ことばの物語
〖日常の仏教語〗
行水 ぎょうずい
(日常語) たらいにお湯や水をいれて、その中で体
を洗うことですが、もはや過去の遺物でありますね。
(仏教)
インドのパーリー語で「鉢から手を離して」という
言葉を漢訳する時に「自ら手に水を汲み、食後に手
を洗う」と訳されたところからで、手を洗うことに
「行水」という字を当てたところからだそうです。
身体を洗うことの意味に用いられるようになったの
は、中世以降だそうです。
雪隠 せっちん
(日常語) 便所のこと。
禅寺の法要の際、仏殿や法堂の西側に並ぶ人々を
「西序(せいじょ)」と呼び、その人たちが使用する
便所を「西浄(せいじょう)」と言い、転じて「せっ
ちん」と言うようになり「雪隠」の字が当てられる
ようになったと。
≪別説≫
・雪寳(せっちん)禅師というひとが便所の役を務め
ていたところから。
・便所の側に青椿(せっちん)を植えて、覆い隠す習
慣があったところから。
ちなみに「厠かわや」も便所ですがこの語源は
「川屋」からで、川や水路に設けて直接水に糞便を
流していました。(自然の水洗便所ですね。)
もう一説は、母屋の外に設けられた「側屋(かわや)」
からと。
(祖父母の家にもありました。子供の頃は良く見かけ
たものであります。)
【語源・故事諺の勉強】
恋 こい・レン
元の字は「戀」で「糸し糸としと言う心」?
字の成り立ちは「絲=絡んだ糸」に「言」に「心」
を加えたもの。
もつれた糸に言葉でけじめをつけようとしても容易
に分けられないこと、それに「心」を加えて「心が
様々に乱れて思いっきりが付かない」こと。
つまり、精神がこんがらている状態をさします。
「痘痕(あばた)も靨(えくぼ)」なんですね。
♪恋にゆれる 心ひとつ・・・♪
長い夜・松山千春
蛟竜雲雨を得(う)
水中に潜む蛟竜(こうりゅう)が雲や雨を得て天に昇
るように、英雄や才能のある人物が時運を得て、
能力を最大限に発揮すること。
<中国の後漢末の頃、呉国の将軍・周瑜(しゅうゆ)
が劉備を警戒し、主君の孫権に「蛟竜が雲雨を
得れば大きい力を発揮するでしょう」と忠告した
という故事に由来。>
※蛟竜は竜の一種で、成長すると竜になるとされています。
「蛟」だけで「みずち」と読みますが、この和訓の「みずち」
は「水蛇=みずち」からで、古語の「ち」は「霊力」を意味
する語尾であります。→オロチ(大蛇)・イカズチ(雷)など
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房・井上義昌編
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
漢字の話し 上・下/藤堂明保著・朝日
