2024.11臨時号 NO.217 デコン VS デコ

   MLBのポストシーズン(PS)は、佳境を迎え大谷翔平選手が所属するドジャースがナ・リーグチャンピオンの座を賭けてメッツと戦っている。今の勝勢のまま勝ち切り、大谷選手には念願のワールドシリーズ進出を果たしてもらいたい。

 ワールドチャンピオン争いがドジャースとジャッジ選手擁するヤンキースとになれば、名門人気チーム同士の世紀の大決戦として最大級の盛り上がりが見られるだろう。

 さて、レギュラーシーズンでは、二刀流の大谷選手が打者だけに専念しても超一流であることが、立証された。
  大谷選手は大きなケガもなく欠場も3試合だけ。主な自己新を見ても、出場数159、打席731、打数636、安打197、本塁打54、打点130、得点134、盗塁59と圧倒的な成績。
  King of Ski  と呼ばれるノルディック複合(クロスカントリースキーとスキージャンプ)の王者が「ジャンプ」単独競技に出場して優勝するようなもの。大谷選手をKing of Baseballと呼んでよいだろう(打撃が超一流なら打者に専念してもよいものだが、大谷選手は来年二刀流を目指す。肩や肘が壊れるまで続けるのか。誰もマネ出来ない。唯一無二の存在)。
 MVPの記者投票はレギュラー・シーズン終了直後に済んでいる。発表が遅いだけ。来月下旬に発表されるMVPに大谷選手が選ばれ、兄貴分のトラウト選手と同じ3度目の受賞は確実と見られている(両リーグでのMVP受賞は1961年レッズ、1966年オリオールズにおける故フランク・ロビンソンに次いで史上2人目となる)。
 関心は3度目も満票受賞となるか。DHがMVPを受賞することに反対論があるも実際に違う票を投じた勇敢?な記者がいたかどうか。
 今季大谷選手は1876年発足以来約150年のメジャーの中で不滅とも言える偉業も成し遂げている。
 5人しかいなかった「40一40」を史上最速で達成した上、前人未踏の「50(54本塁打)ー50(59盗塁)」を実現させた。
 また、MLB800試合出場までに、200HR、500打点、100盗塁以上を記録したのは大谷選手だけ。本塁打と盗塁をともに記録した試合が1900年以降で15試合に達したのは大谷選手だけ(これまでの最多記録は通算1406盗塁のリッキー・ヘンダーソンが1986年に記録した「13」)。さらに23年ぶりに400(411)塁打を超した。
 そして、オールスター・ゲームでも、ホームランを打ち、故ベーブルースもなしえていない、「勝利投手」と「ホームラン打者」(第1号はルース)との両方の勲章を持つ唯一の選手となった。

 今季からドジャーブルーのユニホームで戦った大谷選手の2024年の激動の1年を振り返ってみる。 
 1年前本ブログ2024年1月号NO.201(「ネトVSソト」) にて、大谷選手のFAについて、本命「エンゼルスに残留」、対抗「ドジャーズへ移籍」と予想した。
 見事に外れた訳ではあるが、まさかエンゼルス・オーナーのモレノ氏が大谷選手を手放すとは思わなかった。私はモレノオーナーが球団を売却するのを止めたのは、買い手の言い値がオーナーが希望する価格に達せず、売るのを一時的に見合わせたと見ていた。大谷選手以外にも広告スポンサーも失う為是非にも大谷選手を残留させると思っていた。
 そうではなく、オーナーが子息に球団を相続させることに気が変わり、相続税(遺産税;日本と違い米国は税法上故人が支払う形に)を抑える為に球団の資産価値を下げる行動に出たとしか私には思えない。2022年球団の売却を決断したと報じられた時「チームを引き継ぐ明確な意志を示している家族がいないのだ」と発言したとされたのだが。 

