに激怒した。それは首相にとって唯一の味方とも言える国民をも怒らせた。それで余計に20人ほど減らしたと見られている。


  IQとSQ(社会的知能指数:対人能力や社交性の高さを表わす) にて、石破首相と森山幹事長の関係を見ると、石破首相は、IQは高いがSQが低い。国会対策委員長を歴任した森山幹事長はIQは高くなさそうだが、SQは高い。互いに補完しあい良いコンビだと思われたのだが。
 重要な決定は、国民より自民党しか見ていない森山幹事長に一存するのではなく、IQもSQも高い林芳正官房長官や岩屋毅外相を入れた4者で決定すべきだろう。

 石破首相は予想外に発言がブレた。元銀行員の私からすれは何とも歯がゆい。ようやく信念が発揮できる時が来たのに、守るのは政治家としての信念ではなく首相の座なのか。

 「自民党をぶっ壊す!」と言った小泉首相のようにとは言うつもりはないが、奥方も驚くほどダメもとで首相になったのだから、皆に嫌われてるのだから、自民党議員の多くを敵に回してでも信念を貫けばと思うのだが。それができないのが銀行出身の性というものか。トランプ大統領と馬が合うとは思えない。
 ちなみに、IQもSQも高い首相と言えば故田中角栄(以下「角栄」)。貧しい環境から身を起こし事業に成功し、今度は同じような環境の人々を救うべく政治家になる。これが官僚出身でない党人派政治家の原点だと思う。米国の民主党はその原点を忘れ、芸能人、富裕層の為の政党になってしまっている。それが後述する米大統領選大敗の最大の要因。
 ただ、角栄は品性が問われた。金権体質が批判された。危険視する米国と一緒になって日本のエスタブリッシュメントが角栄を排除したのだと思う。
 品性があったのは、故安倍晋三(以下「安倍」)。IQは高いとも言えないが揶揄されるほど低くもないがSQは高い。国民に人気があったし、個性的なトランプ氏からも信頼を得た。

 学歴コンプレックスがあると見られたが、フェミニストなのか、世評が芳しいと言えない東大卒の丸川珠代前議員、岩田明子元NHK政治記者にも目をかけた。権力者になっても女性問題は浮上しなかった。
 ただ、安倍と接点がない一庶民の私の皮相的な見方かもしれないが、政界入りは考えず神戸製鋼で職業人生を終えるハズだった。地元の後援会の強い要請により転身した安倍には政治家としての高遠な「志」と豊かな「教養」はなかったのでは。意に反して政治家となり、祖父や父親の様に政治家として支持を集めるにはどうすればよいか悩んだのでは。

 そして「経済」よりも取っ付きやすい「国防」「安全保障」にて強気の発言をすればタカ派が支持してくれると悟った。拉致問題で強硬な発言をすれば国民から喝采を受ける。

 それで首相になった。しかし、「拉致問題の解決」に向けての確固たる信念があるわけでもなく、核問題で世界が批判すると歩調を合わせるだけでよいのに先頭に立って国連で北朝鮮を猛批判する。首相になってから拉致問題はまったく進むなかった。北朝鮮は安倍の得点になるようなことは一切応じなかった。
 「経済」は友達案件以外は丸投げか。7/1アップの2024年8月号NO.218号(「トリプルダウンVSトリクルダウン」)で述べたように、アベノミクスは三本の矢の第一矢が超金融緩和。特殊銀行といえども銀行であり、ディフェンス側であるべきなのにオフェンス側に立ち、黒田日銀はいつ破綻してもおかしくない状態に追い込まれた。
 バブルでオフェンス側に立った民間銀行の多くが破綻し、中でも旧北海道拓殖銀行の頭取は「特別背任」で逮捕・有罪・収監された。一方、私が数段問題が大きいと思う黒田日銀総裁は、特殊銀行である日銀が会社法の適用を受けず、反対に叙勲しただけ。破綻が表面化していないとはいえ。
 安倍によく似ているのが、小泉進次郎議員(以下「進次郎議員」)。IQは安倍より低く、SQは安倍より高いかもしれない。なにしろ年上の東大卒の官僚派議員らが神輿に担ごうとしているぐらい(それはもう止めた方がいい。担ぐその議員自身が疑問視される)。
   『自民党の大罪』(祥伝社新書)において、著者で辛口の適菜収氏が進次郎議員を評しているが、本文は紹介しづらい。