 貧しい境遇から立身出世を成し事業家としては成功者であろうが、このオーナーを尊敬する気になれない。
 大谷選手自身は、中小オーナー企業のようなエンゼルスに残留なら、二刀流を極めることにまい進し、大企業のようなドジャースならどんな形であれ一選手としてチームの優勝に貢献すると決めていたのではないか。
 ワールドチャンピオンになるにはドジャースがいいとは思っていただろうが、二刀流が開花するまで待ってくれたエンゼルスに恩を感じていたし、兄貴分のトラウト選手が残留を切望していたことも痛い程分かっていたハズ(大谷選手の移籍が決まった時2カ月ほどトラウト選手は沈黙した)。
 大谷選手を慕うネト選手やモニアック選手など若い選手もおり、エンゼルスが望むなら、最後は大谷選手は残留したのではないかと思う。だが、予想外にエンゼルスのオーナーサイドはつれない態度をとった。大谷選手は後腐れなくドジャーズに移籍することになった。
 ドジャースへの移籍にはそんなに驚くことはなかったが、開幕前の結婚と水原一平氏問題には心底驚かされた。
 才色兼備の真美子夫人にはこれ以上大谷選手にふさわしい人はないと思えた。私がそう思うのは1959年に皇太子殿下(現上皇陛下)と成婚なされた美智子妃殿下(現上皇后陛下)以来のことであった(私はまだ8歳8カ月でしかなかったが)。

 世の大谷ファンの女性はさぞかしがっかりしただろうが、嫉妬もできずただ拍手を送るしかなかったのでは。
 単細胞の私は50年前銀行での180㎝を超える先輩の奥さんがかなり小柄であったことに驚きを覚え、それ以来背の高い男性は却って小柄の女性を好むものなのかと思っていた。

 メジャーの佐々木主浩元投手(190㎝)夫人榎本加奈子さんは157㎝。196㎝のダルビッシュ有投手の前妻でタレントの紗栄子さんも157㎝(現夫人山本聖子さんは165㎝で低いとは言えないが)。バスケットの渡邊雄太選手は206㎝もあり、奥さんの元アナ久慈暁子さんは168㎝で低くはないが身長差は38㎝もある。
 大谷選手はそうでなく、元バスケットプレーヤーの真美子夫人は180㎝もあり大谷選手と13㎝しか違わない。釣り合いがとれ、シャッターにも収まりやすい。
 このアスリート二人の間に出来る子供もさぞかし背が高いことだろう。子供は2m以上に育っても不思議ではない(190㎝のトランプ前大統領と180㎝のメラニア現夫人との間の息子は203㎝)。
 子供は運動神経もよいだろうから、男子なら野球かバスケットに。女子なら180㎝もあれば、バスケットかバレーボールの選手に進むのか。大きなお世話だが。
 水原氏詐取事件は結婚のお祝い気分を吹き飛ばした。そのことについては2024年5月 臨時号NO.208(  「NASA  VS NISA」) で触れたので、同じことを書くのは避ける。
 スポーツ専門局「ESPN」の取材・報道が事件発覚の発端となった訳であるが、それがなければ、捜査当局は大谷選手をシロと分かりながら違法賭博の黒幕に迫る為水原氏を泳がせ続け、大谷選手はもっと水原氏から詐取されていたかも知れない。我々を不愉快にさせただけではなく、よかったことと言えるだろう。大谷選手の精神力の強さを再認識できたとともに芸能人、インフルエンサーなど著名人の性根の善し悪しが分かったことも。
 心配したのは我々だけではなく、愛犬デコピンも主人の精神的異変に気がついたであろう。愛犬の方が「心配させやがって!」と大谷選手の額にデコピンしたいぐらい。
 名前をデコポン(この日本生まれのオレンジをカリフォルニア州では相撲取りのちょんまげ姿に似ているとして「スモウシトラス (Sumo Citrus)」の名で販売) に変えてあげては。
 デコイと元の名を呼ぶ米国ファンもデコポンなら発音しやすいだろう。山本由伸投手の愛犬「みかん」と同じ柑橘類でもあるし。こちらの方がもっと要らぬお世話になるか。
 山本由伸投手がドジャース入りしたのも少し驚いた。ヤンキースかメッツと思っていた。山本投手は普段はひょうきんで野球に対してはストイックで大谷選手とよく似ている。
 二人は気心が知れた間柄であることを私は知らなかった。大谷選手自身は日本人の先輩がいる球団は希望していなかった。先輩に迷惑をかける、先輩が自身に気を遣うことは避けたいと思ったのでは。しかし、後輩なら歓迎する。頼りにしてもらえれば嬉しい。山本選手にしても初めてのMLBで親しい兄貴分がいればこれほど心強いことはない。
 MLB史上最長&最高年俸総額の12年総額3億2,500万ドルで契約した山本投手には、韓国開催の初登板での乱調もあり、体も大きくなく、超豪速球もない山本選手に米国ファンの見る目は懐疑的だったかもしれない。