 タイトルは「下半身から先に生まれた男」、サブタイトルは「天性のバカ」「賞味期限の切れた客寄せパンダ」。それでご賢察を。
 たしかに、「進次郎構文」が世に広まる中、選対委員長として地方の議員応援に行っても、民衆は、進次郎議員見たさに集まるが、進次郎議員が応援したといってもその自民党議員候補に投票するわけではないだろう。

 苦戦の選挙戦で移動中に地元の名産品を味見しているのを投稿する。好感するのは地元生産者と『さとふる』ぐらいか。彼に庶民派をアピールする必要性はない。 
 国のトップは、IQに基づく知性と教養が大前提。必ずしも自身で立案する必要はないが、問題点はなにか、海外への影響はどうか、判断出来る能力がなければならない。
 中国のトップも、懸念されていた通り、メッキが剥げてきた。IQは高くないが、SQはもっと低い私が言うのも何だが、進次郎議員は無理を押してまでもう首相を目指さなくていいのでは。先発のアドバンテージも無くなった。後述のごとく小林鷹之議員ら若手が台頭してきている。安倍首相の二番煎じを狙うのではなく、一隅を照らすだけでも立派な政治家に違いはない。
 SQは低いがIQが極めて高そうな茂木敏充前幹事長は、次の首相に推挙する声がもっと高まってもよい。茂木氏をタフネゴシエィターと評したトランプ氏が大統領に返り咲いたのであれば。IQ、SQともに高く、品性もある林芳正官房長官が首相になるなら茂木氏が外相に。

 野党筆頭の立憲民主党に言及すれば、裏金問題における政治改革は、国民にとって常識的なことを国民にアピールするのではなく、国会議員の間で粛々とやればいいだけ。生活に困った国民の助けにはならない。
 比例で自民党が票を減らしても(533万票減)、立憲民主党の票が増えるわけではない(7万票増)のは、そういうことだ。
 国民に対して「103万円の壁」撤廃発言のアピール効果は大きい(地方財政への影響もあり、さらに厚労省が社会保険料における「106万円の壁」撤廃を打ち出しており、どうなるか流動的)。賃金が上がらず物価だけが上がる状況に対して対策を訴える国民民主党が躍進するのは当り前と言える。
 立憲民主党は、野党第一党とはいえ、野田佳彦代表では国民はまだ旧民主党時代の財源の裏付けもない大風呂敷なマニフェストの不発で支持率を下げ、最後マニフェストになかった消費税増税に踏切り国民からの信託を失ったことを忘れてはいない。
 政権交代を口にする前に、国民に与党になる資格があると認めてくれることが先決。今回予算委員長のポストを得たので、国民に認められるチャンスを得たとも言える。
 国民民主党との連立政権を模索しても、立憲民主党の誕生時合流しなかった、玉木雄一郎国民民主党代表はその気はないのでは。また、「年収の壁」を、今の103万円から178万円に引き上げると国民民主党は言うが、税収減が7~8兆円になると見られ、消費税増税での埋め合わせも考えざるを得ないが、それどころか消費税10%→5%(税収減10~11兆円)を国民民主党は掲げており、上述の国民の信頼を失った旧民主党と被る。財源は与党でという言い方も信頼感に欠ける。
 さらに、玉木代表は、私の座右の銘「好事魔多し」にて総選挙躍進直後に不倫が発覚。勝って兜の緒ではなく自らの首を締める。自業自得だが、まさに出る杭は打たれる。
 「浮気」はフランス政界では問題にならない。日本ではかつて女医・TVタレントが「浮気していない男性医師はいない」と極論したように医師の仁術と下半身とは別との風説があるとも言える。が、公職の国会議員はそうはいかない。世の女性、とくに主婦層を敵に回した。国民より自身が一番大事のナルシスト?では首相の座は遠のいたのでは(火消に奔走した、タマキング側近の榛葉幹事長はライオンキングのシンバのように党代表という王になるのだろうか)。 
 立憲民主党が目指すべきは、自民党から公明党から引き離すことでは。国民から公明党も裏金と関係がないのに自民党と同類と見られている。
 民主党政権が樹立され自民党が下野したとき、何が何でも与党にしがみつくとみられた公明党も一緒に下野した。民主党政権は長く持たないとの読みであり、また連立を組むメリットである選挙協力において地方基盤が弱い民主党では期待できないと公明党は判断したのであろう。
 素人目には、立憲民主党と(本来の)公明党は「護憲」「反世襲」「中小企業、低所得者に優しい政治」と共通点が多いのでは。実際に連立できるかは別として、公明党に与党として組む選択肢の一つと認めてもらうことが先決。そうなれば、自民党が英国保守党なら、立憲民主党は14年ぶりに政権与党に返り咲いた同労働党と国民に認知してもらえるのではないか。
 国民が現段階において立憲民主党に求めているのは、政権与党になることではなく、自民党に勝手なことをさせない拮抗勢力になってもらうことでは。今野党の数を頼って与党になっても旧民主党の二の舞になるだけと案じているのでは。
 落ち目の自民党といえども、“選挙の神様”と言われる元自民党事務局長が文藝春秋12月号にて、世襲議員でない3名の官僚派議員、小林鷹之氏(49歳、財務省出身)、鈴木英敬氏(50歳、経産省出身)、尾崎正直氏(57歳、財務省出身)を挙げ、世襲議員ながら塩崎彰久氏(祖父から3代東大卒の世襲議員)を挙げ、伸び盛りな若手が数多くいると言っている。
 一方、立憲民主党はどうなのか。野田元首相、枝野幸男現党最高顧問、安住淳衆院予算委員長、長妻昭元厚労大臣などの顔ぶれでは旧民主党のイメージしかない。私の不勉強で知らないだけなのか、若手を発掘し、育成しているのか。