 しかし、米時間6/7ヤンキース戦に先発し7回2安打準完封を成し遂げた。口の辛いヤンキースファンやメディアに囲まれたヤンキーススタジアムでの緊張する初登板でジャッジ選手やスタントン選手など超強力打線を抑え込んだ。
 ヤンキースの選手・監督だけではなく全米中の野球ファンから投手最高年俸は伊達ではないと認められたと言える。山本選手にとつても大きな自信になったことだろう(ただ、ヤンキース戦で出力を上げた為かIL入りしてしまったが)。
 山本投手は大谷選手からの援護射撃をあまり受けていない。離脱もありホームランは米時間4/12のパドレス戦しか打ってもらってなかった。しかし、米時間9/22の地区優勝に向け大事な試合で3 回4失点で降板。背信の負け投手になるところ9回大谷選手が起死回生の同点ホームランを放ち山本投手を救った(PSの初登板でも初回3失点を直ぐ3ランで帳消しにしてくれた)。それが無くてもはるかに上回る精神的バックアップは受けていようが。
 昨年末ドジャースにトレード移籍し、その後5年契約を結ぶ際、大谷選手から「あなたのために本塁打を打ちたい」とのビデオメッセージを贈られたグラスナウ投手に対しては、大谷選手は有言実行とばかりグラスナウ投手の先発日に計8本のホームランをプレゼントしている。
 一番恩恵を受けたのは、パクストン投手。大谷選手から8試合9本(米時間4/8、同4/23、同5/5・2本、同5/17、同5/29、同6/5、同6/11、同7/21)もホームランを打ってもらっている。しかも13号(同5/17)~16号(同6/11)は連続してパクストン投手の登板日に。
 同7/21の試合では、4年連続となる30号を大谷選手が放ち、パクストン投手も勝利投手となった。なのに、翌日パクストン投手の戦力外が報じられた。35歳、1年契約のパクストン投手は8勝しているほどには内容が良くないと判断されたが、MLBの世界はなんともシビアと思った(パクストン投手は結局引退した)。

 それが裏目に。シーズン最終の大事な時期に先発投手陣が駒不足に。PSで真のエース不在はともかく駒不足でブルペンデーはありえない。

 オフシーズンにて噂のヤンキースのソト選手等を高額で獲得するぐらいなら、先発投手陣の補強を優先すべき。投打両面に大谷選手に大きな負担をかけるのは避けてもらいたい。
 
 今季打者に専念した大谷選手に対して、素人の私は、打つ方だけなら体力的にも楽であり、三冠王も夢ではないと期待してしまう。
 問題は打率。ナ・リーグには昨季3割5分4厘を記録し2年連続首位打者(2022年ア・リーグのツインズにて、2023年ナ・リーグのマーリンズにて。今季5月にパドレスに移ったが同じナ・リーグ)に輝いたアラエス選手がいる。
 大谷選手は、昨季初めて3割(3割4厘)を超えただけ。アラエス選手を超えるには3割3分3厘(3打数の内1安打)前後は必要。それは荷が重いかと思っていた(今季アラエス選手の打率は、3割1分4厘で低く終わったのではあるが)。
 ところが、今季は初戦の韓国戦から3割以上を打ち序盤米時間3/29~4/5の7試合で3割を切る(底は同4/2の2割4分2厘)も、それ以降3割台をキープ。同4/24のナショナル戦(22試合連続出塁)で3割7分1厘と今季最高打率となり、3冠王への期待が膨らんだ。
 それがピークで翌試合より打率が3割3分台まで下がるも同5/7(3試合連続で4本目のホームラン)でもう一度3割7分0厘と第2のピークがくる。それ以降は打率は下降していく。
 後述する6月後半から確変モードに入り、本塁打量産から同6/26には第25号を放ち連続打点10試合(球団記録)とし打率は3割2分2厘まで回復し、また三冠王の期待が膨らんだ。
 しかし、7月になると打率は徐々に低下傾向を辿っていき、米時間7/31には3割9厘まで下がった。
 出塁率と長打率を併せた強打者の指標OPSも、米時間5/6メジャートップの1.139となったが、6月に入ってOPSは1.0を割り、同6/9のヤンキース戦終了後0.947まで落ちた。

 メディアは大谷選手を“ミスタージューン”と呼びホームランの量産すると囃し立てたが、大谷選手のバットは米国は梅雨がないのに湿りがちであった。
 6/9のヤンキース戦にてOPSが1.0を超えた4月初め以降今シーズン最低の0.947に落ちた後休日を挟んで同6/11からシューズを白から青に変えている。
 打席に立つ際のルーティーンも変えている。構える直前にバットを地面に置く。ホームベースと三塁線の延長線上に合わせ、軸足となる左足の立ち位置を確認し、自分の立ち位置を毎打席ズレないように固定している。
 メディアは一転本当は6月の後半からホームランが激増すると言い出した。過去3年のデータによれば、なるほど6月後半からホームランを量産している。そのとおり上述のごとくホームラン量産し出した。
 オールスター明け打率は同7/19戦3割1分6厘から再スタートした。が、低落傾向を辿り、同9/16、17のマーリンズ戦で2割8分7厘まで打率を下げ、1.0を切っていたOPSも同様に下がり続0.978を記録した。今季はこのまま終わってしまうのかと心配したのだが。
 ところが、翌9/18の試合ではまさかのド派手なSHOーTIME。何と6打数6安打、3ホーマー、10打点の大当たり。その後も大谷選手は打ちに打ちまくり、最終的には、三冠王は逃したが、打率3割1分、本塁打54、盗塁59とトリプルスリーを達成した。OPSもア・リーグのジャッジ選手に次いで、1.0(1.036)を超えた(1点台は2人だけ)。
 打点王争いは、本塁打とともにブレーブスのオズナ選手と1位争いを繰りひろげていたが、まさかの伏兵が現れた。米時間9/14の満塁及びソロホームランの5打点をあげ翌日2打点が加わり突如ブリュワーズのアメダスならぬアダメス選手が打点のトップに躍り出た。が、その後打点を計上できず大谷選手に1打点追い抜かされた。同9/19英気を養うべく休みをとったが、その日にライバルの大谷選手は3ホーマー、10打点の荒稼ぎ。アダメス選手は三日天下で終わってしまった。大谷選手は初めて打点王(自己新の130)のタイトルを獲得した。
 本塁打では、史上初の「2年連続での両リーグ制覇」を達成。4月7本、5月7本、6月12本、7月6本、8月12本、9月10本とコンスタントに放っている。
 本塁打の飛んだ方向別に見ると、前半戦右翼席17本、バックスクリーン6本、左翼席6本計29本、後半戦右翼席17本、バックスクリーン4本、左翼席4本計25本。前半戦の右翼席本塁打の割合は59%(17/29)。後半戦は同68%(17/25)で9月だけを見ると70%(7/10)に達する。
 大谷選手はセンターへの大飛球の本塁打が出れば本調子と言われている。過去二刀流の疲れと暑さから足腰がへばり後半は手打ちで引っ張る形になっていくと見られていたが、今季後半も例年ほどではないにしろ暑さと盗塁による疲労で足腰のへばりもあり、ゴルフで言えば、下半身主導のドライバーショットが打てなくなっていた。が、サンドウェッジですくい上げような打ち方でも本塁打にする。そんな手打ちでも柵越えさせる技術とパワーが発揮されている。それが調子が悪くても3試合に1本本塁打が出ることにつながっているか。

 本塁打50本以上、OPS1.0以上は、ナ・リーグで大谷選手だけ。ア・リーグはジャッジ選手だけ。共に本塁打、打点の二冠。それで打者としてどちらが上かとファンや担当記者同士などで言い争いになる。
 私は、ジャッジ選手の試合は余り観ていないが、ホームランバッターとしてはジャッジ選手の方が上と思っている。実際ジャッジ選手は本塁打58本打っている(大谷選手は54本)。2022年にはア・リーグ史上最多の62本を記録している。私はジャッジ選手は打ちに逸っても決してボール球に手を出さないとの印象がある。
 さらにジャッジ選手は、甘い球を逃さないのが凄いところ。これは格下の投手がアシストしている面もあろう。ストライクゾーンを縦(上・中・下)横(左・央・右)の9分割すると、ジャッジ選手のホームランゾーンは、中・左、中・央、中・右と下・央で、いわゆるふんどし型。大谷選手に比べて得意なゾーン多くない。
 大谷ファンとしての贔屓目で見れば、格下の投手は同じ地球人のスーパースター・ジャッジ選手に得意なゾーンに真っ向勝負して打たれても、やっぱり凄いと感嘆するだけか。大谷選手には相手投手は総じて(アジア人差別ではなく)いわば異星人と捉え絶対打たれたくないとして大谷選手の苦手なコースを攻め、それでも打たれると顔を歪め膝を折る。
 大谷選手は、打者としても、本塁打と盗塁の二刀流。身長193㎝、体重100㎏前後の巨漢が盗塁し(成功率7割で上出来なのに)36回連続成功し9割3分以上(59/63)の成功率を誇る。太刀打ちできるメジャー選手はいないだろう(「私失敗しないので」が口癖の大門未知子外科医は勝つだろうが)。
 詰まる所、長刀の佐々木小次郎と二刀流の宮本武蔵のように異質の二人に決着をつけさせるのではなく、どちらも現役最高のメジャーリーガーとして双璧と評せば、それでよいのではないか。