 米大統領選では、トランプ前大統領の圧勝で終わった。

 10/1アップの2024年11月号NO.216(「オバタリアンVSリバタリアン」) にて、私は「今回はハリス副大統領が勝つと思えないが、トランプ前大統領が勝利すると言えるほど自信もない。ただ、今回はトランプ前大統領の方が米国にとって良いと思っている。」と書いている。その時点では木村太郎氏もトランプ前大統領が勝つとは言っていない。
 ところが、10月中旬頃になると、「ハリス氏には若さがある」とネット上に上がった。何を今更、それしかないのかと感じた。女優アン・ハサウェイ氏や俳優ハリソン・フォード氏ら芸能人セレブたちがハリス氏支持を表明し出した。大統領選を左右する激戦7州にプラスには働かないのに、焦っているのかと思い始めた。
 そして11月に入り、在米ジャーナリストの岩田太郎氏は、11/1付け『ハリス「敗北」をすでに確信か…「トランプ優勢」を映しだす“ハリス支持のビヨンセ”が応援演説に行った「意外すぎる場所」』にて、歌手ビヨンセ氏が参加したハリス候補の支持者集会は激戦州ではなく、トランプ氏当選が確実なテキサス州で行われた。民主党は大統領選での敗北を覚悟し、後述トリプルレッドを阻止すべく、上院議員候補の応援に行ったという。 
 11/3にはTV『Mr.サンデー』にて、2016年の大統領戦で劣勢予想にあったトランプ氏の当選を言い当てた木村太郎氏が90%の自信ながら「トランプとの圧勝!」と言い出した。
 そして、数時間後に迫った11/5の20時からBSフジ『プライムニュース』があり、ゲストには、トランプ氏の勝利を予想する木村太郎氏(ジャーナリスト)、バリバリの民主党支持のデーブ・スペクター氏(放送プロデューサー)、中立的な立場として中林美恵子氏(早稲田大学教授)。同日BS-TBS『報道1930』のゲスト陣よりバランスがよいかと視聴した。
 印象としては、デーブ・スペクター氏(以下「デーブ」)に元気がなかった。バンス副大統領候補に対してはくそみそに言っていたが、トランプ前大統領のことはパトリック・ハーラン氏(以下「 パックン」)のような強い口調で批判はしなかった。憂いを帯びたデーブはトランプ氏がもう大統領になると落胆していたのでは。
 そのパックンは、東スポによれば、11/6『報道1930』にて、トランプ前大統領の勝利確実になると、落胆した表情を見せ「死ぬまで続くショック」「真っ黒な人が過半数の人に」などと発言。これがトランプ支持者らの反感を買い、炎上したという。
 私も視聴していたが、民主党支持者ならばこそ民主党の敗因、問題点等を話すべきと思うが、相変わらず「パヨクコメンテーター」みたいなトランプ否定発言しかしない。今回の炎上を契機に変わらなければ、コメンテーターとしてはどうなのか。
 ABC、CBS、NBCという3大テレビ局や、CNNなどのリベラル寄りの米国メディアの予想など私は信じていない。FOXニュースの予想も信じないが、日本のメディアは、民主党寄り、共和党寄り双方の意見を紹介すべきだ。
 11/6の朝テレビをつけると大統領選は稀に見る接戦と言っていた。大統領選の雌雄を決すると言われるペンシルべニア州の開票が10数%の段階でハリス氏がリードしていた。なのに現地でTVでよく見かけた日本人アナがハリス陣営はお通夜みたいで誰も笑顔をみせないとか言っていた。何が接戦か、ハリス陣営自体が既に負けを覚悟しているではないか。
 民主党に捨てられたと思う労働者、黒人女性大統領を快く思わない白人女性、黒人女性を見下げる黒人男性、後から来る移民をストップさせたいヒスパニック系男性、ガザを攻撃するイスラエルへの支援から民主党離れのアラブ系住民やZ世代の若者、長年に亘る民主党支持の表明を中止した全米トラック運転手組合・国際消防士協会(労組)、イーロン・マスク氏など超資産家の離反(マスク氏らに対する民主党の規制強化は悪くないが)など民主党は四面楚歌。ハリス氏個人に起因する問題は少ない。

 元下院議長であったペロシ民主党上院議員は、もっと早くバイデン大統領が降り他の候補者であればと言っていたが、問題はそこではない。
 「高邁な理想に燃える我々は正しい」と独りよがりになり、負けると、バイデンが、ハリスが、トランプを支持する選挙民がと責任転嫁するだけ。民主党議員もパックンやデーブなどの支持者も謙虚に内省することをしない。 米女優シャロン・ストーンさんも。
 左派過ぎてか民主党大統領候補になれなかったバーニー・サンダース上院議員が、大統領選で敗れた民主党について「労働者階級の人々を見捨てた」と発言したのが正解。それが敗北の主因。
 数千年前の伝説の時代から政治の原点は、「経済」の語源でもある「経世済民」。大多数を占める低所得者層に目を向けること。低所得者も、能力や努力の差により所得格差が生じることは受け入れる。が、日々の生活にもがき人間の尊厳を見失う事態に追い込まれると暴発する。
 それは、民主主義の米国であろうと、習近平・権威主義の中国(都市部の「社会報復」による無差別殺戮事件が農村部に飛び火し農民が蜂起すれば共産党一党体制が崩壊に向かう)であろうと同じ。日本において、安倍元首相が暗殺され、岸田前首相に爆発物が投げられるも、暴動が起きる兆候がないのは、ひとえに、貧富格差がそこまで酷くないからであろう。
 トランプ氏が4年後引退(3選以降がありえないハズなのは上述NO.216で記載済み)しても、変わり身が早いだけと揶揄されるバンス副大統領が主導する低所得者に対する施策が国民から評価されれば、民主党に明日はない。

 民主党は創立時の原点に回帰すべきだ。
 
 トランプ氏が勝利しても私には何のメリットもない。他国の事ながら恐れていた狂信的なトランプ支持者による暴動が回避されるのは喜ばしい(トランプ氏の命が狙われたときの不安は残るが)。
 戦争する必要のなかったウクライナ戦争において、レームダック化したハズのバイデン大統領が、トランプ氏に後ろ足で砂をかけるがごとく、米国製の長距離ミサイルをウクライナがロシアへの攻撃で使用することを許可した。戦況には大きな変化はなく、首都キーウ等の住民が報復により被害を被るだけなのに。
 大統領就任直後の24時間では無理だが、遅くとも2年後の中間選挙までにはトランプ新大統領は停戦させるだろう(ウクライナ住民に春が訪れる。また冬が廻るとしても)。

 ネタニヤフ首相にも就任前に早く戦争を終わらせろと言っている(今度のヒズボラとの停戦はその一環なのか。双方守る気があるか疑わしいが)。
  トランプ氏はノーベル平和賞受賞を引退の花道にと考えているのでは。それを一切口に出さないことが本気の表れだと思っている。
 立法府の上院も下院も共和党が制した。行政府ホワイトハウスを含めトリプルレッドが実現した。さらに司法も終身の最高裁判事が6人/9人で保守派が大勢を占めている。
 三権分立をすべて支配したトランプ大統領は権力者を超えて独裁者になる。短くとも2年後の中間選挙までは。

 独裁者と天才リバタリアン(イーロン・マスク氏)の二人三脚が、国民の分断に拍車をかけるのか否か、新年からはこの二人に批判の目線を向けたいと思う。
(次回220号は12/20アップ予定)