 今季ジャッジ選手と大谷選手の本塁打争いを見て、「ウサギとカメ」の童話を思い出した。ウサギのジャッジ選手は、3月、4月は不調であったが、5月14本、6月11本とホームランを量産し、7月末ではウサギは39本とカメの大谷選手の32本に7本差つけていた。
  8月に入っても月間12本放っていた。ところが米時間8/25の50号、51号連発のホームランを最後にウサギは休んでしまった。52号が出たのは17試合目の同9/13。
 一方、カメの大谷選手は、8月の月間打率が2割3分と決して調子は良くなかったといえる。が、カメは3試合1本のペースでこつこつと増やしていった。同9/11に47号を放ってからはウサギ飛びができないカメは前脚を高速パタパタさせて同9/20には52号に達した。ウサギに対して1本差に迫った。 騒ぎに目が覚め泡を食ったウサギは走り出し、逃げ切る。
 童話ではカメが追い越しウサギは追いかけるも負けてしまう。ウサギは反省しないだろうが、ジャッジ選手は勝っても大事な終盤戦で16試合も本塁打を打てなかったことを反省しているのではないか。
 ジャッジ選手は大谷選手の足元に注目しているとオールスター・ゲームの折話していた。
 大谷選手は、レジェンドの張本勲さんに足を上げることを指摘されていたが、2018年訪米後オープン戦で振るわず開幕3日前に前の右足を捻るだけでタイミングをとり、足を上げなくなっている。それだけ器用なのだろう。
 足を上げるのは非力の打者が足を上げての反動でパワー不足を補うが、その分タイミングが取りづらい。目線がブレことも。大きなガタイのジャッジ選手が本塁打を打つのに足を上げる必要はない。
 ジャッジ選手は大谷選手のように摺り足に変えるには数年かかると言っていた。が、今回の16試合本塁打なし(この間の打率は2割1分1厘でしかない)を経験し、足を上げてては不調から抜け出すのに時間がかかると痛感したのでは。今オフ摺り足への移行を急ぐのではないか。
 
 来季大谷選手は二刀流に復帰しよう。今度は投手としてサイ・ヤング賞をと期待するファンもいる。私は賛同しない。
 来季大谷自身を含め強力打線の援護があり15勝以上は見込めるだろうが、サイ・ヤング賞は勝数よりも防御率を重視する。しかも、ナ・リーグは打者よりは投手に優れた選手が多い。今季防御率ベスト5を見ると、1位ブレーブスのセール投手(2.38、18勝)、2位フィリーズのウイラー投手(2.57、16勝)、3位カブスの今永投手(2.91、15勝)、4位パドレスのキング投手(2.95、13勝)、5位ブレーブスのフリード投手(3.25、11勝)。それ以外にも、新人賞候補のパイレーツのスキーンズ投手(規定投球回に達しないが1.96、11勝)もいる。
 今季手術療養中の、昨季20勝(5敗)、球団新記録となる281奪三振を記録し、最多勝と最多奪三振の2冠を獲得したブレーブスのストライダー投手 、2022年14勝、WHIP(投球回あたり与四球・被安打数合計)で0.98と1を切ったマーリンズのアルカンタラ投手も来季復帰するだろう。
 大谷選手は肘の手術を2度しており、3度目になれば投手生命が終わると言われる。
   サイ・ヤング賞を狙うには規定投球回数(162イニング)をクリアする必要があるが、PS進出の常連ドジャースではさらに18イニング程投げ計180イニング前後投げる必要がある。

 打者でフル出場する中では投手生命は3年も持たないだろう。二刀流の不滅の金字塔は2022年の「規定投球回並びに規定打席をクリアした上での15勝・34本塁打」でよいのでは。
 来季は、投手はほどほどにして、盗塁は少し減るだろうが、3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーの延長戦として打者としての三冠王を目指してもらいたいと思っている。

(次回218号は11/10にアップ予定)